野田友子 のだ ともこ
NPO日本子育てアドバイザー講師 東京福祉大学・大学院講師。元東京都公立保育園園長として長年勤務。その後、福祉サービス第三者評価の調査員として、600件以上もの保育園・高齢者施設などの評価を行っている。5人のお孫さんのおばあちゃんでもある。
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週末・その他
年長 2015年9月15日の記事
もうすぐ敬老の日ですね。今年はシルバーウィークの期間も長いため、おじいちゃんおばあちゃんのところに遊びにいくという人も多いのではないでしょうか。お出かけやお食事もいいけれど、せっかくおじいちゃんやおばあちゃんと時間を過ごすなら、一緒に遊んでみるというのはいかがでしょう。
昔ながらの「伝承遊び」なら、おじいちゃん・おばあちゃんはもちろん、幼稚園や保育園でなじんでいる子どもたちも多く、世代を問わず楽しめるものがたくさん!
元公立保育園園長で子育てアドバイザーの野田友子さんから、おすすめの伝承遊びを教えていただきました。
●楽しく遊びながら、一緒の時間を過ごすのがうれしい
野田 「すでにご存じのように、最近は幼稚園や保育園で、敬老の日のイベントに祖父母を招いたり、子どもたちが高齢者施設を訪れたりして、一緒に遊ぶことが多くなっています。そんなときに取り入れられるのが年齢に関係なく楽しめる伝承遊びです。
伝承遊びには、手先を使う、集中する、工夫して遊ぶ、敏捷性や負けん気など、一つの遊びの中に、子どもの脳や体の発達を促すさまざまな要素が入っています。これはゲームなどのデジタルな遊びにはない、伝承遊びの素晴らしいところ。
おじいちゃん・おばあちゃんにとっては老化防止にもなりますし、自分たちが幼い頃、遊んだ楽しさや充実感、一緒に遊んだ友だちの思い出などもよみがえって、気持ちが温かくなってくるに違いありません。
日本ならではの素晴らしい遊びを受け継ぐという意味でも、ぜひおじいちゃんやおばあちゃんと一緒に伝承遊びをしてほしいと思います。
お父さんやお母さんにしてみると、自分が子どもの頃に父親とは一緒に遊んだことがないという人でも、孫ができておじいちゃんになると、『おじいちゃん、一緒に遊ぼう』なんて言われると喜んで遊ぶという人も多いようです。孫と一緒に楽しく遊びながら過ごす時間をプレゼントすれば、何よりのおじいちゃん・おばあちゃん孝行になるのではないでしょうか。
ただ、伝承遊びは、地域や年代によって遊びの種類も違ってきます。なじみのない遊びだと楽しむのは難しいので、まずはおじいちゃんやおばあちゃん自身がどんな遊びをしてきたか、聞いてみるといいででしょう」
●祖父母も孫も楽しめるおすすめの伝承遊び
ここからは、野田先生おすすめの、誰でも遊べる伝承遊びをいくつか教えていただきます。
おはじき・ビー玉
今のおじいちゃん・おばあちゃんくらいの世代なら、遊び方がわかっていて、簡単にできるのではないでしょうか。
おはじきやビー玉をはじくには、集中力や指先でコントロールする力が必要です。小さいうちは意外に難しいのですが、5〜6歳になれば、上手にはじく動作ができるようになってきます。はじき方などが上手なおじいちゃん・おばあちゃんには、ぜひ、そのコツを教えてもらってください。
お手玉
お手玉が大得意というおばあちゃんだったら、一度に3個、4個と投げる様子を見ているだけで、子どもたちは大喜びでしょう。おばあちゃんに励ましてもらいながら、子どもは1個から始めてみましょう。集中力や忍耐力、手や指の動きや体のバランス感覚がきたえられる遊びです。
すごろく・かるた
5〜6歳になると、文字や数を取り入れた伝承遊びも楽しめるようになってくるので、すごろくやかるたはとても喜びます。お正月遊びというイメージがあるかもしれませんが、ぜひ1年中楽しんでください。これから小学校に入学する子にも役立ちますよ。
おじいちゃん・おばあちゃんだけでなく、お父さんやお母さんもいっしょになって遊ぶといいでしょう。
将棋
厳密には「伝承遊び」とは言えないかもしれませんが、男の子とおじいちゃんが一緒に遊ぶのにぴったりなんです。もちろん、正式なやり方は分からなくても、はさみ将棋とか将棋くずしなどの簡単な遊び方で十分楽しめます。
今は価格も手頃なものがあるようですが、自分で駒や将棋盤を紙に書いて手作りしてもいいですね。旅行のときなどに持って行けばどこでも手軽に遊べます。
着せ替え人形
こちらはおばあちゃんと女の子におすすめです。本当のお人形ではなくて、紙に全身の女の子を描いて切り取り、好きな洋服や帽子、バッグ、髪の毛などを自分でデザインして紙に描き、切り取ってコーディネートするというものです。本体のお人形はちょっと厚めの紙で作って、着せ替えの衣装や小物には、必ず「ツメ」を描くのがポイント。これがないと人形に服が引っ掛けられないんです。
私自身が大好きだったので、女の子の孫とその友だちと一緒に遊んだら、子どもたちがとてもハマってしまった遊びです。
あらためてうかがうと、どの遊びも懐かしいだけでなく楽しそうで、お母さんたちも遊んでみたくなりますね。
野田先生、ありがとうございました。
次回は道具を手作りできる遊びをご紹介します。
野田友子 のだ ともこ
NPO日本子育てアドバイザー講師 東京福祉大学・大学院講師。元東京都公立保育園園長として長年勤務。その後、福祉サービス第三者評価の調査員として、600件以上もの保育園・高齢者施設などの評価を行っている。5人のお孫さんのおばあちゃんでもある。
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