佐藤徳枝先生
(医)徳枝会 佐藤皮膚科小児科クリニック院長。東京医科大学病院小児科、大久保病院皮膚科勤務を経て、東京・練馬区にクリニックを開業。
平成16年には、病児保育室「プリムラ」を開設。
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週末・その他
年長 2017年7月31日の記事
日焼け止めと帽子で、しっかり紫外線対策を!
夏のレジャーで気をつけたい、子どもの健康トラブル【第4回】
夏休みの楽しみは、海やプールでの水遊び。でも、やっぱり日焼けが気になります。日焼けをしてしまうと子どもにどんな影響があるのでしょうか? 佐藤皮膚科小児科クリニックの佐藤徳枝先生に伺います。
急に日焼けすると、皮膚がやけど状態に
紫外線は気になっても、屋外、とくに海やプールでの水遊びだと、子どもが夢中になって、真っ黒に日焼けするまで遊ばせてしまいます。子どもでもそんなに紫外線を浴びるのはよくないのでしょうか。
佐藤先生によると、紫外線が体に与える影響には、急性障がいと慢性障がいがあるのだそうです。
「急性障がいとは、サンバーンといって、紫外線によるやけど状態のこと。真夏の晴れた日に20分ほど紫外線を浴びていると皮膚が真っ赤になって、ひりひりと痛みます。ひどいときには水ぶくれができ、眠れないほどに。場合によっては熱が出ることもありますが、これも急性障がいの一つです。これは紫外線によって免疫に関係する細胞が減少し、一時的に免疫力が低下してしまうためです。万が一こうした状態になったときは医療機関を受診しましょう」(佐藤先生)
また、長期的に見ると、日焼けにより様々な病気や症状が引き起こされます。
「いわゆるシワ、シミをはじめ、白内障や翼状片などの眼の病気、皮膚がんなどは、紫外線により引き起こされる慢性障がいです。これらは一種の老化現象なので、子どものうちは関係ないと思われがちですが、小さいころから大量の紫外線を浴び続けるほど、皮膚の老化や皮膚がんのリスクが高まるという調査結果が多く報告されています。子どものうちから紫外線対策を行なうことが重要なのです」(同)
日常的に日焼け止めを塗る習慣を
「できれば5〜10月くらいの紫外線の強い時期は、ふだんからしっかりと紫外線対策を行なってください」と、佐藤先生。
紫外線対策のポイントは、まず日焼け止めを塗ること。日焼け止めの数値の目安は、ふだんの外出時にはSPF20〜30程度のもので、海や山、プールなどに行くときはSPF30〜50以上のものを選びましょう。アレルギー反応を起こしやすい紫外線吸収剤の含まれていない、子ども向けのものが安心だそうです。一度塗っても汗や水で流れてしまうので、3時間程度を目安に、こまめに塗り直すことも大切。また、目から受ける紫外線を防ぐために、帽子をかぶるのもポイントです。
「水の中に入るときにはも、ラッシュガードを着るといいでしょう。紫外線対策になるうえ、すり傷防止にもなります。もし日焼けをしてしまったら、シャワーや入浴で肌をきれいにし、保湿ローションなどを塗っておきましょう。できれば、ローションは子ども向けか皮膚科で処方されたものを使ってください」(同)
水遊びは楽しいがゆえに、ついつい夢中になってしまいがち。どんなに楽しくても、1時間水に入ったら30分日陰で休憩するなどして、長時間続けて紫外線を浴びないようにしたいもの。
とはいえ、「子どもの成長には、色々な遊びをし、体を動かし、汗をかくことも必要です」と佐藤先生。紫外線について、大人が十分に理解・注意をし、戸外でたっぷりと遊ばせてあげてくださいね。
(取材・文:坂本洋子)
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