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小学1年生 2019年3月26日の記事

気になるお弁当の栄養バランス。「3・1・2弁当箱法」って?

 

 

4月から始まる学童で、いざお弁当生活! 給食の代わりに、わが子の日中の主要な栄養源となるお弁当ですが、栄養バランス的にはどんなことを心がけて詰めればいいのでしょうか? 今回はさいたま市立大東小学校の栄養教諭で、管理栄養士でもある佐竹未希先生に、お弁当の栄養バランスで気をつけたいことを聞きました。

 

 

●食物繊維、カルシウム、ビタミンAを意識的に取り入れて

 

お弁当の栄養バランスは、どんなことを心がけて詰めればいいのでしょうか?

 

「子どもたちにとって、お母さんやお父さんが作ってくれるお弁当は特別です。どんなに給食が大好きで、毎日のメニューを覚えてきて楽しみにしてくれている子どもでも、たまにあるお弁当持参の日には、『今日はお弁当なんだよ』と、満面の笑顔で誇らしそうな顔をします。栄養教諭として子どもたちのお昼ごはんを1年の半分くらい担当しているわたしとしては、一抹の寂しさを覚えつつも、ほほえましい気持ちになります。

 

ですから、まず前置きとして『お母さんやお父さんが作ったお弁当』というだけで、心への栄養バランスは100点満点! 身体への栄養バランスは、あくまでも欲を言えば、という話になります」(佐竹先生)

 

 

(出典:公益財団法人学校給食研究改善協会『すこやか情報便 第22号』)

 

「こちらの図は、『学校給食の有無による栄養素摂取状況の違い』を男女別に表したものです。オレンジが学校給食のある日、緑の縞が休日など学校給食のない日の棒グラフで、それぞれの栄養について、目標量・必要量の基準を満たしていない子どもの割合を示しています。学校給食がない日は、男女ともに、とくに食物繊維、カルシウム、ビタミンAが不足しがちになることがわかりますよね。

 

子どもの成長のためのお昼ごはんとしては、まずこの3つの栄養素を補うことを目標にすると、栄養バランスがよくなります。食物繊維は、いも、豆、きのこ類に、カルシウムは小魚や乳製品に、ビタミンAは緑黄色野菜に多く含まれます。お弁当のおかずを作る際には、これらの食材を意識的に取り入れるようにするといいでしょう」(同)

 

不足しやすい栄養素は、食物繊維、カルシウム、ビタミンAの3つ。手軽にお弁当箱のスペースが埋まるご飯ものや、子どもが喜ぶ揚げ物などについつい偏りがちですが、いろいろな種類のおかずをバランス良く入れてあげることが大切なんですね。

 

 

●「主食3:主菜1:副菜2」のバランスでお弁当を詰めてみよう

 

さまざまな食材を使った料理をバランス良く取り入れるための、具体的な方法があれば教えてください。

 

「わたしがお弁当作りでよく利用するのは、NPO法人食生態学実践フォーラムが提唱している『3・1・2弁当箱法』です。お弁当箱をざっくりと頭の中で6分割して、主食3:主菜1:副菜2のバランスで詰めていく方法です。簡単な例を挙げれば、お弁当箱にごはんを半分弱詰めて、肉や魚、たまごのおかずを1品、おもに野菜を使ったおかずを2品入れれば、バランスのよいお弁当になります」(同)

 

 

(出典:NPO法人食生態学実践フォーラムHPより)

 

【参考:食生態学実践フォーラムが提唱する「3・1・2弁当箱法」活用のポイント】

ルール1.食べる人にとって、ぴったりサイズの弁当箱を選ぶ

ルール2.動かないようにしっかりつめる

ルール3.主食3:主菜1:副菜2の割合に料理をつめる

ルール4.同じ調理法の料理(特に油脂を多く使った料理)は1品だけ

ルール5.全体をおいしそう! に仕上げる

 

「お弁当の彩りは、おいしそうと思わせるためにも、さまざまな食べものを組み合わせて食べるためにも、大切な要素です。見た目にも食材のバランスとしても、白・黒・赤・黄・緑の5色が入っているのがよいと言われています。

 

ただし、キャラ弁やデコ弁のように、彩りばかりを重視してしまうと、主食:主菜:副菜の黄金比が崩れがちです。成長期の子どものお弁当は、脳や身体のエネルギー源となる主食をしっかりと入れることが重要です」(同)

 

たくさんのお料理が詰まった彩りのいいお弁当は、見ているだけでもワクワクしてしまいますよね。お弁当を楽しい時間にするためにも、手軽に栄養バランスが整うこの方法を試してみてはいかがでしょうか。

 

(取材・執筆:宇都宮薫)

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