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生活・しつけ
年長 2018年12月26日の記事
ママたちの冬の脅威! ノロウイルスの怖い噂、ウソorホント?
突然の嘔吐や下痢・腹痛といった症状を引き起こす“ノロウイルス感染症”。感染力が非常に強く集団発生しやすいため、幼稚園や保育園の子を持つママにとっては、この時期注意したい感染症のひとつですよね。しかし巷には、ノロウイルスに関する真偽不明のウワサも溢れています。そこで今回は、ノロウイルスについての正しい知識と感染防止策について、サラヤ株式会社サニテーション事業本部・食品衛生学術室の村松寿代さんに教えていただきました。
●ノロウイルスは冬“だけ”流行する……は間違い!
ノロウイルスというと寒い冬の時期に流行するイメージがあります。実際、春から秋にかけての感染は少ないのでしょうか?
「ノロウイルス感染症の多くは、11~2月の寒い時期に発生していますが、それ以外の月に感染しないというわけではなく、感染者は年間を通して出ています。
ノロウイルスの感染ルートには『食品からの感染』と『人からの感染』があります。前者は、ウイルスを蓄積した加熱不十分な二枚貝(牡蠣など)を食べたり、感染者が汚染させた食品などを喫食にした場合に起こります。後者は、感染者の便や嘔吐物に含まれるウイルスが、人の手などを介して、体内に入ることが原因です。
気温が低くなる冬場、ノロウイルスは長期間生存が可能になると考えられていますが、これが冬場に感染者が増えることの一因です」(村松さん)
また「人からの感染」について特に注意すべきことがあると、村松さんは続けます。
「感染者の中には、下痢や嘔吐といった症状が現れない『不顕性感染者』が一定数いると言われています。不顕性感染者もウイルスは保持していますし、そのウイルスは便とともに体外に排出されるので、学校や職場に症状の出ている人がいないからと言って、安心するのは禁物。常にしっかりと手洗いをするよう心がけましょう」(同)
そもそもノロウイルスの潜伏期間は24~48時間。この間も、症状はなくとも感染者は便からウイルスを排出しているとのこと。トイレの後のしっかりした手洗いは、年間を通じて徹底したほうが良さそうです。
●生の魚介類を食べなければ感染しない…は間違い!
ノロウイルスは牡蠣などの二枚貝に蓄積するとのことでしたが、安全に食べる方法はあるのでしょうか。
「ノロウイルスに汚染されている可能性がある食材は、85~90℃で90秒以上、しっかり加熱処理を行えばウイルスは不活化します。一方、注意が必要なのはサラダなどで食べる生野菜です。野菜自体にウイルスが蓄積することはないものの、調理器具や感染者の手を介してウイルスが付着する可能性があるからです」(同)
料理を担当するママにとっては、注意したいポイントですね。
「生で食べる食材は調理器具を使い回さず、洗ってある清潔なものを使用する。そして、調理前に石けんを使ってしっかり手洗いを行うこと。これで感染リスクは大きく減らせるはずです」(同)
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●ノロウイルスは一度かかれば二度と感染しない…は間違い!
感染症というと、一度かかれば免疫ができて、二度とかからないとされるものもありますよね。ノロウイルスはどうなのでしょうか?
「遺伝子型の多いノロウイルスは、残念ながら何度でもかかる可能性のある感染症です。なので、家庭内で感染者が出た場合は、過去の感染歴の有無にかかわらず、家族全員で二次感染の防止を徹底しましょう」(同)
子どもが感染した場合、親身になって看病する親は二次感染のリスクも高いですよね。
「看病にあたる人はマスクの着用が必須です。また、嘔吐物を処理する場合は飛沫などが付着する可能性が高いため、使い捨ての手袋や捨ててもいいエプロン・靴下を身に着けるといいでしょう。嘔吐物が衣類などに付いた場合、それを下洗いした場所の消毒も必要になるので、できれば、捨ててもいいくらいのものを身に着けておくと、あとの処理がラクです」(同)
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家庭内での二次感染を防ぐために、嘔吐物の正しい処理方法も教えてください。
「子どもがノロウイルスに感染した場合、急に嘔吐したというのはよく聞きますよね。その時の正しい処理が、二次感染を防ぐためには大切です。まず、嘔吐物はいらないタオルや雑巾などで覆ってから、そのままゴミ袋に入れ、しっかり密封して捨てましょう。
その後、塩素系漂白剤を水で薄めて、0.1%の塩素系漂白剤調整液を作り、浸すようにペーパータオルなどで覆って拭き取り消毒します。吐いてしまった部分を中心に、少なくとも半径2.5mの広範囲を消毒しましょう。壁付近で吐いた場合は、壁も大人の背の高さくらいまで消毒が必要です」(同)
布団に吐いてしまった場合はどうしたらいいでしょうか。
「布団カバーなどのリネン類は、嘔吐物を取り除いた後に塩素系漂白剤調整液につけおきするか、ノロウイルスは85~90℃で90秒以上加熱すると不活化するので、煮沸消毒するという手もあります」(同)
ちなみに、中まで染み込んでしまった場合は、スチームアイロンや布団乾燥機で加熱する、あるいは、専門業者に依頼してクリーニングしてもらうなどの方法もあるそうです。しかし、子どもは寝たまま吐く可能性も高いので、体調が悪そうな日は、できれば布団の上に新聞紙、その上にいらないタオルを敷くなど、事前に工夫できるといいですね。
●ノロウイルスに特効薬はない…は正解!
激しい嘔吐を伴うことが多いノロウイルス感染症。子どもがかかると、何とか早く治してあげたい…という気持ちになります。特効薬や、症状を軽くする薬はないのでしょうか?
「ノロウイルスに効く抗ウイルス薬やワクチンは、今のところありません。予防するためには、とにかく手洗い・うがいとマスクの着用で、感染リスクを下げるに尽きます。ちなみに、ノロウイルスはノンエンベローブウイルスと言って、普通のアルコールでは消毒しきれないウイルス。予防を徹底したいなら、ノンエンベローブウイルス対応の除菌スプレーや除菌シートを活用するといいでしょう」(同)
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「かかってしまったら対症療法で、とにかく脱水症状にならないよう、水分補給だけ注意しながら安静にして過ごします。通常は、発症後1~2日程度で症状は治まります」(同)
ちなみに、市販の下痢止め・吐き気止めは利用しないほうが良いとのこと。ウイルスの体外への排出を邪魔することになり、かえって回復を遅らせる可能性があるそうです。
ワクチンや特効薬がない、集団発生しやすい…などといった特徴から、予防できないもののように思われがちなノロウイルス感染症。しかし、食べ物や調理器具の取扱い方法、正しい・こまめな手洗いを心がければ、十分に感染リスクを下げることができそうです。正しい知識を身に着けて、家族でしっかり予防したいですね。
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