山崎 浩一 (やまざき こういち)
臨床発達心理士。教育相談オフィス「オフィス紫陽花」スタッフ。「新しい学校適応支援相談員」を経て、現在、東京都スクールカウンセラーとして勤務中。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年6月22日の記事
手のかかる幼児期を過ぎて、どんどん成長していく子ども。パパの役割もどんどん変わっていきます。この時期の子どもに対して、パパはどのように接していけばよいのでしょう?
●パパは、子どもにとって外の世界との架け橋
小学校低学年の子どもにとって、パパというのはどういう存在なのですか。
山崎 「両親がいるという前提ですが、ママは世話をし、言語的な関わりをする存在であるのに対し、パパは遊び、つまり身体的な関わりをする存在といえます。
さらにそこから広がって、家で心を安定させるのがママなら、パパは主に外との架け橋という役割を担っています。ありきたりかもしれませんが、これは性役割というよりも、生物学的な部分に関わることと言っていいでしょう。
また、子どもの性別によって、パパの存在意義は違ってきます。
男の子にとっては、自分のモデルとなるのがパパ。どのくらい活発に行動し、話をするのか。ママとの会話のしかた、時には親父ギャグをとばしたりということまで含めて、子どもはモデルとして見ているのです。
女の子にとっては、パパは将来結婚したいと思う男性のモデルになります。また、『自分の社会的自立をパパが認めてくれている』と実感している女の子は、自尊感情が高く、性同一性、つまり女性としての自分の捉え方が安定しているという研究結果もあります。自尊感情というのは、学習意欲や自分への自信、感情の安定などに関わる大切なものです。パパ自身は、女性は家にいるべきものという考えがあるとしても、娘の生き方を認めることが重要だということですね。
いずれにしても、男の子、女の子どちらにとっても、子どもの将来に関わるモデル像になるのですから、パパの責任は重大です。パパが家族における役割をしっかりまっとうすることが求められています」
●一緒にいる時間が短くても、存在感は出せる
「パパ」の役割を果たすために、子どもに対してしてあげたほうがよいということはありますか?
山崎 「私がよく言うのは、とにかく子どもと話をしましょうということです。といってもお休みの日に『最近、学校どう?』と聞いたりするだけでいいんです。最初はあんまり話してくれないかもしれないけど、だんだん話すようになってきます。パパが自分のことを見ようとしてくれていると、子どもが思えればそれでいいんです。
そしてもうひとつ、パパも自分のことを話してくださいとおすすめしています。自分の感じていること、会社での話、『この間、仕事で失敗しちゃったよ』という話でもいいでしょう。子どもの好きなゲームの話はできなくても、これならどのパパでもできますよね。
そうすると、平日パパと会う時間が少なくても、『パパ、こんなことをしているのかな』と子どもにイメージができ、毎日一緒にいるような感覚がわいてくるわけです。それがつまり“存在感”というわけですね。忙しい中、無理に宿題を見てあげたり、遠くに出かけてバーベキューをしたりできなくても、話をすることだけでも存在感は高まるんです。
ママも、パパの帰りが遅い日が続いたら『一生懸命お仕事していて大変なんだよね』『お休みの日に肩をもんであげようか』などと子どもに話してあげてください。ママが与えるイメージは、子どもにとって大きいですから」
それには、やっぱり夫婦のコミュニケーションも大切ですね。
山崎さん、ありがとうございました。
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