大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
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生活・しつけ
年長 2017年4月11日の記事
いよいよ、年長さん! 進級おめでとうございます!
子どもたちは、園の中でいちばん上の「おにいさん・おねえさん」になることに、誇らしさでいっぱい。
ママたちにとっても、「園生活もあと一年」「一年後は卒園・入学式」という思いで、わが子の成長が感慨深い、春のスタートかもしれませんね。
そんな節目の春、親子におすすめしたい絵本がこちら。
『おおきくなるっていうことは』です。
年長さんになるって、おおきくなるってどんなこと?
絵本の中ではいろんな「おおきくなるっていうこと」が出てきます。
おおきくなるっていうことは、
ようふくがちいさくなるってこと。
おおきくなるっていうことは、
あたらしいはがはえてくるってこと。
おおきくなるっていうことは、
たかいところからとびおりられるってこと。
それもそうだけど、
とびおりてもだいじょうぶかどうか、
かんがえられることも
おおきくなるっていうこと。
あんまり泣かないとか、
シャンプーだっていやがらないとか、色々あるけれど……。
いちばんには
おおきくなるっていうことは、
じぶんより小さなひとがおおくなるってこと。
小さなひとにやさしくなれるってこと……。
親子でひとつひとつページをめくりながら、「○○くんも同じだね」「○○ちゃん、これどうかな?」と成長を振り返っていくことができる絵本です。
そういえば、一年前にはできなかったことが、今は普通にできるようになっていたりして…。
いつの間にかあたらしい歯が顔をのぞかせて、身長ものびて、できることも増えて。
ママとしても「うちの子、ここまでおおきくなった!」と絵本を読みながら感じることは、あわただしい毎日の中で、子育てのパワーをもらえる幸せな時間になるのではないでしょうか。
最後の園生活、のびのびとあそんでお友だちと仲よくして、いい思い出をたくさんつくってほしいですね。
そしてもう1冊おすすめしたいのがこちら。『たまごにいちゃん』です。
あれ? どこかで見たことがある絵……と思うママもいるかもしれませんね。
作者のあきやまただしさんは、NHKのEテレでアニメ化されている『はなかっぱ』シリーズの作者でありイラストレーター。
この『たまごにいちゃん』も大人気のシリーズ1作目です。
たまごにいちゃんは、たまごの殻をつけたままおおきくなっています。
本当は、もうたまごから出てないといけないんです。
弟のほうはとっくにたまごから出て、ひよこになっています。
でも、出たくない。たまごにいちゃんは、ずーっとたまごでいたいと思っています。
なぜだと思いますか?
だって、だって……
いつでもおかあさんに
あたためてもらえるから。
なんてかわいい理由!
いるいる、おおきくなりたくない男の子。
まだまだ、ママや先生に甘えていたい子……。
かわいいけれど、1年後の入学を考えるとそうも言ってられない。
おにいちゃんになってもらわなくちゃ、と焦るママもいらっしゃるかもしれません。
絵本のたまごにいちゃんは、たまごが割れないように気をつけますが、ついにひびが入ってしまいます。
「このままじゃ ぼく ほんとうの おにいちゃんになっちゃう」
たまごにいちゃんは心配でたまりませんが、
ついにたまごの殻が割れたとき、おにいちゃんは…!?
最後のページには、なかなかりっぱになったおにいちゃんがいます。
じつはおにいちゃん、後ろに「あるもの」がくっついたままになっているのですが、それを気づいた親子は、続編『がんばる! たまごにいちゃん』を読んでみるのもいいですよ。
まだまだ、たまごでいたい……。
そう思うということは、だんだん周囲が見えはじめた証拠でもあり、いつかはたまごでなくなる自分を受け入れる準備に入っているのです。
「こんなにおおきくなった!」と胸をはる年長さん。
まだ甘えていたいのに……と心が揺れる年長さん。
どちらも、この年齢だからこそ。ありのままの子どもの姿です。
ママたちはどっしり構えて、「こんなにおおきくなったのね」「あらあら、まだたまごでいたいのね」と、そのつど、子どもの気持ちの揺れにつきあいながら、楽しく一年過ごせたらいいですね。
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