山崎 浩一 (やまざき こういち)
臨床発達心理士。教育相談オフィス「オフィス紫陽花」スタッフ。「新しい学校適応支援相談員」を経て、現在、東京都スクールカウンセラーとして勤務中。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年6月21日の記事
前回は、ママの子育ての不安やグチを聞くことが、パパの役割ということを、臨床発達心理士・スクールカウンセラーの山崎浩一さんにうかがいました。今回は、共働き家庭のパパの育児参加についてお話をうかがいます。
●根強く残る男性は仕事、子育ては女性という意識
子どもが小学校に入学したのを機に、仕事を始めるママも多いと思います。共働きの場合、パパの存在や役割はまた違ってきますか?
山崎 「今は女性の進出を後押しするような風潮もあって、ママたちも社会に出るのが当然という意識を持っていると思います。
しかし、今でも調査をすると、男性の権限のほうが強いなど、社会全体に伝統的な考えや慣習が根強く残っています。
特に男性は保守的で、子育てに参加していても、最終的には男は仕事、女は子育てという性役割観を持っている人も多く見られます。
私は大学の1、2年生を対象に、男性の場合は自分が、女性の場合は配偶者が専業主夫になってもいいかというアンケートをとったことがあるんです。
すると、男女ともに、『女性のほうが稼げるなら』とか、『それで生計が成り立つのならそれでもいい』という回答でした。これは、裏を返せば、いまだに同じ年齢なら男性のほうが収入がよいという前提があるわけです。学生でもこれですから、働いていれば、なおさらです。
特に今の20〜30代の人たちは共働きも多いですが、学校で子どもが熱を出したとき、迎えにいくのはどちらかといった状況になったら、やはりママというケースが多いのではないでしょうか。そのあたりは、以前と変わらない部分も大きいと思います。
性役割観については、すぐに意識を変えるのは難しいでしょうが、そこは夫婦でしっかり話し合うことが大切です。育児の負担の配分や子どもについての心配事など、ママに任せきりにせず、積極的にコミュニケーションをとりましょう」
共働きの場合、どうしても女性のほうの負担が大きくなってしまいがちです。パパのがんばりに期待したいですね。
●「お手伝い」ではなく「一緒に子育て」と考えて
山崎 「また、これは共働きに限らないのですが、育児をしている男性の中には、積極的に子育てをしているように見えても、実は『手伝っている』という意識をもっている人も多いのではないかと思います。
最近は育児の世界でも、『パパはママのソーシャルサポター(支援者)』と言われていますが、これは、子育ては女の人がやるのが基本ということが前提になっています。すっかり定着したイクメンという言葉も、実は『育児は女性がやること』という意識の裏返しとも言えます。
でも、子育ては本来、夫婦一緒にやるのが当たり前のこと。多くの女性はそう考えています。いくらママの子育てのグチを聞いたり、コミュニケーションをとっても、パパがお手伝い意識でいてはママの不満や悩みは晴れません。
赤ちゃんの頃は、おむつ替えやお風呂などの『お手伝い感覚』で育児に参加できても、子どもが成長し、反抗期や思春期を迎える頃には、お父さんも子どもと真剣に向き合わなくてはならない場面も増えていきます。
そのためには、夫婦一緒に子育てをしているんだという意識や姿勢を持つことが大切。自分はどうなのか、子どもが小学校に入学したのを機に、もう一度振り返って考えてみてはどうでしょう」
小学生になると、不登校やいじめなどの問題も起きるかもしれません。そんなとき真剣に子育てに向き合ってくれるパパがいれば、ママも心強いですね。
山崎さん、ありがとうございました。
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