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生活・しつけ
年長 2015年9月1日の記事
鼻づまりで、子どもの学習能力にも影響が!?[9/1]
《子どもの鼻づまりにご注意! その1》 本人にも自覚のない「隠れ鼻づまり」もある
誰でも一度はなった経験があるはずの鼻づまり。
それだけに、子どもが鼻づまりかなと思っても、それほど心配はしませんよね。
でも、実は鼻がつまった状態が続いていると、子どもの体や心の成長、学習能力にまで影響を与えることがわかってきたというのです。
いったいどうしてなのでしょう。子どもの鼻づまりの治療を数多く手がけている「鼻のクリニック東京」院長の黄川田徹先生にうかがいました。
●鼻づまりが治ると、劇的な変化が起きる
鼻づまりは呼吸だけでなく、子どもの体や心の成長などにも大きく影響するというのは本当ですか?
黄川田 「私は20年以上、鼻の治療を行なっていますが、これまでの経験から、鼻づまりが子どもに与える影響が非常に大きいということを実感しています。
というのも、鼻づまりが治った子やその親御さんから『学校の成績が上がった』『キレにくくなった』『笑顔が増えた』などという声が数多く寄せられるからです。
なかには『身長が伸びた』とか、『周りの人から鼻(をすする音が)うるさいと言われてからかわれなくなった』という声もあり、鼻づまりが体の成長や友だち関係にまで影響を及ぼすこともあることがわかります。
何より治療前と治療後では、子どもの表情がまったく違いますね」
●鼻の奥の粘膜が腫れて鼻がつまる
鼻づまりが起きる原因は何ですか?
黄川田 「そもそも鼻づまりというのは、鼻の奥のほうにある鼻腔という部分の壁にあたる粘膜が腫れて空気の通りが悪くなることです。粘膜が腫れるのは、炎症を起こしているためであって、この状態を『鼻炎』と言います。鼻炎には花粉やハウスダストに反応して起きるアレルギー性鼻炎、また原因のはっきりしない非アレルギー性鼻炎があり、どちらも鼻づまりや鼻水が主な症状です。
さらに慢性副鼻腔炎といって、鼻腔周辺の骨に囲まれた副鼻腔という空洞で炎症が起きる病気でも、鼻づまりを訴える方が多く見られます。これは鼻炎の二次的な炎症として副鼻腔炎が起きているためではないかと考えています」
●見た目ではわかりにくい「隠れ鼻づまり」も多い
でも、鼻づまりは放っておいても、すぐに治ることが多いのではないでしょうか。
黄川田 「たしかに、一部の鼻づまりは、放っておいてもすぐに治ります。でも、自分でつまっているつもりはなくても、実は鼻呼吸ができていなかったり、夜に寝ているときだけ鼻がつまっているという子が意外に多いことがわかりました。私はこれを『隠れ鼻づまり』と呼んでいます。
物心ついたときからずっと鼻づまり状態で、口呼吸に慣れてしまうと、子ども自身はそれが当たり前だと思ってしまいます。そのため、子どもと最も多く接している親御さんでさえ、子どもの鼻づまりに気づきません。自分の子は鼻炎になることはあっても、普段は鼻づまりがないと思っている親御さんの子の鼻を診察すると、典型的な鼻づまりが見つかるということも多いのです」
子どもが鼻づまりになれば、親ならすぐにわかると思っていたので、ちょっと驚きました。
黄川田先生、ありがとうございました。
次回は、隠れ鼻づまりの見つけ方について伺います。
プロフィール
鼻のクリック東京院長・こどもの鼻ユニット診療部長。日本耳鼻咽喉科学会専門医。1991年に「サージセンター浜松」、2008年に「東京サージクリニック(現:鼻のクリニック東京)」を開設。子どもの鼻づまりに治療にも積極的に取り組んでいる。
著書に『鼻のせいかもしれません』(筑摩書房)、『こんなに怖い鼻づまり!———睡眠障害・いびきの原因は鼻にあり』(ちくま新書)などがある。
鼻のクリック東京HP