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学校・まなび
小学1年生 2015年8月12日の記事
学校とのやりとりがうまくいかないときは?[8/12]
《「問題保護者」にならないために 3回目》 納得できない部分を自分なりに確かめることも大切
前回は、学校への相談・要望などの具体的な伝え方を、心理カウンセラーの鈴木雅幸さんに教えていただきました。
今回は、相談はしたけれど納得がいかないというとき、学校にどう働きかければいいのかについてうかがいます。
●納得できないときは、一度間を置いてみる
いざ学校と話し合いはできたとしても、その回答に納得できないということもあると思います。お互いの関係がぎくしゃくせずに納得できるようにするには、どうすればいいでしょう?
鈴木 「学校や先生に不満をそのままぶつけると、かえって事態がこじれることもあります。
その場合には、次のようなことをしてみるといいでしょう。
・さらに子どもと話し合う
納得がいかない点や疑問に思うことを探るために、子どもにもう一度、状況をよく聞いてみましょう。責めたり、大人が誘導したりせず、子ども自身が話すことに耳を傾けてください。
・学校に足を運んだとき、様子を見てみる
子どもが話しにくそうなときは、無理強いせず、学校公開の日などで足を運んだときに様子を見てみるといいでしょう。休み時間などの様子で、なんとなくわかるものです。子どもの様子を観察しつつ、クラス全体の様子も観察してみましょう。
・信頼できる保護者から情報を得る
もし知り合いの保護者の中で、相談したことをほかに漏らしたり、自分の価値観を押し付けず、親身になって聞いてくれる人がいれば、いろいろな情報をもらうなど、ぜひサポートしてもらうとよいでしょう。
・間をおいてから、再び先生に相談してみる
納得のいかない回答でも、一度引き取って、しばらくしてから再度『先生のお話を聞いて、いろいろとやってみました。ありがとうございました。たびたび申し訳ありませんが、まだ少し心配なところがあるのですが……』と働きかけるというのも一つの方法です。間をおくことで、先生から『では、こちらもう少しよく見てみます』などと、保護者の気持ちに沿って考えようという姿勢を引き出しやすくなります」
一呼吸置いて冷静に考えるためにも、間を置くというのは、いいですね。
●先生と子どもの話、どちらも鵜呑みにしないことが大切
鈴木 「親御さんが釈然としない原因の一つに、子どもの話と先生の話が食い違うという声もよく聞かれます。
例えば、子どもの言っていることを先生に伝えたときに『そんなことはないと思いますが……』などと言われて、それ以上追求できず、悶々としたままで問題を持ち帰ることになると、かえって学校への不信感を募らせてしまうんですね。ときには、それがもとで学校とのトラブルに発展してしまうこともあります。
この場合、実はいくつかのケースが考えられます。
- 先生が気づいていない
- 子どもの受け取り方・表現の仕方が先生の受け取り方とずれがある
- 子どもが事実ではないことを言ったか、小さなことをオーバーに言っている
- 本当は子どもの言った通りだが、先生が認めない
どのケースに当てはまるかによって、それぞれ対応の仕方がまったく違ってきます。
本来は、先生がそこまで汲み取って保護者の方に対応すべきなのですが、先生の力量などに左右される部分もあって、なかなか難しいのが現実です。
また、子どもにしても、嘘をつくというのではありませんが、大人の捉え方とは違ってくることも多いため、先生の話とどうしても一致しない部分が出てきます。
子どもの話を鵜呑みにすると、学校に対して、どうしても感情的になってしまいがちなので、まずは自分でいろいろなことを確かめ、自分の中で納得する回答を見つけていくことが大切だと思います。
親御さんにしてみれば大変なところもあるとは思いますが、こういった作業を一つひとつこなしていくうちに、『もしかしたら、こうなのかもしれない』『こういうこともあるんだ』と気づくことも多いはずです。それが学校理解にもつながってくるのではないかと思います」
子どもや学校の言葉に振り回されずに、自分で動いて確認することを心がけていれば、今後、万が一何か問題が起きたときにも冷静に対応できますね。
鈴木さん、ありがとうございました。
プロフィール
心理カウンセラー。
スクールカウンセラーとして東京都内の3つの小学校に勤務した経験をもつ。現在は成人向けのカウンセリングのほか、子育ての悩みなどの教育相談や子どもへのカウンセリング、子育て勉強会やメールマガジンの配信なども積極的に行なっている。
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