大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
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生活・しつけ
小学1年生 2017年4月3日の記事
新1年生のみなさん、ご入学おめでとうございます!
子どもたちは、新しい生活を前に、ちょっぴり不安も感じつつ、ワクワクドキドキ、いろんな気持ちがぐるぐると心の中をかけめぐっているかもしれませんね。
ママたちがいちばん心配なのは、「うちの子、学校になじめるかしら?」ということではないでしょうか。
ともだちはできるかしら? いじめられたりしない? 先生やクラスのみんなとうまくやっていけるかしら。
保育園・幼稚園のおともだちが学校でも同じクラスにいるのなら安心ですが、場合によっては学区がちがったり、あたらしい場所へ引っ越して新生活をスタートさせるお子さんもいらっしゃるかもしれませんよね。
そんな、新しい生活に不安を感じている親子にご紹介したい本がこちら。『モモンガくんとおともだち』です。
いつも高い木の上から、おともだちが遊んでいるのをみているだけのモモンガくん。
なかなか最初の一歩がふみだせません。
「みんなとあそんでいらっしゃい」と言われてもモモンガくんは…
「どうやってみんなとおともだちになるの?」
「ぼく、モモンガです。いっしょにあそぼう」って言えばいいんだよ。
と言われても…
「だめだよ、きっとはずかしくて言えないや。」
このやりとりに、「うちの子もこんな感じかもしれない」と思うママもいらっしゃるのではないでしょうか。
絵本ではモモンガくんが、「えいっ」と一歩ふみだし、外へ飛び出す瞬間が描かれます。
そしてモモンガくんのお父さんとお母さんが、小さなモモンガくんを励ましながら、モモンガくんの勇気が出てくるまで、見守っている様子も描かれます。
あたらしい学校、あたらしい先生、あたらしいともだち。
そんなドキドキの「あたらしい」でいっぱいの世界に、たった1人でふみだしていこうとする子どもの勇気はすごいです!
この絵本は、「いっしょにあそぼう!」と口にだしてなかなか言えない、ひっこみじあんだったり、照れ屋だったりする子どもたちに読んであげたい絵本です。
「うちの子、どうかな、心配かな」と思ったママは、入学式の前にこの絵本を一緒に読んで、子どもの不安な気持ちにそっと寄り添ってあげてください。
そして学校がはじまり「あたらしいともだち、できたよ!」と報告してきたお子さんを、ぜひほめてあげてくださいね。
もう1冊、おすすめしたいのは『いちねんせいのはる・なつ・あき・ふゆ』です。
学校ってどんなところかな?
何をするのかな?
そう思っている子どもたち、ママの「予習」にもぴったりのこの絵本。
(じつは長女が入学する前、私も娘といっしょに読みました!)
ピカピカのランドセルを背負って入学した春から、一年がめぐりまたあたらしい春をむかえるまでの一年が描かれます。
入学式。
一年生を迎える会。
身体測定に、交通教室。
授業参観。
遠足、プールびらき、運動会!
「こんなことやるんだなあ〜」「楽しそう!」とワクワクしながらページをめくるうちに、行事がいっぱいの小学校生活のなかに自分がいることを、子どもが自然にイメージしていけます。
最初の春のページでは、緊張した顔で教室の席に座っていた子どもたちが、
いちばん最後のページでは生き生きした笑顔で、横をむいたり後ろから身を乗り出したり、子ども同士がやがやとおしゃべりしている様子が描かれます。
『モモンガくんとおともだち』のように、「どうやってみんなとおともだちになるの?」と最初は不安だった子も、きっと一年後にはこんなふうにたくさんのおともだちに囲まれて、小学校生活を送っているにちがいありません。
大丈夫、大丈夫。
これから毎日少しずつ、新しい学校生活にも慣れて、はっと気づけばいつの間にか、すっかりたのもしい小学1年生になっていますよ。
じつは、『モモンガくんとおともだち』の作者のくすのきしげのりさん、『いちねんせいのはる・なつ・あき・ふゆ』の作者の丘修三さんは、お2人とも学校教諭を経て作家活動へ入ったという共通点があります。
たくさんの子どもの様子を見つめてきた作者の本だからこそ、ママも安心して楽しめますし、子どもたちから親しみのこもった支持を受けているのです。
『いちねんせいのはる・なつ・あき・ふゆ』は同じシリーズに、1年生の1日の生活を紹介した『いちねんせいのいちにち』、小学校のいろいろな教室を紹介した『いちねんせいのがっこうたんけん』という絵本もあります。
どの本も、入学前の不安が「楽しみ!」に変わる絵本です。
あわせて読んでみて、新一年生の心の準備に活用してくださいね。
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大和田佳世(おおわだ かよ)
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