- トップページ >
- 生活・しつけ >
- これでいいの!? 子どもの薬の飲ませ方 ジャッジメント
生活・しつけ
年長 2014年2月11日の記事
これでいいの!? 子どもの薬の飲ませ方 ジャッジメント
《子どもと薬 2 》 ママたちから集まった「薬の飲ませ方のギモン」について、お医者さんがジャッジします!
今回は、子どもに薬を飲ませる際、「ついやってしまうけれど本当にこれでいい?」あるいは「気になっていたけれど確かめる機会がない」という、ママたちの素朴なギモンをピックアップ。
前回に引き続き、小児科医の宮野孝一先生に一問一答で教えていただきました。
●症状が治まったので、もらった薬は全部飲まずに途中でやめてしまいました。
4日分や1週間分など、一定の期間分の処方を受けましたが、飲みきる前に症状が改善することって多いのですが…?
宮野 「医師から『症状が治まったらやめていい』といわれている薬ならばOKです。
しかし中耳炎や気管支炎、溶連菌感染症など、処方された抗生物質をすべて飲みきらなければ、体内に細菌等が残ってしまい、再発や合併症につながるような病気もあります。
病院で薬をもらうときは、途中で辞めてもいいかを必ず医師に確認して、医師の指示を守ることが大切です」
●嘔吐風邪で、薬を飲ませた後にすぐに吐きました。薬がおなかに入る前に吐いたようなので、もう一度、薬を飲ませたけれど、これでいい?
吐き気が強い風邪のとき、薬を飲ませると吐く…きっとほかのママも経験があるはずです!
宮野 「基本的には、薬を口に入れた直後に子どもがむせたりして吐いてしまった場合は、再度、同じ量の薬を飲ませていいと思います。
ただ、この質問のように嘔吐風邪で吐き気が強いときは、薬を飲ませてもまた吐いてしまう可能性が高くなります。
嘔吐・吐き気が激しいなら、半日か一日ほど様子を見て、嘔吐が治まってから薬を飲むようにしましょう。
また薬を飲んで10分もすれば、体内で薬の吸収が始まっています。薬を飲んでやや時間がたった後に吐いた場合は、すぐに薬を飲ませず、2~3時間ほど時間をおいてから、薬を飲ませたほうが無難です」
●朝昼夜の1日3回処方の薬をもらいましたが、保育園に通っていて昼は飲めないため、昼の分を帰宅後の17時、夜の分を夕飯後の20時に飲んでいます。
うっかり、園児であることを伝え忘れること、あるんですよね…。
宮野 「保育園などで、日常的に昼に薬が飲めないのであれば、薬の処方を朝と夜の1日2回にしてもらうようにしましょう。
1日2回と3回の処方では、薬の効果の持続時間が異なるだけで、治療効果は変わりません。子どもに処方する薬の多くが1日2回の処方も可能なので、医師に相談してください。
溶連菌感染症の薬など、1日3回の処方しかない薬で昼に飲めない場合は、朝と帰宅後、夜寝る前の3回で飲んでもかまいません」
●前回、風邪を引いたときに出された薬が残っていて、症状が似たような感じだったので、また飲ませました。
前回の飲み残しの薬、あるいは兄弟がもらってきた薬などを飲ませて、通院せずに済ませようとするママもいるようですが…?
宮野 「前に風邪を引いたのが2~3か月前としても、子どもは日々成長しています。数か月もすれば体重が変わり、体重が変われば必要な薬の量も変わります。
また症状が似ているといっても、“咳と鼻水” の治療で出された薬を “咳” の症状だけのときに飲むと、鼻詰まりが悪化するなど逆効果になることも。
さらに病院で処方された粉薬や、複数の軟膏を混ぜた塗り薬は、処方後1か月もたてば変質してしまいます。こうした理由から『古い薬は飲まない・使わない』のが原則です。
冷蔵庫で保管する座薬や、チューブ入りの軟膏も、使用期限は半年ほどが目安です」
●風邪のときに熱冷ましの薬がよく出されますが、熱は体の自然な反応で、無理に下げなくてもいいと考えています。飲ませないとダメ?
解熱剤など対処薬に懐疑的なママも多いようです。
宮野 「熱が出ていても、水分や食事がとれて元気があるなら、解熱剤を飲まなくてもOKです。
むしろ、無理に熱を下げると体の免疫反応が弱まり、かえって症状が長引いたり、熱の下がり際に熱性けいれんを起こすこともあります。
解熱剤は、熱によって頭痛・関節痛が強かったり、夜に眠れない、水分をとれないなど、辛い症状があるときに使えばよいものです。
薬を使わずに熱の辛さを和らげるには、首や腋の下、太ももの付け根の鼠蹊部など大きな血管が通っている場所を冷やすと、だいぶラクになります」
なるほど、モヤモヤしていた薬の飲ませ方のギモンがだいぶスッキリしました。
宮野先生、ありがとうございました!
毎週木曜にメルマガ発信中!
最新記事を毎週配信
ご登録はこちらから↓