倉田知子(くらた ともこ)
本郷メンタルサポート「さぷる」主宰。臨床心理士・臨床動作士・臨床発達心理士。保育園・幼稚園の発達相談や小学校から高校までのスクールカウンセラーの経験を持つ。
ストレスマネジメントの専門家として、講習会などを通じて動作を用いたストレス対処法の紹介を行っている。
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小学1年生 2016年10月28日の記事
行事続きで、子どもたちもちょっぴり疲れがたまりがちな秋。ちょっとイライラしているかなと感じたら、親子で深呼吸タイムはいかがですか?
ストレスマネジメントに詳しい臨床心理士の倉田知子さんに、気軽にできて、リラックス効果の高い呼吸法を教えていただきました。
●深呼吸には、体のこわばりや緊張を和らげる効果が
緊張したときなどに、深呼吸をして気持ちを落ち着けるということはよく耳にしますが、ストレスにも効果があるのですか?
倉田 「人は緊張やイライラしている状態が続くと、自分では気がつかないうちに体がこわばり、縮こまってしまいます。すると自然と気持ちも落ち込み、さらに意欲や主体性・積極性なども低下します。
そんなとき、深呼吸で息をゆっくり長く吐くようにすると、自律神経のひとつである副交感神経が高まるので、緊張をゆるめ、興奮や動悸などを抑えてリラックスすることができるんです。
また、深呼吸でリラックスする習慣を身につけることで、イライラや不安などの感情を抑え、『自分の体や気持ちをコントロールできる』という感覚が養われます。この感覚は、主体性や自己肯定感にもつながり、子どもが成長するうえで、とても重要なものなのです。
今は、子どもでも緊張から肩こり状態になっているケースが多く見られます。小さいうちから深呼吸する習慣がついていれば、成長してからも、受験や就職、仕事などにも役立ちますので、日ごろからぜひ実践してほしいと思います」
●息を吸うときの倍の時間で、細く長く吐くのがコツ
では、リラックスに効果的な深呼吸の方法を教えてください。まず、どんな場所でやればよいでしょう?
倉田 「落ち着いた環境ならどこでもいいですが、夜、寝る前がやりやすいでしょう。深呼吸によって副交感神経が働くようになるので、眠りの質も高くなります。
お母さんもゆったりした気持ちになって、落ち着いたトーンで子どもに声かけをしてあげてください。
これからご紹介するのは、いわゆる『10秒呼吸法』と言って、3秒で息を吸い、1止めて、6秒で吐くというものです。最初のうちは、お母さんが声に出して数を数えてあげるといいでしょう。
ただし、あまり秒数にこだわりすぎると、体に意識がいかなくなってしまいます。体の感覚を味わうことも大切なので、慣れてきたら数を数えずに、吸ったときの倍くらいの時間をかけて、細く、長く吐くようにして、体を意識しながら行うとよいでしょう。
〈呼吸のしかた〉
① 仰向けに寝転がって、お腹に手をあてます。初めのうちは、お腹に手を当てたり、一緒に手を添えてあげるといいでしょう。
② 『1、2、3』と、ゆっくりと3つ数えながら息を吸います。『お腹の風船をふくらませようね』などと声をかけてもいいでしょう。
③ 『4』で息を止め、『5、6、7、8、9、10』の6秒間で息を吐いていきます。ゆったりと、細く、長く吐くようにするのがポイント。『ふーーって、風船の空気が出ていく感じでね』などの言葉をかけると、よりイメージしやすいでしょう。
これを2〜3回繰り返します」
これなら、子どもにもすぐマスターできそうですね。
●肩の上げ下げするだけで体がゆるみ、リラックス!
倉田 「もうひとつ、呼吸法のほかに、体の緊張を和らげる方法をご紹介します。肩を上げ下げする簡単な動作ですが、深呼吸とセットで行うと、リラックス効果が高まります。
① ゆっくりと肩を上げ、数秒間静止します。『今、肩が緊張しているよ』と、肩の状態を意識させ、その後『じゃあ、これからストーンと下げるから、ゆるんだ肩の感じをじっくり味わおうね』と声をかけます。
② 「せーの、ストーン」と声をかけ、そのタイミングで肩を落とします。このとき目をつぶって、肩のじんわりした感覚をじっくり味わいます。
これを2〜3回ほど繰り返しましょう。
最初は、お母さんが子どもの肩に手を置きながらやってみてもいいですね」
たしかに、肩を下げた瞬間に、肩が軽くなって、じんわりした感覚が残るような気がしました。
深呼吸も肩の上げ下げも、何気ない動作ですが、意識してやってみると、とてもリラックスできることがわかりました。
倉田さん、ありがとうございました。
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