鈴木さや子
日本FP協会会員 CFP®〈サーティファイド ファイナンシャル プランナー〉。
国内損害保険会社に勤務した後、退職し2人の娘さんを出産。育児をしながらFP資格を取得、開業。個人のマネー相談、企業での女性向け講演のほか、コラム執筆、ママ向けセミナーも行なっている。株式会社ライフヴェーラ代表取締役。
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小学1年生 2017年12月19日の記事
子どもが生まれてから学資保険のことが気になっていたものの、入るタイミングを逃したご家庭もあるのではないでしょうか。小学1年生の学資保険選びについて、ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんに教えていただきました。
そもそも学資保険は、子どもが小学生でも加入できるのでしょうか?
「気をつけなければならなのは、子どもの年齢制限です。ほとんどの学資保険には、加入する子どもの年齢に制限があります。対象年齢が6歳、7歳までという商品が多く、早いものだと3歳までというものもあります」(鈴木さん)
小学1年生なら、加入できる保険の商品もあるのですね。
「対象年齢が高い学資保険もあり、11歳や15歳という商品もありますが、小学1年生頃がラストチャンスになるケースが多いので、早めに検討しましょう」(同)
保険料は、対象年齢の範囲内なら、0、1歳で加入しても、小学生になってから加入しても変わりませんか?
「学資保険は、早い時期に加入したほうが有利です。 子どもが0歳と6歳では、6歳のときのほうが契約者(親など)の年齢も高くなっているため、それだけ保険料が高くなります。また、同じ金額を貯めるとしても、0~17歳の17年で用意するのと、6~17歳の11年で用意するのでは、期間が短いほうが月々の負担が重くなります」(同)
しかし、保険料が高くても、「手元にまとまったお金があると別のことに使ってしまいそう」というのなら、簡単に引き出せない学資保険で貯蓄しておくメリットはあるといいます。
では、6歳でも加入できる学資保険で、貯蓄性を重視するとしたら、どんな商品がありますか?
「返戻率がよいのは、ニッセイ『学資保険 こども祝い金なし型』(6歳まで)、明治安田生命『つみたて学資』(6歳まで)、フコク生命の学資保険『みらいのつばさ』(7歳まで)です」(同)
ただし、子どもや親の加入年齢などによって保険料、受け取れる学資金は変わります。
「気になった商品は各社のホームページで調べたり、電話などで問い合わせたりして、充分に理解し、納得してから契約して」と、鈴木さん。家庭のニーズに合った学資保険の商品を選びたいですね。
最近の学資保険の保険料の傾向は、どうなのでしょうか?
「2017年4月から、保険会社の各社が軒並み貯蓄型保険の予定利率を引き下げました。その影響で学資保険の保険料は上がり、返戻率は下がってきている傾向があります」(同)
低金利の影響で、返戻率の高さで人気だったのに元本割れした保険商品も見られるといいます。
「そのため、保険ショップで学資保険の相談をしたママたちにお話を聞くと、返戻率の面で『ドル建て終身保険』をすすめられたと聞きました」(同)
しかし、ドル建ての保険には、リスクがあることを知っておいたほうがいいそう。
「教育資金は、大学進学時など使う時期が決まっていますよね。ドル建て終身保険の場合、満期時に円安になっているかどうかわからず、もし円高の場合は想定していた金額を受け取れない可能性があります。支払いもドルなので、支払う保険料が円安になれば高くなり、常に一定ではありません」(同)
ドル建て終身保険は、払うときも、受け取るときもドル。為替のことを知り、リスクも踏まえて検討したほうがよさそうです。
また、保険ショップなどでは、ドル建てではない『積立型の終身保険(一般的には低解約返戻型終身保険)』を学資保険の代わりにすすめられるケースもあると聞きます。学資保険と何が違うのでしょうか?
「積立型の終身保険は、払込途中に解約した場合、学資保険よりも大きく損するリスクがありますが、払込が終われば返戻率が100%を超え、少しずつ増え続ける特徴があります。
『もらう予定だった大学入学時などに解約せずに持ち続ける=増やし続けることが可能』なのが、学資保険と違うところです」(同)
しかし万一、契約者が死亡した際は保険金を一括で受け取るため、教育費ではなく遺族の生活費として使ってしまう可能性があります。
「教育資金をしっかり貯めていきたいのであれば、契約者が死亡しても予定通りの時期にお金を受け取れる学資保険の方が良いと思います。貯蓄に余裕があり、18歳時点で保険金を使わないで済むという選択肢を残したい場合は、終身保険もありだと思います。ただし、損をしないためには途中で解約しないように注意してください」(同)
どんな方法がわが家に合っているのかを見極めて、教育資金を準備していきたいですね。
※この記事の情報は、2017年12月現在のものです。
(取材・執筆:掛川ゆり)
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鈴木さや子
日本FP協会会員 CFP®〈サーティファイド ファイナンシャル プランナー〉。
国内損害保険会社に勤務した後、退職し2人の娘さんを出産。育児をしながらFP資格を取得、開業。個人のマネー相談、企業での女性向け講演のほか、コラム執筆、ママ向けセミナーも行なっている。株式会社ライフヴェーラ代表取締役。
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