小渕 あさこ
青葉台カウンセリングルーム 代表臨床心理士
日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター
スクールカウンセラーとして小・中・高校に勤め、横浜青葉台に女性のための心理カウンセリングルームを開業。
親子のためのアンガーマネジメントのセミナーやカウンセリングを中心に活動している。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年12月28日の記事
前回は、小学生の「中間反抗期」についてお伝えしました。
子どもの口答えなどの反抗に、親はどのように対応すればいいのでしょうか。
臨床心理士の小渕あさこさんにお話をうかがいます。
小渕 「親としては、子どものためを思って『あれやった? これやった?』と確認したくなりますよね。
子どもは、小学生になると自分で決めて行動する自主性の芽が伸びていきます。
でも、親が何でも過干渉になってしまうと、この芽を摘むことになり子どもの反抗につながることもあるのです。
子どもは、お母さんに自分の意見を尊重して欲しいと思っています。
だから、子どもを信頼して任せることを少しずつ増やしていくことも必要です。
例えば、
『明日の学校の準備をしなさい』
という言葉に対して
『ヤダ、やりたくない』
と、子どもが反抗してきたとします。
『そうかぁ、今はやりたくないのね。
じゃあ、あなたはいつ準備したい? お母さんに聞かせて?』
と、子にどうしたいのかを聞いてみます。
親からの指示が多過ぎると子どもの考える力が育ちません。
時間はかかりますが、子どもに考えさせて意見を尊重してあげてください」
小渕 「子どもの反抗的な態度に振り回されないようにするために、『許すこと』『許さないこと』ことの線引きをしましょう。
例えば…
《許すこと》
・『ヤダ』『やりたくない』などの口答え
・親の言葉への軽い無視
《許さない》
・『バカ』『クソババア』『死ね』など、乱暴な言葉を使う
・物に八つ当たりをする(物を投げる、壊す)
・人に暴力を振るう(叩く、蹴る)
線引きをはっきりし、《許さない》に当てはまる暴言や暴力は、なぜそれがいけないのかを諭す必要があります。
そのとき、
『口答えばっかりして、あなたは悪い子ね!』
『そんなダメ子、お母さん知らない』
『出ていきなさい!』
と感情的になって否定したり、突き放したりするのではなく、
『クソババアって言われたら、お母さん悲しいな。心の傷はずっと残るんだよ』
『物を投げるのは、お母さん、よくないと思う』
『たたいたら、痛いよね。ケガをしてしまうかもしれないよ』
など、なぜ暴言や暴力がいけないのか理由を伝えましょう」
逆に、許す(許容範囲)と決めたことについては、腹を立てて小言を言ったりせずに、スルーしてくださいね」
小渕 「反抗期の子どもは、なぜ自分がイライラするのか気持ちがわからず、怒りをそのまま爆発させて八つ当たりをしてしまうことがあります。
その場合、怒りの感情と上手に付き合う方法を伝えましょう。
怒りは二次感情で、その奥には不安、恐れ、寂しさ、体の疲れ…など、怒りの引き金となっている一次感情が隠れています。
まずは怒りを爆発させないように
『ムカッとしたら、深呼吸を5回しよう』
『6秒数えよう』
『ぬいぐるみを抱っこしよう』
『それでもイライラが収まらないなら、その場から離れよう』
と怒りをしずめる方法を伝えます。
それでもなかなか気持ちが切り替えられないときは、ストレッチをしたり、身体を動かしたり(ジョギング、縄跳び)、工作や絵を描くなどの活動をしていくと、じょじょに気持ちが落ち着くでしょう。
冷静になったときに、
『何か不安なことはある? お母さんに聞かせて?』
などと子どもの気持ちを聞いてみてください。
例えば、
『疲れたから、すぐに宿題したくない。でも、明日テストがあってできるかどうか不安』
『今日、忘れ物をして、みんなの前で先生に怒られたから悲しい。どうすればいいかわからない』
など子どもの気持ちを聞くと、イライラの原因が見えてきます。
怒りの感情を否定せずに
『怒るのは、悪いことじゃないんだよ。でも、怒ったからって、たたいたりけったり、ひどい言葉を使ってはいけないよ』
と、なぜ八つ当たりすることがいけないのかを伝えます。
そして、どうすれば解決するのか親子で考えましょう。
時間がかかりますが、なぜイライラするのか、気持ちを言葉にすることで、子どもは怒りの感情と上手に付き合えるようになっていきます。
悲しい、悔しい、不安という気持ちを自覚して、それを信頼できる大人に伝えられれば、子どもは怒りで暴れるようなことはなくなります」
「反抗する子」は悪い子だと決めつけるのではなく、自立へ進んでいると捉えて子どもと向き合っていくことが大切なのですね。
小渕さん、ありがとうございました。
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小渕 あさこ
青葉台カウンセリングルーム 代表臨床心理士
日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター
スクールカウンセラーとして小・中・高校に勤め、横浜青葉台に女性のための心理カウンセリングルームを開業。
親子のためのアンガーマネジメントのセミナーやカウンセリングを中心に活動している。
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