藤咲ちとせ
大手エンタメ情報誌の映画担当を経てフリーランスのエンタメライターに。2003年、2007年に女児を出産した後、日本初の子どものための映画サイト「こども映画プラス」の立ち上げに関わる。長女が年少の頃から10年以上映画館、テレビ、DVDなどで子どもと映画を鑑賞しながら、“親子の映画の楽しみ方”“映画で子どもの好奇心や知識、語彙力、コミュニケーション力がどのように育つのか”を研究し続けている。
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年長 2017年6月5日の記事
舞台はオーストラリアの大きな農場。収穫祭でもらわれてきた子ブタのベイブが、才能を発揮して牧羊犬コンテストに出場するようになるまでを描いています。何と言ってもつぶらな瞳の子ブタ、ベイブがとってもカワイイ! しゃべる動物たちの映像技術が高く評価され、第68回アカデミー賞で作品賞を含む7部門にノミネートされた実績もある作品です。
ベイブに母のような愛情を注ぐ牧羊犬のフライ、同じく牧羊犬でひねくれ者のレックス、ベイブに知恵を授ける羊のマー、ちょっとイジワルな家猫のダッチェス、馬にネズミにアヒル……。農場が舞台だけに、様々な種類の動物が登場します。物園や牧場、家で飼っている動物たちも、こんな風に思っているのかもね、なんて言いながら一緒に観れば親子の会話も弾むでしょう。
ベイブは母親代わりのフライに、牧羊犬の仕事を教えてもらいます。最初は羊たちにバカにされたベイブですが、自分なりのやり方で羊たちをまとめます。そんなベイブを見て、農場主もベイブを牧羊犬コンテストに出場させることを決意。バカにされても笑われてもベイブは見事やりとげ、大勢の観客から拍手喝さいを浴びるのです。年長さんになると「こんなこともできるの!?」と親が驚くくらい、できることがどんどん増えていきます。子どもも「できた!」という経験は嬉しいもの。まだ無理なんじゃないかと決めつけずに、子どものチャレンジはできるだけ応援してあげたいですね。
「ブタは人間に食べられる運命なのよ」と言われてベイブがショックを受けるシーンがあります。実はこの映画、売られたり食べられたりする運命にある家畜の悲哀も描いています。ベイブはもともと食用にもらわれてきました。時を告げるオンドリとして役割を果たさなければ食べられる、と思って必死のアヒルもいます。家畜のこと、食卓に上る食べ物のことなど、年長さんならそろそろ理解できるかも。親子で話してもいいのではないかと思います。
子どもにも親しみやすい映画とはいえ、年長さんだと子供によっては話の展開についていけず飽きてしまうお子さんもいるかもしれません。年長さんであれば、映画を見せる前にママが簡単なあらすじを話してあげることをオススメします。絵本を何度でも読んで!と言うように、子どもは先がわかっているお話だと安心して楽しむことができます。小学校中学年くらいからは「ネタバラししないで〜!」と、先の見えない展開も徐々に楽しめるようになっていくのではないかと思います。
<データ>
1995年/92分(1時間32分)/オーストラリア・アメリカ/監督・脚本:クリス・ヌーナン 出演:ジェームズ・クロムウェル
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