子 ども、女性、高齢者などを取り巻く犯罪や地震、交通などの危険を察知し、回避するための方法を教育・普及することを目的に設立。全国の幼稚園・保育園・小 学校などで、子どものための体験型安全教育を中心に、安全に関する本の執筆、DVDの作成など、さまざまな活動を行っている。
今回取材に対応してくださった原さんは、年長のお子さんを含む3児の母でもある。
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生活・しつけ
年長 2015年2月12日の記事
入学を控え、親も子どもも一番不安に感じているのは毎日の通学ではないでしょうか。わが子が不審者にねらわれないよう、できる対策はやっておきたいと思うのが親心。有効な防犯グッズや不審者対策などについて、NPO法人「体験型安全教育支援機構」副理事長の原千恵さんに伺いました。
●電車通学の子には有効な携帯電話のGPS機能
これから入学する子に、何か不審者対策用のグッズを持たせるとしたら、何が効果的でしょう?
今は子ども用の携帯電話にも、GPS(位置情報確認)機能がついていますが、1年生でも持たせたほうがいいのでしょうか。
原 「携帯電話のGPS機能は、電車など、公共交通機関で通学するお子さんや一人で塾通いする年齢になれば、今、子どもがどこにいるか位置情報が確認できるので便利です。
でも、最近の連れ去り事件などの犯人の行動を見てみると、まず子どもを連れ去った後、最初に何をするかというと携帯電話のGPS機能を壊してしまうのです。GPS機能付きの携帯電話を持たせているからといって、安心に結びつくかというと、決してそうではないといえます」
子どもの足取りがわかることは、親にとっては安心なことですが、それよりもどうやって子どもに危険に対する意識づけをしていくかが大切なのですね。
●防犯ブザーは、光と音の機能がついているものを
では、防犯ブザーのほうが効果はあるのでしょうか?
原 「防犯ブザーについては、犯罪者をひるませるという点で、ある程度の抑止力はあると言えます。ただし、私たちが行なった調査では、実際に危ない目にあった子で、防犯ブザーを鳴らせたという子は0.9%しかいませんでした。
なぜ鳴らせなかったかというと、その多くは『怖かったから』なのですが、『壊れていたから』『鳴らせる位置に付いていなかったから』という回答もありました。
防犯ブザーの取り付け位置は、万が一おそわれたときにブザーが大きく振れないよう、腰のベルトあたりが理想的です。また、ときどき作動させてきちんと動くかチェックするといいですね。
なお、犯罪者は心理的に音と光を嫌います。防犯ブザーは音が大きいもの(90デシベル以上)で、音が鳴ると同時に光る機能がついているものを選ぶといいと思います。
とはいえ、やはり携帯電話同様、それだけでは絶対安全なお守りにはなりません。グッズに頼らず、子どもが自ら身を守る力を育てることが何より大切だと思います」
●通学路の危ない場所をチェック!
そのために、まずしたほうがいいことは何ですか?
原 「入学前に親子で通学路を歩いてみて、小学校までに安全な場所や危険な場所をチェックします。
安全な場所というのは、例えば『子ども110番の家』や知り合いの家、コンビニなどのお店です。ただ場所を教えるのではなく、いざというときにいつでも逃げ込めるように、その家の人に『今度入学するので、よろしくお願いします』などと挨拶しておくのがポイントです。顔を見知っておくと、『あの子が通っているな』とか『今日は顔を見かけないな』などとみんなが気づいたり、気にかけたり、声をかけてくれることもあります。
でも、万が一何かあったときに、近くに知っている家がない場合もあります。日ごろから、どんな家でもすぐに駆け込んで助けを求めるように教えておくことが、とっさのときの行動につながります」
危険な場所というのは、例えばどんなところですか?
原 「私たちは危ない場所の見分け方を『ひまわり』と教えています。
ひ……ひとりきりになるところ。初めは友だちといっしょでも、途中から分かれて自分だけで歩かなければならないところ
ま……まわりから見えない(見えにくい)ところ
わ……分かれ道やわき道・裏道の多いところ
り……利用されていない家(空き家)や空き地など、人の気配のしないところ
私たちの調査では、犯罪者は近づきやすくて逃げやすいところなら、どこでも子どもを狙うということがわかっています。『ひまわり』は、1年生ではわかりにくいところもあるかもしれないので、子どもといっしょに通学路を歩きながら、『こういう感じのところが危ないんだよ』と見せていくといいと思います。それから、通学路をきちんと守ることも重要ですね」
ただ歩くだけでなく、親子でいろいろな危険をチェックしていくことが必要なのですね。
原さん、ありがとうございました。次回は、子ども自身が自分で身を守るための具体的な方法についてうかがいます。
子 ども、女性、高齢者などを取り巻く犯罪や地震、交通などの危険を察知し、回避するための方法を教育・普及することを目的に設立。全国の幼稚園・保育園・小 学校などで、子どものための体験型安全教育を中心に、安全に関する本の執筆、DVDの作成など、さまざまな活動を行っている。
今回取材に対応してくださった原さんは、年長のお子さんを含む3児の母でもある。
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