1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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学校・まなび
小学1年生 2017年9月11日の記事
今回の夏休みも次のようなニュースを何度も耳にしました。
◎メルカリで買った宿題を自分がやったと偽って学校に提出する。
◎宿題代行業者に書いてもらった読書感想文を自分が書いたと偽って学校に提出する。
親が子どもにこういうことをさせているとどうなるでしょう?
子どもの頃にした「ずる」「不正」は、一生忘れられない心の傷になる可能性があります。
親は平気でも、子どもの心はそうはいかないのです。
また、こういう不正を親がやらせることには、大きな弊害があります。
それは、子どもは親の人間性に対する不信感を持つようになるということです。
そして、これが後々響いてきます。
こういうことをさせる親が、その後いくら立派なことを言っても、子どもは信じなくなる可能性が高いと言えます。
そういう親に、「ずるはいけない。正しいことをしなさい」「やっていいことと悪いことの区別をつけなさい」などと言われて、子どもが「本当にそうだ。気をつけよう」と素直に思えるでしょうか?
ゴミをポイ捨てする姿を見せている親が、「ゴミをポイ捨てしてはいけない。持ち帰って捨てなさい」と言っても、子どもは「本当にそうだ。気をつけよう」と思わないのと同じです。
生きていく上での芯となる基本的な倫理観は、親の生き方を見て身につける部分が多いのです。
うちの子は塾での受験勉強に集中させたいので、学校の宿題をやる時間など無いと言う親がけっこういるようです。受験競争を勝ち抜くという目的のために、こういう不正行為を正当化してしまっているということですね。
でも、これは「目的のためなら手段を選ばなくてよい。どんなことをしてもよい。不正をしてもよい」 と教えているようなものです。
こういう不正をして受験競争に勝ち抜き、勝ち組路線を歩み続けて、キャリア官僚とか一流企業のエリート社員などになるのでしょうか?
そういう人は、「自分の目的のためなら、企業の利益のためなら、役所の省益のためなら、ちょっとくらいの不正はしてもよい」と考えてしまうかもしれません。
要するに、不正に対する感受性が鈍くなってしまっているのです。
今、しきりに企業のモラルやコンプライアンスが大事と言われていますが、実際は利益のためなら何でもするところが多いです。
キャリア官僚たちは、いくら天下りを批判されても平気です。
いろいろな抜け道を考えて天下りを続けています。
立派な大学を出て、人もうらやむキャリアを積んで政治家になった人たちが、政務活動費の不正受給を平気でおこなっています。
子どものときに宿題で不正をしていると、大人になって同じようなことを繰り返すのではないかと心配です。
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1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
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