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学校・まなび
小学1年生 2014年8月25日の記事
勉強大好き&学力アップ「親野智可等のママゼミ」第18回[8/25]
教えるときは優しく教えてあげよう
●算数が苦手な男の子
ある日、東京駅の新幹線の待合室で座っていたら、隣に親子連れがやってきました。座るとすぐに、お母さんに促されて、小学生の男の子が算数の宿題らしきものをやり始めました。
ところが、その子は算数が苦手なようでした。それで、お母さんがイライラしながら口を開きました。
●イライラしながら教えるお母さん
親「ほらほら、その引き算は後なの。掛け算と割り算が先で足し算と引き算は後でやるの。何度言ったらわかるの」
子「……」
親「はじめに8と5を掛けるといくつなの?」
子「40」
親「50から40引くといくつなの?」
子「10」
親「じゃあ、どんどん10って書きなさいよ!」
●焦ってよけいにわからなくなる
これでは、子どもはかわいそうですね。
これがもし大人だったら、「教え方が下手だからわからない」とか「もっとわかるように教えてよ」などとやり返すかもしれません。
でも、子どもはできない自分が悪いと思って自分を責めるだけです。
子どももできるようになりたいと思っています。そして、一生懸命やっているのです。でも、できないのです。隣で大人がイライラしているので、さらに焦ってしまいます。その結果、よけいに何が何だかわからなくなってしまいます。
●誰にも苦手なことはある
大人だって、自分が苦手なことは何度聞いてもわからないということがあると思います。
私も、保険や年金の話が苦手です。営業さんが各種保険の違いや得失を説明してくれますが、なかなか理解できません。
また、税金関係も難しいです。○○控除がどうのこうの、消費税がどうのこうの、源泉徴収がある場合はどうのこうの、所得の種類がどうのこうの……。
税理士さんが説明してくれますが、こういう話は何度聞いても難しく、半分以上が意味不明です。たとえそのときはわかったつもりでも、1週間もするとわからなくなっています。
●親子は一番大事な人間関係
そういうときはまた聞くことになりますが、「あなた、何度言ったらわかるんですか? いい加減にしてください」などと言われることありません。
もしそんなことを言われたら、そこで人間関係は終わりますね。
生命保険の営業さんも税理士さんも、何度でも優しく教えてくれます。そのおかげで、何とか少しずつ少しずつわかってくることがあります。
みなさんもそういうことがあるはずです。ですから、子どもにも何度でも優しく教えてあげてください。
できないからといって、子どもを責めたり、イヤミを言ったり、否定的な言葉で叱ったりなどということはやめて欲しいです。
親子という関係は一番大切な人間関係ですから、一番大事にして欲しいと思います。