(医)徳枝会 佐藤皮膚科小児科クリニック院長。東京医科大学病院小児科、大久保病院皮膚科勤務を経て、東京・練馬区にクリニックを開業。平成16年には、病児保育室「プリムラ」を開設。
佐藤皮膚科小児科クリニックのURLはこちら http://www.hifu-codomo.com
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生活・しつけ
年長 2018年8月8日の記事
夏から秋にかけて、野外の活動で注意したいのがハチや蚊、マダニなどによる虫刺され。もし虫に刺されてしまったらどうすればいいのでしょうか? 応急処置の方法などについて佐藤皮膚科小児科クリニックの佐藤徳枝先生に伺います。
どんなに気をつけていても、自然が多い場所に行くと、虫に刺されてしまうことがあります。刺されたとき、まずどんな処置をすればいいのでしょう。
「夏の草むらややぶで刺されたり・かまれたりすることの多い虫は、蚊、ハチ、ブユ、マダニ、ムカデなどです。このうち、マダニ以外の虫の場合、まず刺されたり・かまれたりした部位を流水や氷で冷やすことが基本です。
ハチの場合は、皮膚に刺さったハリをピンセットなどで抜き、水で洗い流しながら毒を傷口から絞り出します。どの虫の場合も、かゆみが強い場合には、ステロイドが含まれる市販のかゆみ止めの薬を塗ると、早めにかゆみがおさまります」(佐藤先生)
いざという時のために、ピンセットやかゆみ止め、水を用意しておくと安心ですね。
子どもはかゆいところを無意識にかきむしってしまうため、傷口に細菌が増えて、とびひになってしまうこともあるのだとか。そのため、かきむしらないよう、子どもの様子をしっかり見守りつつ、薬などを塗って早めにかゆみがおさまるようにすることが大切だそうです。
また、ハチやムカデに刺されたときは、その毒によるアレルギー症状にも注意が必要。
「以前にもハチやムカデに刺されたことのある子は、次に刺されるとアナフィラキシーショックという、アレルギーによる全身反応が出ることもあるので、特に注意してください。しばらく状態を観察して、刺された場所が大きく腫れる、強いかゆみや痛みが出る、発熱や呼吸が荒くなるなどのショック症状が見られたら、すぐに病院に連れて行きましょう」(同)
ハチや蚊以外に、この時期に気をつけたいのがマダニ。特に西日本を中心にマダニによる感染症も増えているとか。
「マダニは1~5mmほどの大きさで、ノコギリ状の歯を皮膚の奥に差し込み、3~7日くらいかけて血を吸い、大きくなります。かまれても痛みやかゆみがないので、なかなか気づきません。もしマダニが肌についているのを発見したとしても、無理に自分で抜こうとするのは危険。必ず病院で取り除いてもらいましょう」(同)
マダニが怖いのは、マダニが持っているウイルスや細菌で感染症を引き起こすことがあるため。
「マダニの持つ特定のウイルスや細菌に感染すると、全身性の感染症を起こすことがあります。最近問題になっている重症熱性血小板症候群(SFTS)もそのひとつ。病気を媒介するダニは全体の数%、発症する確率は、さらにその数%とも言われているので、過度に神経質になる必要はありませんが、用心するに越したことはないでしょう」(同)
ところで海水浴では、虫に刺されることは少なくても、クラゲに刺されるという心配があります。
「クラゲの触手には毒のある刺胞があり、これにあたると痛みや水泡、ミミズ腫れが起きます。刺された時は絶対にこすらず、海水でよく洗い流し、ステロイド配合の塗り薬を塗っておきましょう。ハチ同様、以前にも刺されたことのある場合は、アレルギーによるショック症状が起きることもあるので注意してください。症状がひどいときは、迷わず受診しましょう」(同)
虫やクラゲといって侮らず、きちんと対策と準備をして、楽しい夏休みをお過ごしください。
(取材・執筆:坂本洋子)
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