鈴木さや子
日本FP協会会員 CFP®〈サーティファイド ファイナンシャル プランナー〉。
国内損害保険会社に勤務した後、退職し2人の娘さんを出産。育児をしながらFP資格を取得、開業。個人のマネー相談、企業での女性向け講演のほか、コラム執筆、ママ向けセミナーも行なっている。株式会社ライフヴェーラ代表取締役。
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年長 2017年12月14日の記事
小学校入学が近づいてくると、教育費のことがより身近に感じられ、心配になるママもいるのではないでしょうか。教育資金を計画的に準備する方法の1つが「学資保険」です。そもそも学資保険とは何なのか、どう選べばいいのか、今からでも入れるのかなど、学資保険の基本について、2人のお子さんのママでもあるファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんに教えていただきました。
そもそも、学資保険とは何なのでしょうか?
「学資保険は、簡単に言うと教育資金の準備を目的とした保険で、生命保険のような機能も持ちます。大まかに分けると、次のように『貯蓄』と『保障』の2つの機能です」(鈴木さん)
【1】貯蓄
保険料を支払うことで、中学、高校、大学進学時などに「進学祝い金」や「満期学資金」などが受け取れる。
【2】保障
「保険料払込免除」の特約をつけると、契約者(親など)が死亡、または所定の高度障害を負った場合、その後の払い込みが免除になり、進学時や満期など、当初決めた時期に学資金を受け取れる。
計画的に教育資金を準備できること。そして、親が亡くなるなど万一の場合に学資金が受け取れる安心を得られるのが、学資保険のメリットだといいます。
学資保険を選ぶ前に「夫婦で子どもの進路や学費の援助について、話し合うことが大切」だと鈴木さん。
「家計相談でママたちにお話を聞くと、子どもの進路をどうするか、いつまで親が子どもに学費を援助するのか、夫婦で価値観が違い、進路の選択の際に揉めることがあるそうです。次のことを夫婦で話し合って、教育資金の準備に学資保険が必要か検討しておくとスムーズです」(同)
・子どもの進路は、どうするか?
子どもが通う中学・高校・大学は、公立か? 私立に通わせるのか? 夫婦で考えが違うことがあります。公立と私立では、準備しておきたい教育資金の額が大きく違います。
・親が子どもの学費をいつまで出すか?
ママは「自分は大学まで親に学費を出してもらったのだから、子どもにも同じように大学卒業まで援助したい」と考えていていたけれど、パパは「自分は高校卒業まで親に学費を出してもらって、大学は奨学金を受けた。だから、学費の援助は高校まででいい」と考えていた家庭もあります。
子どもの進路について、夫婦でお互いの価値観をすり合わせたうえで「いつまでに、いくら教育資金が必要なのか」をはっきりさせてから、学資保険を検討したほうがいいそうです。
学資保険は、どんなタイプの家庭に向いているのでしょうか?
「家計の相談では、貯蓄を住宅購入の頭金や車の購入、旅行など大きなお金が必要になったときに使ってしまい、教育資金が足りなくなったとよく聞きます。学資保険で貯蓄すれば、銀行に預けたお金のようにはすぐ引き出せません。そのため、次のような方は学資保険で先取り貯蓄をし、教育資金を準備してもいいでしょう」(同)
・手元にお金があると使ってしまう
・コツコツ貯蓄するのが苦手
・貯蓄だけで教育資金がまかなえるか不安
学資保険は、「子どもの教育資金のため」という目的がはっきりしている保険。解約しにくく、使ってしまうのを防ぐことができるといいます。とはいえ、その意識は家庭によって差があるようで…。
「住宅購入の頭金のために、学資保険を解約してしまった家庭を何例も見てきました。途中で解約すると元本割れして、損をします。学資保険に加入するなら、住宅購入のタイミングなどのライフプランも立て、『教育資金のための学資保険は、途中で解約しない!』と決意しておきたいですね」(同)
「学資保険だけで教育資金を準備しようとするのではなく、子どもの教育資金の専用口座をつくり、毎月、“先取り”の積立貯蓄も合わせて行って」と鈴木さん。
「子どもが小学校高学年になるぐらいから、塾通いなどで教育費が上がる家庭が多いです。銀行の口座に貯めるお金とのバランスを考え、学資保険は家計に負担をかけない保険料に設定しておくことも大切です」(同)
子どもが小さいときは余裕があり、「教育資金のため」と思うと高い保険料のプランを選んでしまいがち。“教育資金”という一部分を見るのではなく、住宅や車の購入など、ライフイベントを見通したうえで、無理なく払い続けられる学資保険を検討してみてください。
※この記事の情報は、2017年12月現在のものです。
(取材・執筆:掛川ゆり)
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鈴木さや子
日本FP協会会員 CFP®〈サーティファイド ファイナンシャル プランナー〉。
国内損害保険会社に勤務した後、退職し2人の娘さんを出産。育児をしながらFP資格を取得、開業。個人のマネー相談、企業での女性向け講演のほか、コラム執筆、ママ向けセミナーも行なっている。株式会社ライフヴェーラ代表取締役。
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