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生活・しつけ

年長 2013年9月23日の記事

☆原坂一郎 連載コラム 「子どもの気持ちを覗いてみると」 5回

第5回 夫と子どもはフツーにしているだけで怒られる

1

 

 

「夫と子どもは、毎日普通にしているだけで奥さんや母親に怒られている」

 私は真剣にそう感じています。

 

まず、夫。

酒の席で、男友達にそれを言うと、みんな同感!

 

 「おれなんか夕べね、廊下を歩いただけで怒られたよ」とA氏。

 「ほう?」と聞いてみると、

 「夕べ風呂上りにパンツ一枚で歩いていると、おれはすね毛が濃いから、歩いただけで廊下にパラパラ毛が落ちてね。
ちょうど廊下を通った嫁さんが 《もうっ!さっき廊下を掃除したところなのに!》 と怒ってね」

 

そう、彼はまさに廊下を歩いただけで怒られたようです。

 

それを聞いたB氏。

「おれもあるある。こないだなんかね、《ただいま~》 と家に帰って、普通に上着を脱いで、普通に食卓に座っただけで3つも怒られたよ」

 

 「どうして?」と聞くと、B氏。

 「まず上着を脱いだら、《ちょっと!そんな脱ぎ方したらシワになるでしょ!》 とまず一発」

 「で、その上着を椅子にかけようとしたら、《ちょっとお!そんなところにかけないでよ!》 と2発目」。

 自分もまったく同じなので、ハハハと笑っていたら、

 「で、服を奥の部屋にかけに行き、戻って食卓に着こうとしたら、《ちょっとお!どこに座ってるのよ!そこは娘の場所!》 と3発目」

まさに人ごとではなく、私はおかしくって仕方がありませんでした。

 

でも私たち夫族は、そうやって酒の席で愚痴を言い合って溜飲が下がります。

 かわいそうなのは、夫以上に普通にしているだけで怒られ、文句も言えない子どもたち。

 

たとえば子どもは、お母さんの買い物についていき、普通に街を歩いただけで
「ちょっとお!どこに上がってんの!」、「汚いでしょ!そんなの触ったら!」、「さっさと歩きなさい!」などと、1分ごとに怒られています。

 

確かにその都度、ちょっと小高いところに上がったり、汚い落ち葉を拾ったり、街角のポスターにふと足を止めたりしたかもしれませんが、子どもはごく普通にしていたつもり。悪いことをしたなんて思っていません。

 

この前入ったコンビニでは、お母さんを待っているだけで怒られた子どもがいました。
コンビニの手洗いに入ったお母さんが子どもに「ここで待っててね」と言い残し、手洗いに行ったはいいけれど、戻ってドアを開けようとしたら、目の前の子どもにぶつかりそうになり、「ちょっとお!どこに立ってるのよ!」

 

子どもは「ここで待ってて」と言われたまさにその場所で待っていただけだったのです。

 

 

心当たりはありませんか?

 

夫や子どもたちは、確かに奥さんやお母さんが困ることをよくします。でも、本人は普通にしていたつもりです。
「お母さん(奥さん)なんか怒らせちゃえ」なんてこれっぽっちも思っていないのです。

 

これからは夫や子どもにお小言を言いたくなったときは、「これでも本人は普通に動いているつもりなんだろうな」と思い、言い方だけでも少し気をつけてくれれば、と夫族を代表して、そして子どもに代わってお願いしたいと思います。


前回の記事はこちら

原坂一郎 連載コラム 「子どもの気持ちを覗いてみると」 4回

 

次回の記事はこちら

原坂一郎 連載コラム 「子どもの気持ちを覗いてみると」 6回

 

 

 

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