碓田 拓磨
虎ノ門カイロプラクティック院院長。一般社団法人日本姿勢教育協会理事。
カイロプラクティックを学ぶために単身渡米。帰国後、2002年に開業する。講師を務める早稲田大学の保健体育科目「姿勢と健康」では、姿勢がいかに健康や人生に影響を及ぼすかということを解説するとともに、姿勢を保持できる体力づくりを実践。姿勢保持のためのグッズの開発なども行う。著書に『心と体が変わる姿勢のつくりかた』(洋泉社)がある。
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生活・しつけ
小学1年生 2017年2月7日の記事
授業参観や家で宿題をしているときなど、机に向かっている子どもの姿を見て「姿勢が悪いな」と感じるときはありませんか? 注意はしているけど、なかなかよくならないものですよね。
そこで姿勢教育指導士であり、小学校での姿勢指導なども行っている虎ノ門カイロプラクティック院の碓田拓磨(うすだ たくま)さんに、子どもへのよい座り姿勢の教え方についてうかがいます。
●姿勢を保つには、「姿勢体力」が必要
小学校に入学して、長時間机に向かうことが多くなると、子どもの姿勢が気になるという親御さんの声が聞かれます。姿勢が悪くなるのはなぜでしょう?
碓田 「姿勢が悪いという子は、いつの時代にも存在していましたし、大人にも姿勢に問題がある人は少なくありません。
そもそも『姿勢がよい』というのは、地球に対してまっすぐ立っている状態を一定時間保っていられることを言います。ひと言で言ってしまうと簡単ですが、これはある意味『Y字バランス』や軽いエクササイズをしている状態でもあり、とても大変なことです。大変だから、子どもを含め、よい姿勢をとることができない人が多いのです。
正しい姿勢を保つには、腹筋や背筋などの筋力やバランス感覚つまり『姿勢体力』が必要で、これはトレーニングをしなければ身につきません。
だからといって『姿勢をよくしなさい!』などと口で注意するだけでは、子どもはどうしたらよいかわかりません。大人がどういう状態がよい姿勢なのか、どうすればよい姿勢になるのかを教える必要があります。
けれど、今、大人もその方法を知らないということが多いのではないでしょうか。これも姿勢の悪い子が多いと言われる原因のひとつにもなっていると思います」
●まず、立っているときの腰のカーブをチェック
たしかに、どうすればいいのと言われても、わからないかも……。具体的にはどのように教えればよいのでしょう?
碓田 「姿勢体力を身につけるためには、座り姿勢の改善をすることが一番の近道です。どのようにすればよいかというと『立っているときの腰のカーブをキープした状態で座る』のです。
ほとんどの人は立っているとき、誰でも腰の部分が少しお腹の側に反っています。ですから、子どもに姿勢を教える際は、まず立ったときの腰のカーブをチェックし、座ったときにもその状態がキープできているかどうかを見るとよいでしょう。
姿勢をよくしようとすると、子どもは無理に腰を反らせることもあるので、正しいカーブになるように言葉をかけてあげてください。
立っているときと同じ腰のカーブを保っている状態
また、床に座るときは、あぐらや体育座りなどで座り続けると確実に猫背になります。正座とそれ以外の座り方を、交互にしていくようにしましょう。
食事や勉強のとき椅子に座る際のポイントとしては、体と机・テーブルの距離を離さないこと。よく、こぶしひとつ分の間隔を開けてと言いますが、それは姿勢体力が備わった後の話です。机・テーブルを体の支えに使うと丸まりにくくなるので、机に体をくっつけるくらいでよいと思います。
正しい姿勢をとるためには、環境も大切です。椅子は、足の裏がしっかり床についた状態で、ひざが90°くらいの角度を保てる高さのものを。足がつかないときは足置き台などで調節しましょう」
●姿勢にも「オン」「オフ」の切り替えを
最初はどのくらいの時間、姿勢を保っていればいいのでしょう。
碓田 「最初から長時間続けるのは難しいので、『5分がんばってみようか』などと、目標時間を短めに設定して始めましょう。小学生の場合、最終的には1時間の授業時間と同じ45分間、その姿勢を保つことが目標です。食事や宿題の時間を利用するとよいでしょう。
できなくても、叱らずに『腰のカーブ、どうするんだっけ?』などと声をかけて、無意識のうちに崩れても、自分から直していけるようにすることが大切です。
もちろん、つねによい姿勢を保っている必要はありません。授業中などはスイッチをオンにして姿勢をよくしていても、オフにして休む時間は、背中を丸めてもOKとすればよいでしょう。これは一般的に『悪い姿勢』と言われていますが、それはよい姿勢を保てない場合の話です。姿勢体力が身につけば、必要に応じて姿勢を使いこなせばよいのです。
姿勢体力を身につけるためのトレーニング中の子も、オンとオフを切り替えながら、徐々に姿勢を保つ時間を伸ばしていくようにするとよいでしょう。
子どもがよい姿勢をマスターするのに重要なのが親御さん自身の姿勢です。日ごろからもっとも目につく姿勢のお手本となるからです。親御さんも子どもと一緒に正しい姿勢体力を身につけていきましょう」
なるほど。これからは親の健康対策も兼ねて、家族で姿勢を意識していきたいと思います。
碓田さん、ありがとうございました。
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碓田 拓磨
虎ノ門カイロプラクティック院院長。一般社団法人日本姿勢教育協会理事。
カイロプラクティックを学ぶために単身渡米。帰国後、2002年に開業する。講師を務める早稲田大学の保健体育科目「姿勢と健康」では、姿勢がいかに健康や人生に影響を及ぼすかということを解説するとともに、姿勢を保持できる体力づくりを実践。姿勢保持のためのグッズの開発なども行う。著書に『心と体が変わる姿勢のつくりかた』(洋泉社)がある。
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