(医)徳枝会 佐藤皮膚科小児科クリニック院長。東京医科大学病院小児科、大久保病院皮膚科勤務を経て、東京・練馬区にクリニックを開業。平成16年には、病児保育室「プリムラ」を開設。
佐藤皮膚科小児科クリニックのURLはこちら http://www.hifu-codomo.com
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
生活・しつけ
年長 2018年8月6日の記事
お出かけの予定の多い夏休み。でも、暑さの厳しい夏は、日差しや高温、虫刺されなどの対策をしっかりしておくことが大切です。そこで佐藤皮膚科小児科クリニックの佐藤徳枝先生に夏の健康トラブルへの注意ポイントを教えてもらいました。第1回は熱中症について伺います。
夏休み中は遊園地や海、山など、1日中日差しのきつい屋外で過ごす機会も多くなります。猛暑の中、元気に走り回る子どもを見ていると、熱中症にならないかちょっと心配に。
「熱中症は、気温・湿度の高い環境で、体内の水分やナトリウムなどの塩分バランスがくずれたり、体温の調節機能がうまく働かなくなったりして、体に熱がこもることで起こります」と、佐藤先生。
熱中症になりやすい条件は
・気温が25℃以上のとき
・湿度が高い
・風が弱い
・日差しが強い
などで、これらが揃ったときほど危険なのだとか。
熱中症になる人の数は気温・湿度が急に上がり始め、まだ体が暑さに慣れていない梅雨明け直後から増加する傾向があります。また、気温が25℃以下でも、湿度80%以上になると汗が蒸発しにくいため、より危険性が高くなるので、曇りの日でも安心とは言えないそうです。
「このような環境に加え、体調不良や水分不足などの条件が揃えば、屋内でも熱中症になっても不思議ではありません。特に、子どもは体温調節機能が未熟なうえ、体が小さいために、大人よりも地表からの照り返しの影響を強く受けてしまいます。子どもは熱中症になりやすいものと考え、十分に配慮してください」(佐藤先生)
熱中症になると、どんな症状が起きるのでしょう? 佐藤先生によると症状は、重症度によって以下の3段階に分けられるのだそうです。
Ⅰ度
・めまいや立ちくらみがある
・筋肉のこむら返りなどがあって、痛みを伴う
・いくらふいても、どんどん汗が出てくる
・生あくびが出る
Ⅱ度
・頭痛がする
・吐き気やおう吐
・体がだるくて、ぐったりする
・体温が上がる
Ⅲ度
・意識がなくなる、もうろうとする
・体温が高い
・けいれんする
・まっすぐに歩いたり、走ったりできない
とはいえ、明確に3段階で症状が出るわけではないので、該当する症状があったらすぐに対応することが大切です。
万が一、熱中症になってしまったら、どんな手当をすればいいでしょうか。
「体温が高くても意識があるようなら、Ⅰ度のレベル。まずは、急いで次のようなケアをしてください」(同)
・涼しい場所、風通しのいい場所で休ませる
・衣服をゆるめて、わきの下や首、脚の付け根などを氷や保冷剤、冷たいタオルなどで冷やす
・経口補水液などで水分・塩分を補給する
「多くの場合はこれで回復すると思いますが、しばらくしても回復しない場合は、医療機関へ受診しましょう。また、吐き気が強くて水分がとれない、意識がない場合は重症化のサイン。急いで病院へ連れて行きましょう」(同)
では、熱中症にならないようにするためには、出かけた時にどんなことに気をつければいいのでしょうか?
・出かける前日からしっかり睡眠をとる
・当日の朝はきちんと朝食を摂る
・風通しのよい服装をする
・こまめに水分を補給する
・長時間炎天下にいるのは避け、日陰でこまめに休憩する
水分補給については、水やお茶よりも経口補水液やスポーツドリンクなどのほうが、ミネラル分が補給できていいそうですが、糖分のとりすぎになることも。日常的な水分補給には、ミネラル麦茶などもおすすめだとか。
「睡眠不足で朝食を抜いて出かけたりすると、熱中症のリスクが高くなります。出かける前日はしっかり睡眠をとり、朝食をきちんと摂ってから出かけるようにしましょう。何より気温や湿度など、熱中症の条件が揃っている日には、無理をしないことが一番です」(同)
子どもが喜ぶからといって、無理な計画を立てないようにすることが大事なのですね。旅行などで、どうしても早朝から出かける時には、できるだけ前日に早く寝るなどを心がけたいものです。
(取材・執筆 坂本洋子)
関連記事はこちら
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓
(医)徳枝会 佐藤皮膚科小児科クリニック院長。東京医科大学病院小児科、大久保病院皮膚科勤務を経て、東京・練馬区にクリニックを開業。平成16年には、病児保育室「プリムラ」を開設。
佐藤皮膚科小児科クリニックのURLはこちら http://www.hifu-codomo.com
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。