野田 友子 (のだ ともこ)
NPO法人日本子育てアドバイザー協会講師 東京福祉大学・大学院講師。元東京都公立保育園園長。現在は、福祉サービス第三者評価の調査員として、600件以上もの保育園・高齢者施設などの評価を行うかたわら子育てアドバイザーとしても活動。
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生活・しつけ
年長 2016年5月20日の記事
前回は、子育てアドバイザーの野田友子さんに、しつけのために叱った後の子どもへの対応についてうかがいました。今回は、叱るときに注意したいことをお聞きします。
●叱るときは行為を叱る、子どもの人格を否定しない
その1で、叱らないことがストレスになるくらいなら、叱ってもOKとお話しいただきました。そのように言ってもらえると、親としてはちょっと気持ちが軽くなりますが、叱るときに何か注意したほうがいいことはありますか?
野田 「どんなに感情的に叱ったとしても、これだけは気をつけてほしいのは、子どもの全人格を否定しないということです。『勉強しないあなたは嫌い』とか『片づけない子は知らないよ』とか、そうした言葉を言いそうになったら自分を抑えるようにしましょう。
叱るときは、行為を叱ること。『ご飯までに片づけるって言ったでしょ!』などと、行為そのものに対してはびしっと言いましょう。全人格を否定されたら、子どもに限らず、人は立ち直りにくいものです。いくら後でごめんねって言っても、その心の痛手が消えないこともあります。『人格』と『行為』を分けること。これに注意しておくと後の修正がききやすいでしょう」
「○○しないなら知らないよ」なんて、つい親が言ってしまいがちな言葉ですね。気をつけます
●叱るなら明るく叱ろう
野田 「また、これはその人のキャラクターにもよるので、絶対にこうしてほしいというのではありませんが、叱るのであれば『明るく叱る』こと、第三者が聞いていて辛くなるような叱り方をしないことでしょうか。
例えば、低いトーンの声で、ぐだぐだと、いつまでもお説教するような叱り方は子どもも嫌になってしまいます。叱りたくなったら、あえて声のトーンを高くして、一気に叱ってみるというのもひとつの方法かもしれません。
いずれにしても、子どもに対する感情の昂りを、お母さん自身がいつまでも引きずらないようにすることが大切ですね」
自分なりに、あえて明るく叱ってみるようにすると、今までと気分が違ってくるかもしれません。
●日頃から、親の思いや価値観を伝えておく
野田 「叱らないようにするのは難しいですが、叱る回数を減らすために常日頃からしておくとよいことがあります。それは、叱っているときではなく、平穏な状態のときに、子どもに対して、してほしいこと、してほしくないこと、親の考えや価値観といった親の思いを伝えておくということです。
親は意外と、子どもがしてほしくないことをしたときにしか伝えていないものです。そうするとどうしても『叱る』ことになってしまう。でも、あらかじめ子どもに言っておけば、子ども自身も親が叱るような行動をすることは減ってくるはずです。
また、これをしたときにはこうなるよとか、こうするためにこうしておこうね、などと前もって『予告』しておくことも効果的です。
例えば、子どもが『ゲームを買って』と言ってきたら、いくら欲しいと言っても『お誕生日までね』として、『それまでにカレンダーに印をつけて楽しみにしててね』などと言って待たせるようにします。子どもは本当に欲しい物は、○をつけて楽しみに待てますが、あまり欲しくないことは、途中で○がつけられなくなるんですね。
このように予告しておくことで、『買って』『ダメ!』というやりとりをしなくてすみ、子どもも『待つ』ことを覚えられます。結果的に叱ることを予防できるというわけです。そして、予告して、約束したことは必ず守りましょう。お互いの信頼関係は崩さないようにすることが大切です」
叱ってもOKとはいっても、子どもの側から考えると、叱り方には十分注意して、叱らないようにする対策もしていきたいですね。
野田さん、ありがとうございました。
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野田 友子 (のだ ともこ)
NPO法人日本子育てアドバイザー協会講師 東京福祉大学・大学院講師。元東京都公立保育園園長。現在は、福祉サービス第三者評価の調査員として、600件以上もの保育園・高齢者施設などの評価を行うかたわら子育てアドバイザーとしても活動。
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