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学校・まなび
小学1年生 2015年8月11日の記事
先生とのやり取りのポイントは?[8/11]
《「問題保護者」にならないために 2回目》 ちょっとした挨拶や配慮の言葉を付け加えて
「問題保護者」と思われることが気になって、心配事があっても学校に相談するのを躊躇してしまうという声に対して、前回、心理カウンセラーの鈴木雅幸さんに、相談する際に相手に配慮しながら伝えることの大切さについてうかがいました。
では、具体的に、どのように配慮していけばよいのでしょうか。今回も引き続き、鈴木さんにお話をうかがいます。
●自分のほかにも働きかけたい保護者がいる、というイメージを
学校に対して相談をしたり、要望を伝えるときのポイントを教えてください。
鈴木 「前回、疑問や要望があれば、積極的に伝えてほしいと申し上げましたが、先生たちの側にも余裕がないというのが現状です。
ですから、もし何か相談したいことや伝えたいことがある場合、ほかにも同じように保護者が先生に働きかけていて、自分もその1人なんだというイメージをもつとよいでしょう。
本当は自分のためにたくさん時間を割いて話を聞いてほしいところでしょうが、まずはその気持ちを抑えて、『お忙しいとは存じますが、お時間のあるときで結構なので、教えていただけるとありがたいのですが』と切り出せば、先生たちに伝わる印象はまったく違ってくるはずです」
お互いに余裕がないからこそ、相手の都合を考えながらアプローチしていくことが大切なのですね。
●先生とのコンタクトは、電話より文書で
学校に連絡をとりたいとき、電話はダメという話を聞きますが、実際はどうなのでしょう。
鈴木 「表立って、電話をかけても学校はダメとは言わないでしょうが、教室で子どもたちと作業をしているときであっても、保護者から電話がかかってくれば、先生は出ないわけにはいきません。当然その分の時間がとられるということになります。
ですからなるべく電話は使わず、まずはお便りや連絡帳でアポイントをとるようにしましょう。
『実は心配なことがありまして、お忙しいとは思いますが、少しお時間をいただければと思います。先生のご都合のよい日を教えていただけますか』と書き込めば、先生も『それなら水曜日の放課後なら大丈夫です』などと提案しやすくなります。二度手間ではありますが、先生にとってはこのほうが助かります。
もしも電話をかけるときも、『お忙しいところすみません』と加えながら、手短かに用件だけを伝えて、細かい話は実際に会ったときに伝えるようにしましょう」
●連絡帳などの文書での伝え方には、より注意を
連絡帳や手紙の書き方で、何かポイントはありますか?
鈴木 「こういうことを書いたら問題視されるという書き方はないと思いますが、切羽つまっていると、どうしてもいきなり用件を切り出してしまいがちです。実際に会って顔を見られる状態であれば、相手にも『追い込まれて感情的になってしまっているのだな』などと理解してもらえますが、文書だと、場合によってはクレームに受け取られかねません。
ですから、連絡帳で重要な用件を伝えるときこそ、ちょっとした気遣いがとても重要になってくるんですね。
具体的には、書き出しに『いつもお世話になっております』と書き添えるようにするといいでしょう。
その程度のことかと思われるかもしれませんが、これが意外にできていない人も多いんですよ」
●「〜してください」だけではクレームにとられることも
伝え方や書き方のちょっとした配慮が、本当に大切なんですね。
鈴木 「要望を伝えるときも、ただ、自分の要求を『こうしてください』と伝えるだけでは、内容によってはクレームととられることもあるかもしれません。でも『子どもがこう言っているので、先生は大変でしょうが、こうしていただけると助かります』という言い方をすれば、それを即クレームと解釈する人はいないはずです。
こうした伝え方などは、皆さん、仕事などでは普通にやっていることだと思いますが、子どものことになると、余裕がなくなってしまうんですね」
「問題保護者」とまではいかなくても、子どものトラブルとなると、どうしても冷静ではいられなくなります。いざというときは、できる限り冷静に、常識ある対応を心がけたいと思います。
鈴木さん、ありがとうございました。
もう一つ、保護者にとっては実際に相談をしたとしても、今ひとつ納得がいかなかった……というとき、どのように働きかければいいのか迷うところです。次回はこのあたりについて取り上げます。
プロフィール
心理カウンセラー。
スクールカウンセラーとして東京都内の3つの小学校に勤務した経験をもつ。現在は成人向けのカウンセリングのほか、子育ての悩みなどの教育相談や子どもへのカウンセリング、子育て勉強会やメールマガジンの配信なども積極的に行なっている。
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