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学校・まなび
小学1年生 2014年4月28日の記事
勉強大好き&学力アップ「親野智可等のママゼミ」 第4回 [4/28]
日ごろから温度計に親しんでいると、理系的な発想と能力が鍛えられる [後編]
●計らなくても自分がいる場所の温度がわかるようになる
温度を計ることに慣れてくると、計らなくても今自分がいる場所がだいたい何度くらいかわかるようになってきます。
すると、それによって服装や空調をかえるなど、健康管理に役立てることができます。
次のように、ゲーム的に温度の当てっこをやると、温度に対する感覚がさらに鍛えられます。
ママ「今このリビングは何度でしょう?」
子「う~ん、暑くも寒くもないから20度くらい?」
パパ「いやいや、もっと高いでしょう。22度くらいかな?」
ママ「二人とも惜しい!正解は21度でした」
●温度の記録をつける
できたら、計った温度の記録をつけるといいでしょう。
これはとてもいい勉強になります。
例えば休みの日などに、朝起きてから夜寝るまで1時間おきに(無理なら2時間おき)温度を計って、表や折れ線グラフにします。
晴れの日、曇りの日、雨の日の3パターンの記録が揃えばベストです。
この3つを比べるととても大事なことがわかります。
つまり、晴れの日は午後一時から二時くらいにかけて一番気温が高くなりますが、曇りや雨の日は一日中ほとんど同じくらいの気温で推移するということがわかるのです。
曇りや雨の日は気温が上がらないことを体感できて、登校前に服装を決めるときに気をつけるようになります。
この観測を夏休みなどに行えば、自由研究として提出できます。
●気象の勉強の大事なポイント
実は、これは4年生の理科で扱う内容で、小学校の気象の勉強の中でとても大事なポイントです。
でも、学校だと1時間おきにきちんと計るのがなかなか難しく、晴れ、曇り、雨の3パターンの観測をしっかり行うのはかなり大変です。
それで、観測が中途半端になってしまい、教科書にあるグラフに頼ってしまうことがよくあります。
●定点観測も効果的
さて、もう1つの記録の取り方としては、例えば「朝の7時にリビングの温度を計る」のように時刻と場所を決めて、定点観測を1年間行う方法です。
これを折れ線グラフにすれば、1年間の気温の変化がよくわかります。
1月と2月は寒い、8月が一番暑い、5月と10月は同じくらいなど、いろいろな発見もできます。
これによって、定点観測のやり方が身につくだけでなく、その科学的な意義も理解できるようになります。
●科学的観測の本物体験が真の実力につながっていく
もちろん、このようなグラフは教科書にも出ていますし、パソコンで検索すればいくらでも出てきます。
でも、そういう出来合いのものはイマイチ身につかないのです。
やはり自分で実際に計って、記録して、折れ線グラフを作るという、オリジナルな科学的観測の経験をすることが大切です。
こういう本物体験が子どもの真の実力につながっていきます。
このようなわけで、温度計に親しんでいると、天気の移り変わりを扱う気象学的な内容に強くなるだけでなく、条件を決めて観測し、数値化して、表やグラフにし、比較して科学的な真理を導き出すという科学的探究の基本が身につくのです。
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