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生活・しつけ
小学1年生 2015年4月28日の記事
うちの子、運動が超苦手! どうすればいい?[4/28]
《家庭でできる運動神経アップ作戦 その1》 いっぱい遊べば、誰でも必ず「運動ができる子」に!
入学後2〜3週間たつと、本格的な体育の授業や、学校によっては運動会の練習が始まります。そのため、この時期に「うちの子、運動神経ないかも……」とか「体育の授業についていけるの?」と心配になる方も多いようです。
運動神経抜群! とまではいかなくても、人並みに走ったり、なわとびや鉄棒、マット運動などで困らないようにしてあげたいと思うのが親心(できれば、お金のかからない方法で……)。
そこで、学研リトルアスリートクラブの代表トレーナー遠山健太さんに、お家で手軽にできる運動神経アップ法をお聞きしました。遠山さんは。子どもの運動指導のプロであり、小学生のお子さんのパパでもあります。
●運動神経は遺伝よりも体を動かす習慣に左右される
そもそも運動神経って何なんですか?
遠山 「厳密に言うと、『運動神経』という特別な神経が存在しているわけではなく、むしろ『運動できる能力』と言ったほうが正しいかもしれません。
乳幼児期から小学生にかけては、脳も含めた神経系が非常に発達する時期で、生まれてから5歳にかけて80%くらい成長し、12歳で大人とほぼ同じ状態になると言われていますが。神経系が発達することと運動能力の発達の因果関係ははっきりしていませんが、脳が発達する時期に様々な動きを何度も経験することで、体を動かす機能や技術が効率よく獲得できるし、長期間その機能をキープできるのはたしかです。
ですから、運動能力は神経の問題というよりも、小さいうちからどれくらい体を思い切り動かす体験をしているかが大きく影響するといえますね」
運動能力は遺伝すると聞きます。子どもが運動が苦手なのは、親が運動オンチだからでしょうか……?
遠山 「例えば、運動神経がよい両親から生まれた子は、運動に関してよい資質を持っているのは事実です。ですから、トップアスリートになった場合、最終的な場面では遺伝の要素がものを言うことがあるかもしれません。
でも、日本ではあまり浸透していませんが、現在では、『後天的な要素のほうがあきらかに運動能力に影響する』という意見が世界的な主流になっています。
つまりどんな子でも、小さいころから体を動かす遊びをたくさん経験していれば、運動能力を高めることができるということです。
運動が苦手な子というのは、親御さんが運動オンチだからではなく、親御さんが運動を楽しむ経験がなかったために、子どもとも一緒に体を動かして遊ぶ機会が少なかったから運動が苦手になったのだと思います。
小学生になると、子どもの遊びにつき合うことも少なくなるかもしれませんが、お子さんを運動が得意な子にしてあげたいと思うなら、たとえ自分は運動が苦手であっても、どんどん一緒に遊んであげてください。
子どもの運動能力を伸ばすには、専門家などに習わなくても、小さいうちからお父さんやお母さんと一緒に、思い切り体を動かす遊ぶことが一番だと私は思います。
小さいうちは、専門的な運動の仕方を教えても、子どもは理解していないことがほとんど。例えば、投げる動作を『体幹をひねって腕を後方に引いて……』などと教えても、わからなくて当然です。むしろ小さいうちは、投げる、走るという動作をただ楽しむことが重要です。これなら親御さんもできますよね。
子どもはいつもお父さんやお母さんに、自分を見ていてほしい、相手をしていてほしいものです。一緒に遊んで、そして、うまくできたときに「上手だね」などとほめてあげれば、うれしくて何度でも同じことを繰り返すでしょう。それが子どもを運動好きにし、運動能力を高めることにつながるのです」
●体を動かすのが好きな子は、意欲やチャレンジ精神も旺盛
親子で遊ぶだけで運動能力がアップするなら、やってみようかなと思えてきます。でも、小学校に入学してからでは遅くないですか?
遠山 「幼児期から始めているときにくらべると、多少は時間がかかるかもしれませんが、それも大人から見れば大した差ではないと思います。
これは小学生の父親である私自身が感じたことですが、運動ができる子や楽しく体を動かしている子は、運動に対して苦手意識を持っている子よりも、学校生活にスムーズになじみやすく、何事にも積極的にやってみようという意欲やチャレンジ精神が旺盛だと思います。これは、学習面でも必要な要素なのではないでしょうか。
まずは運動に対する苦手意識をなくし、体を動かすことを『楽しい』と思えるようになれるといいですね」
遠山さん、ありがとうございました。
遺伝はあまり関係ないと聞いて、ホッとした人も多いのではないでしょうか。
次回からは、毎日の生活の中でできる運動神経アップ法をうかがっていきます。