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学校・まなび
小学1年生 2015年8月10日の記事
困ったことや要望を、学校にどう伝える?[8/10]
《「問題保護者」にならないために 1回目》 気になることは遠慮せず相談を。ただし伝え方に注意!
保護者の皆さんからは、子ども関係のトラブルや、学校に対する要望、疑問があっても、「うるさい保護者だな」と思われそうで、学校には気軽に相談しにくいという声が聞かれます。
いわゆる「問題保護者(モンスターペアレンツ)」に見られたくはないけれど、学校に伝えたいことがあるとき、どんなアプローチをしていけばよいのでしょう。
スクールカウンセラーとして保護者の教育相談などを行なってきた経験をお持ちの心理カウンセラーの鈴木雅幸さんにうかがいました。
●疑問や希望は遠慮なく学校に伝えよう
ここ数年、学校に対して理不尽な要求や苦情をつきつける保護者が増えていると言われていますが、実際はどうなのでしょう?
一方で、そういう話を聞き、「こういうことを言ったら『モンスターペアレンツ』って思われるかも」なとど気にする親御さんもいるようですが……。
鈴木 「『モンスターペアレンツ』という言い方は、一人ひとりの事情に目を向けることなく、ひとくくりにして問題視することになるので、なるべく私自身は使わないようにしています。
ただ、スクールカウンセラーとして学校に勤務していたときの経験で言えば、いわゆる理不尽な要求をする『困った保護者』は確実に存在し、年々増加しているという印象を受けたことは事実です。
でも、数で言えばそれはごくごく限られた方のことです。ほとんどの保護者はそうではないのに、口うるさい保護者だと思われたくないということで、本来、学校に聞いたほうがよかったり、ちょっと聞くだけで疑問を解決できることが相談できないというのは、とてももったいないことです。
学校に対して疑問に思ったこと、こうしてほしいということがあったら、遠慮せずに担任の先生に伝えたり、質問してほしいと思います」
●伝え方によっては「やっかいな親御さん」と受け取られることも
伝えられなくて不安や心配を募らせるよりも、きちんと伝えたほうがいいということですね。
鈴木 「とはいっても、伝え方には多少の配慮が必要です。
お子さんに心配なことなどがあると、保護者の方はどうしても混乱してしまいます。私が私自身の経験で言えば、お子さんが苦しい思いをしているということで、親御さんがどうしたらいいかわからず、学校を責めたり、苦情を言うような形になってしまうことがありました。
こういう場合、親御さん自身にはそういうつもりがなくても、先生方から見ると『ちょっとやっかいな親御さん』に映ってしまうこともあります。
私がその親御さんと話をしても、いわゆる『モンスターペアレンツ』というのではなく、子どもや学校のことをよく見ていて、こちらの話もきちんと理解していただける方でした。そういう人でも先生を前にして、わが子のことを伝えようとすると、緊張してしまい、つい攻撃的になってしまうんですね。
お互いが少しだけ冷静になって、よく話し合えば理解しあえるはずなのに、伝え方ひとつでお互いの間にギャップができてしまうというのは、とても残念なことです。
もちろん、教師の側に、親御さんの気持ちを汲み取る努力も必要です。
ただ、お母さんたちの側にも、いざというときにほんの少し伝え方などに配慮するだけで、学校と円滑にコミュニケーションをとることができるのだということを知っておいてもらえるとうれしいですね」
鈴木さん、ありがとうございました。
次回は、学校への要望などの伝え方について、具体的なポイントなどを教えていただきます。
プロフィール
心理カウンセラー。
スクールカウンセラーとして東京都内の3つの小学校に勤務した経験をもつ。現在は成人向けのカウンセリングのほか、子育ての悩みなどの教育相談や子どもへのカウンセリング、子育て勉強会やメールマガジンの配信なども積極的に行なっている。
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