- トップページ >
- 生活・しつけ >
- ☆「自分でやりたい」子どもの気持ちを育てるコツは?
生活・しつけ
年長 2013年4月9日の記事
☆「自分でやりたい」子どもの気持ちを育てるコツは?
《年長ママへのアドバイス4》「自分がやってみたい」が、年長児を伸ばし、小学1年生への礎となります。
成長の一環として、年長児になると「自分がやってみたい」気持ちが芽生えてきます。2~3歳児の「自分で」の時期とはまた違い、年長児の「自分が」の中には大人には、してもらっては困ることも含まれます。
例えば、包丁で料理をしたがったり、世話もできない動物を「飼う」と言ったり……。
思わず「余計なことを……」と言いたくなりますが、こうした「自分が」の気持ちを摘み取らないことが子どもを伸ばすには大切とこどもコンサルタントの原坂一郎先生はおっしゃいます。
●自分がやってみたい、“好奇心・探求心・冒険心”が子どもを伸ばす
年長ともなると、自分の身の回りのことはできるようになります。
すると今度は、「大人がやっているものを自分がやってみたい」という気持ちになるのか、なんでもやりたがるのですが。
原坂 「ありますね。料理を作りたがったり自分の持ち物に名前を書きたがったり。できないことでもやりたい時期です。
これは、“好奇心 研究心 挑戦意欲”という、まさに小学校に行ったら求められるものが育ちつつある証拠です。だから今は、子どもがやりたがるものは、なんでもさせてあげてもいい時期なのです。
子どもの好奇心から出る行動には、お手伝いに関わることだけではなく、大人から見ると『余計なこと』と思えるようなものが多くあります。
例えば、ご飯を食べに行った先で、ふと、コップの底を見たくなり、持ち上げてみる。
そんなとき親は、反射的に『そんなことしなくっていいの』とつい言ってしまいます。
確かに子どもは『しなくてもいい』ことをよくしますが、実はそのほとんどは、『しなくてもいいかもしれないけれど、してもいいこと』なのです。
子どもは好奇心から、『コップの底はどうなっているのか』突然知りたくなるときがあります。
でもそれは、危険だったり、人を傷つけたりといった怒ってまでやめさせなければならない行動ではありません。
『しなくていいこと』だけど『してもいいこと』なんです。
条件が許す場合は、止めないで本人の好奇心のままにさせてあげるほうが、むしろ子どもの成長を伸ばします。
できないことをやりたがる場合も、『ほら、できないくせに』などと、余計なことを言わないようにしましょう。
できないかもしれないけれど挑戦した、というその事実はすばらしいことなのですから。
それが、『なんでもやってみよう』というチャレンジ精神を伸ばすポイントです」
●子どもがしたがることは、ほんの10秒でもさせてあげる
先ほど、「条件が許す場合は止めない」というお話がありましたが、時間がないときは、子どもの行動をストップさせてしまっても構いませんか?
原坂 「そうですね。例えば、朝の着替えで、リボンを自分で結びたがるということがあったとします。
時間があるときであれば、待ってあげられますが朝の忙しいときは、そうも言ってられませんよね。
そういうとき、覚えておいてほしいのは“0秒と10秒では、大違い”ということです。
『ああもう、どうせ結べないんだからお母さんがやってあげる』と、全然させないのではなく、リボンを自分で結ぶのを10秒だけでもさせてあげる。その後で、『お母さんがやるね』と引き取る。
子どもがやりたいことを全然させない(0秒)のと、ほんの少しさせる(10秒)のとでは、その後の子どもの成長にとっても
かかわりとしては大違いです。
子どもはいつでも、“ちょっとした満足感”を味わいたいのです。
やりたいことを少しでもさせてもらうと気持ちが落ち着きます。全然させてもらえなかったならば、不満を抱きます。
時間的なことで言えば、『10分させてもらったか』と『10秒しかさせてもらえなかったか』では気持ち的にはさほど変わりませんが、『10秒でもさせてもらえたか』と『まったくさせてもらえなかったか』とでは大違いなのです。
高いところに上りたがる、水たまりに入りたがる。
時間が許せばとことんさせてあげたいものですが、ほんの少しでも自分の好奇心を満たすことができれば、子どもはその満足感で心が落ち着いて、次の行動に移れます」
なるほど、10秒だったら親も我慢して待てそうです。原坂先生、ありがとうございました。