田宮由美
子ども能力開花くらぶ『ちゅーりっぷ ふれんず』代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、現在に至る。携わった仕事と自らの子育てをもとに「生きる力を育む子育て」を発信。講演、コラム執筆などを中心に活動している。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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生活・しつけ
小学1年生 2017年1月17日の記事
買い物に行ったとき、お菓子やオモチャなど欲しい物があると、子どもが「買って、買って!」と繰り返し、困ってしまうことはないでしょうか。
物欲が抑えられない子どもの心に隠れている本当の気持ちとは?
子育て支援士の田宮由美さんにお話をうかがいました。
●本当はお母さんに「かまって欲しい」
田宮 「買い物に行ったとき、子どもに『買って、買って!』とダダをこねられると、親としては、周囲の目も気になり、大変困りますね。
中には大泣きして、その場に寝転んで感情を爆発させる子もいます。
でもそのような子は、お母さんを困らせようとしているのではなく、
『大好きなお母さんにかまって欲しい』
『もっと愛されたい』
という、満たされない思いを心のどこかで抱いていることが多いでしょう。
お母さんに自分の方を向いてもらいたくて、気を引こうとするんですね。
子どもの自己肯定感が低くなっていて、満たされない心の隙間を物で埋めようとしているのかもしれません。
お母さんは、家事、育児、仕事などで毎日忙しくて大変だと思います。
でも、短い時間でもいいので、子どもの話に耳を充分に傾けて会話を交わし、スキンシップをとったりして、“深く関わる時間”を意識的につくってみてください。
例えば、食事、入浴などの時間に、今日あった出来事など子どもの話をじっくり聞いてあげたり、就寝前の絵本を読み聞かせを習慣にしたり。
毎日数十分でもいいので子どもとふれあい、受容してあげると、お母さんの愛情を感じて心が満たされていきます。
それを重ねていくうちに、親子の信頼関係も深まり、物で心を満たそうとすることは減っていくでしょう」
●子どもが店先で「買って!」とダダをこねたときの対処法
田宮 「では次に、子どもが店先で『買って!』とダダをこねたそのとき、どのように対処すればよいかお伝えします。
親は、子どもが何度も『買って!』を繰り返したり、大泣きしたりすれば、少額のお菓子などなら、買ってあげてしまうことがあるかもしれませんね。
しかし、それを毎回繰り返していると、子どもは、欲しい物があると、我を通してダダをこねれば何でも手に入ると思うようになります。
ですので、子どもの要求に全て応え、買い与えることはよくありません。
また、子どもに対して感情的になって大声で怒鳴り
『わがままを言う子は、おうちに入れません!』
『ダメなものはダメ! もう二度と来ないよ!』
などと言うのも止めましょう。
なぜなら、『おうちに入れない』と言っても、実際、親は家に入れるでしょう。
やがて子どもはそれを見抜きますし、脅しでその場を収めても根本的な解決にはなりません。
また頭ごなしに一方的に否定されれば、更に自己肯定感は低下してしまいます。
泣きわめいたり、床に寝転んでダダをこねたり、そこまでいくと子どもはパニック状態になっているので、何を言っても言葉が耳に入らないでしょう。
そんなときは、子どもをギュッと抱きしめたり、その場から離れたりして、クールダウンをしましょう。お茶などの飲み物を飲ませてもいいですね。
気持ちが落ち着いてきたら、
『△△が欲しかったのね』
と、いったん子どもの気持ちを認め、受け入れてくだい。
そして、
『今日は、お母さん、その分のお金を持ってきていないの。また次に来たとき、買おうね』
『お誕生日に買ってあげるね。その時まで、本当に欲しいものは何か、よ~く考えておいてね』
などと、言葉をかけてあげればよいでしょう。
また、買い物に出かける前に、親子で約束するのもポイントです。
例えば……
『今日は、お菓子を買ってあげるよ、ただし1個だけね』
『オモチャはお誕生日のお楽しみにしようね。どれが本当に欲しいか考えよう』
『今日は、〇時にお客さんが来るから、オモチャ売り場に行く時間がないの。今度、時間のあるときに行こう』
このように言葉がけをし、親子でコミュニケーションをとっていくことで店先でダダをこねることは少なくなり、たとえ『買って!』と言っても親が説明すると、そこで収まるようになっていくでしょう。
また、事前に子どもと約束するときは、買う日などを記したメモや手紙を渡してあげると、子どもはより納得し、買ってもらう喜びも増します」
店先で「買って!」とダダをこねる子どもに対しては、
日頃の親子の関わりや、買い物に行く前のお約束がカギを握るのですね。
田宮さん、ありがとうございました。
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田宮由美
子ども能力開花くらぶ『ちゅーりっぷ ふれんず』代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、現在に至る。携わった仕事と自らの子育てをもとに「生きる力を育む子育て」を発信。講演、コラム執筆などを中心に活動している。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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