子 ども、女性、高齢者などを取り巻く犯罪や地震、交通などの危険を察知し、回避するため の方法を教育・普及することを目的に設立。全国の幼稚園・保育園・小学校などで、子どものための体験型安全教育を中心に、安全に関する本の執筆、DVDの 作成など、さまざまな活動を行っている。
今回取材に対応してくださった原さんは、年長のお子さんを含む3児の母でもある。
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生活・しつけ
年長 2015年2月13日の記事
前回は、不審者対策用の防犯グッズの効果的な使用法や、通学路のチェック方法などについてNPO法人「体験型安全教育支援機構」の原さんにお話をうかがいました。
今回は、防犯グッズを持たせることも必要ですが、子ども自身が危険を察知し、いざというとき身を守るためにはどうすればいいのかをお聞きします。
●「怪しい人がいる」と思ったら、すかさずダッシュで逃げる
原 「子どもを学校に送り出すときに『気をつけて行ってきなさい』などと言っている親御さんも多いと思いますが、何をどう気をつけたらいいのか、具体的に教えることが大切です。
例えば、ひとりで道を歩きときなどは、しっかり前を見ながら歩くように教えましょう。犯罪者はどの子をねらうか、だいたい20m先からターゲットを定めて向かってきます。20mというのは、だいたい電柱と次の電柱の間くらいの距離で、電車の車両1両分くらいにあたります。日ごろから親子で道を歩いているときなどに、『これくらいだよ』と教えて、距離の感覚を身につけられるようにするといいでしょう。
そして、前方から怪しい人が来るのに気づいたら即座に振り返って、犯人と反対の方向に思い切り走って逃げるようにします。20m以上走っても捕まらない場合、犯罪者はあきらめてしまう傾向があります。大人が20m以上も全速力で走っていると、周囲から見とがめられることが多いからです。
でもランドセルを背負った小さな子どもでは、同じ場所から走り始めたのではすぐにつかまってしまいます。子どもが大人に追いつかれず20m走り切るためには、相手から6m手前で逃げる必要があります。ですから、先ほどの20mに加え、6mの距離感覚もつかんでおいて、前から怪しい人が来たらすぐ逃げるようにしておくといいでしょう。
距離の感覚をつかむのは、すぐにはなかなか難しいかもしれません。日ごろから公園などで、お父さんやお母さん、友だちなどといっしょに、距離を意識しつつ追いかけっこで遊びながら覚えていくといいと思います」
●不審者の見分け方は「はちみつじまん」と覚えよう
子どもに「怪しい人」が見極められるでしょうか?
原 「見極める力をつけることも大切です。その見極め方として、怪しい人の特徴をまとめたのが『はちみつじまん』です。
『は』なしかけてくる人
『ち』かづいてくる人
『み』つめてくる人、
『つ』いてくる人
『じ』っと
『ま』っている人(こういう人に会ったら)
『ん』!? と注意しよう
と、安全教室などで子どもたちに教えています。
そのほかにもその場所に似合わない行動をする人など、なんだかおかしいなと思ったら、引き返したり、ちょっと距離を置いて歩くようにする、防犯ブザーをいつでも鳴らせるようにするといった準備をしておくよう、ふだんから子どもに伝えていくといいでしょう。
●声をかけて来られても、きっぱり断るように教える
いきなり捕まえるのではなく、声を掛けてくる人もいますね。
原 「よくあるのが
『あの公園にかわいいネコがいるから、いっしょにミルクをあげよう』
『お母さんが倒れたから、いっしょに急いで病院に行こう』
『○○はどこ? 案内してくれる?』
『困ってるんだけど、助けてくれない?』
などというものですね。
このような言葉をかけられたときは、『ごめんなさい、それはできません』とか『家に帰って聞いてみます』と、きっぱり断るように教えましょう。
もし知っている道を聞かれた場合などは、その場で教えるのはいいですが、いっしょについていってはいけないことなど、基本的に、今いるところから、自分の身体を相手といっしょに移動させてはいけないということを何度も言って理解させることが大切です。
あとは、万が一つかまりそうになったとしても、決してあきらめないこと。かみついたり、じたばたしたりと、だれかが助けにくるまで、とにかくいろいろな方法で抵抗することです。被害者になってしまう子どもの多くは、抵抗することをあきらめてしまうのですが、小さな子どもでも、本気で手足をじたばたさせれば、大人でも手こずるものです。
これも鬼ごっこなど、普段の遊びに『じたばた訓練』を取り入れながら、身につけていくといいでしょう」
実際のことを想定しながら子どもに教えるのは、なかなか難しいかもしれませんが、遊び感覚でできることから取り入れていきたいですね。
原さん、ありがとうございました。
子 ども、女性、高齢者などを取り巻く犯罪や地震、交通などの危険を察知し、回避するため の方法を教育・普及することを目的に設立。全国の幼稚園・保育園・小学校などで、子どものための体験型安全教育を中心に、安全に関する本の執筆、DVDの 作成など、さまざまな活動を行っている。
今回取材に対応してくださった原さんは、年長のお子さんを含む3児の母でもある。
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