宮野孝一先生
『みやのこどもクリニック』院長。1955年生まれ。
 弘前大学医学部小児科入局後、主に小児白血病、骨髄移植の研究に従事。
 秋田赤十字病院、盛岡赤十字病院などを経て、91年青森市民病院小児科NICU部長。
 94年墨田区賛育会病院、江戸川区池下クリニック副院長。
 98年「みやのこどもクリニック」開業。
 日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会認定医、昭和大学医学部兼任講師。
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生活・しつけ
年長 2014年2月10日の記事
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季節の変わり目には感染症が流行することも多く、病院で薬をもらって子どもに飲ませる機会も増えます。
  
 病院でもらう薬といえば、少し前までは「赤ちゃん用のシロップ」で無理なく飲めたのに、年長さんともなると「苦い薬」や錠剤も処方されるようになり、前より飲ませにくくなった気がする…と感じているママも多いかもしれません。
  
 そこで、知っているようで意外に知らない「子どもの薬」について、「みやのこどもクリニック」院長の宮野孝一先生にお話をうかがいました。
  
  
 ●一部の抗生物質は、口に残ると苦い味に
  
 以前に病院で粉薬を処方され、飲んだ子どもが「にが~い」と閉口していたことがあります。年長ごろになると、子どもでも「苦い薬」に変わるのでしょうか?
  
 宮野 「子どもに処方する粉薬は、もともと苦い薬であっても、ドライシロップといって薬の表面を甘くコーティングしたものを使用するのが一般的です。
  
 ただ、口に入れて時間がたって表面のコーティングが溶けてしまうと、すごく苦く感じます。一部の抗生物質などは、苦味が10~15分ほど口に残るものもあります」
  
  
 子どもが「苦い味がダメ」という場合、赤ちゃんでも飲める甘いシロップをお願いすることはできるのでしょうか?
  
 宮野 「液体のシロップは通常3歳頃、体重でいうと15kgぐらいまでの子どもが対象です。
 それ以上の子どもでは1回に飲むシロップの量がとても多くなるので、甘い味でも途中で飽きてしまい飲みきれないと思います。
  
 年長くらいの子どもで、粉薬が飲みづらく、口に残ってしまうのであれば、錠剤を処方してもらったほうがスムーズに飲めると思います。
  
 処方薬の形状は粉薬、錠剤、カプセルなどいろいろありますが、何を飲みやすいと感じるかは、人それぞれ異なります。
  
 子どもに薬を処方するときには、医師からも『粉薬がいいか、錠剤がいいか』と質問があると思いますので、わが子に合った形状で処方してもらうようにしてください」
  
  
 ●苦い薬は「濃いもの」でカバーすればOK
  
 子どもが錠剤にも抵抗があって、しかたなく粉薬をもらってきたような場合、苦さを感じずに飲みやすくする方法はありますか?
  
 宮野 「苦い粉薬をジュース類に混ぜてしまうと、表面のコーティングが溶けてもっと苦くなってしまうので注意してください。
  
 粉薬の苦味を感じなくするには、味も粘度も『濃い』ものと混ぜるのがコツです。
 たとえばコンデンスミルクとか、ほんの少しだけ薄めたカルピスの原液、アイスクリームも良いと思います。
 甘い味ではありませんが、味噌やマヨネーズを混ぜても苦味をカバーできます。
  
 それから、子どもが『薬が苦手』という場合、『その薬はどうしても飲まなければいけないものか』を再点検してみることも大切です。
  
 風邪などの軽い感染症であれば、無理に薬を飲まなくても、水分や栄養をとって安静にしていれば自然に治ります。
 必要以上に薬に頼りすぎると、薬の効かない耐性菌を増やすなど、別の問題が生じないとも限りません。
  
 また医療機関の休みの前や、旅行の予定があるようなときは、医師が念のために多めに薬を処方しているケースもあります。
  
 子どもが強く拒否するときは薬を飲まなくても問題ないか、あるいは症状が治まったら薬を止めていいか、そうした点を医師によく確認しておくと、子どもも親も “薬の苦労” が少なくなると思いますよ」
  
 薬の飲み方だけでなく、その薬を飲む目的や、薬をやめる判断基準についても、お医者さんに確認しておくとよさそうですね。
  
 次回は、「薬の飲ませ方 YES or NO」を宮野先生に教えていただきます。
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宮野孝一先生
『みやのこどもクリニック』院長。1955年生まれ。
 弘前大学医学部小児科入局後、主に小児白血病、骨髄移植の研究に従事。
 秋田赤十字病院、盛岡赤十字病院などを経て、91年青森市民病院小児科NICU部長。
 94年墨田区賛育会病院、江戸川区池下クリニック副院長。
 98年「みやのこどもクリニック」開業。
 日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会認定医、昭和大学医学部兼任講師。
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