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生活・しつけ
2013年2月25日の記事
ペットの犬が死んでしまったら、子どもに何と言う?
親子で悲しみを共有し、命への愛しさや人や動物を思いやる気持ちを育みましょう。
教育評論家 親野智可
「子どもにひと言 ママクイズ」18
Q
子どもがかわいがっていたペットの犬が死んでしまいました。
こんなとき、子どもに何と言いますか?
下のA・B・Cの声かけの中で、あなたが選ぶとしたら……
A
「泣いていてもしょうがないでしょ。命あるものはいつか死ぬんだよ」
B
「ママも悲しいよ。また新しい犬を飼おうね」
C
「悲しいね。でも、空の上から見守ってくれているよ」
【クイズの答え】
Aを選んだあなたは……
「否定タイプ」
泣くことを否定する言い方は×。悲しみを無理に抑えようとすると、ストレスを溜め込むことになります。「お母さんは悲しくないのか? 僕のことをわかってくれない……」と、不信感を抱くようになってしまいます。
Bを選んだあなたは……
「割り切りタイプ」
「ママも悲しいよ」と共感するのはいいのですが、「また新しい犬を飼おう」というのでは、割り切り過ぎなので△。
子どもにとって、一緒に遊び、育ってきたペットはとても大切な存在なのです。
Cを選んだあなたは……
「共感タイプ」
「悲しいね」と言って子どもの気持ちに共感し、「でも、空の上から見守ってくれているよ」と言うのは○。「死」がまだ理解できない小さな子どもの“死への恐怖”をやわらげることができます。
イラスト/コダイラヒロミ
親子一緒に悲しみを共有して、命への愛おしさを伝えて
子どもにとって、一緒に遊び、育ってきたペットは、家族や親友と同じぐらい大切な存在です。
実際に、昔の教え子の小学校2年生の女の子が、給食の時間、急にポロポロと涙をこぼして泣き出したことがありました。
原因がわからず、時間をおいてから理由を聞くと、昨日犬が死んでしまい、それを思い出して泣いた……というのです。
ペットロスによって心身に深刻な影響が出る大人もいますが、大切なペットを失うことは、子どもにとっても大きなストレスなのです。
まず大切なことは“思い切り泣かせる”ことです。
「泣いてもしょうがないでしょ」などと言って感情を抑えては、ストレスを溜め込みます。そして、「お母さんは悲しくないんだ。僕の気持ちをわかってくれない」と、親への不信感も抱いてしまいます。
“親が共感し、親子で悲しみを共有する”ことで、子どもは悲しみをわかってくれたと感じ、信頼感が育まれます。
また、死の意味がわからない小さな子どもは、恐怖や不安を抱くことがあります。
「天国に行くんだよ」「空から見守ってくれているんだよ」などと話し、天国、雲の上、空の上などでペットが遊んでいる姿をイメージさせて、死に対する恐怖感をやわらげてあげましょう。
そして、写真などを見てペットとの思い出を語り合ったり、ペットのお葬式をして手紙を読んだりするのもいいでしょう。
そうすると、余計に涙を誘ってしまうけれども、十分に悲しんだり泣いたりすることが大切なのです。
これらの経験によって、命の愛おしさを知り、人間や動物を大切にする“思いやり”が培われます。また、他人の悲しみにも共感できるようになるのです。