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小学1年生 2016年1月21日の記事

見下されたり、いじわるされるのは小柄なせい?

《きいて、教えて、舟山先生!》 一度お母さんが学校に足を運んで確認してみましょう

会話を楽しむ小学生の女の子3人

 

こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。

 

今回は、子どもの友だち関係に関するお悩みです。親御さんは「早生まれ」や「体が小さい」ことが問題であるように考えがちですが、別の視点から見てみると違った局面が見えてくるかもしれません。

 

 

Q.クラスの女の子になじめず、意地悪されているようです

 

こんにちは。小学1年生の娘がいます。クラスは男の子17人、女の子8人と女の子が大変少ないクラスです。娘はなかなかクラスの女の子になじめないようで、男の子と遊んでいます。女の子が仲間に入れてくれないそうです。

 

女の子たちは、ある程度仲良しグルーができているようです。ある1人の女の子は、叩いてきたり、娘のいないときに勝手に筆箱を使って机に落書きをしたりするそうです。(この女の子は、保育園の年長時にいじめっ子だったそうです)。

 

また、違う女の子からは砂をかけられたそうです。担任の先生にも、2回程電話してその事を伝えたのですが、「学校ではそのような状況を見たことがないです」と言われました。誰だって、先生の見ている所ではしないと思うのですが……。

娘も、先生に言ってはいるようです。

 

帰宅後は、習い事がないときは隣のクラスの女の子と、お家を行き来する形で楽しく遊べています。

 

娘は、3月末が誕生日で体格も小柄なので、運動もできるほうではありません。唯一、絵を書くのが好きで、同じクラスのある女の子から「○○ちゃんは小さいのに、絵が上手だね」って言われたと本人は喜んでいました。

 

最近、頭が痛いと訴える事が多くなりました。学校嫌だなと、ときどきですが言います。やはり小さいと見下されてしまったり、いじめられやすいように思います。なんとかしてあげたいのですが、どうすればいいのかわかりません。

 

ペンネーム     ミッキーママ

 

 

A.友だちとの距離の取り方に原因がある可能性も

 

保護者のみなさんの心配ごとの一つに「早生まれだから…」というのがあります。特に3月生まれだと、ほとんどのお母さんが心配されて個人面談などでおっしゃいます。

 

けれども私は担任をしていて、そのことが気になったことは、実はほとんどありません。4月生まれでも体が小さい子はいるし、3月生まれでも大きな子はいます。むしろ、いろいろな成長の個人差は、生まれ月では測れないことが多いからです。

 

それよりも、相談文を拝見して気になったのは、ご相談者であるお母さんの知っていることが、お子さんからの情報と、保育園のときいじめっ子であったという子のことが伝聞(噂)であるという点です。もしかすると、ほかのお母さんから聞いた内容もあるのかもしれませんが、ご相談者の視点で書かれています。もちろん、お子さんを大事に思うのは当然です。でも、ほかの女の子8人にもそれぞれ親御さんがいて、それぞれきっと言い分があると思うのです。

 

昨春入学したとき、スタートはみんな同じだったはずです。そのときにはもう女の子のグループができていたのでしょうか。お子さんは3月生まれで体が小さくて、仲間に入れてもらえなかったのでしょうか。だから意地悪をされたのでしょうか……。

 

私は、見ていないのでそこは何とも言えません。ただ、女の子が何となく仲間からはずれるのは、距離感がうまくつかめない場合が多いように感じています。このお子さんの場合も、ずっと同じ教室にいる子どもたちとの距離を適度にとることができていない可能性があると思うのです。隣の教室にいる子とは仲よくできているのですから、教室という「小さな社会」の中で、そこのルールに従って友だちと関わることが苦手、ということも言えます。家で遊ぶのは、自分たちだけのルールですから、教室のルールよりはるかにゆるやかです。

 

担任の先生は、意地悪をされている場面を見たことがないという返事でした。確かに、意地悪の多くは、大人が見ていないところでなされます。ですからその点は、あるともないとも軽々しく言えません。けれども担任の先生は、もしかするともう少し違うことを言いたかったのではないかとも思いました。電話をかけてこられたお母さんの神経を逆なでするかもしれないと、口をつぐんだことがあるのかもしれない、と。

 

担任は、教室全体を見ていて、もちろん隅から隅までくまなく見ることはできないけれども、子ども同士の関係の雰囲気を見て取ります。「この子がこんなことをするのは、あの子が先ほど言ったあのことが関係しているのかな」とか「この子はさっきから、ずっとこんな感じであの子に接しているな」など、“この子”と“あの子”との間にある「距離」を見るのです。近すぎても遠すぎても適当ではありません。その「距離」には温度もあり、暖かい色であったり、冷たい色であったりもします。「距離感」というあいまいな言葉を使ったのもそのためです。

 

お子さんの場合はどうだと思われますか? ぜひ、学校に足を運んで、教室での様子や休み時間の遊び方をご自分の目で確認をされてはいかがでしょうか。それが一番確実だと思います。その上で、お母さんがご覧になった印象を担任に伝えて、担任にお願いすることがあればお願いしたり、友だちとのかかわりについて子どもとじっくり話したりするのです。「教室では、どんなことを考えているの?」とか「友だちとどんなことをしてみたいの?」などと聞くことも大切です。絵をほめてくれる友だちもいるのです。そうした点をもっと広げてみたいところですね。

 

子どもは「他人との適度な距離」を、親との距離から学ぶそうです。そう遠くない思春期も視野に入れて、「親子の距離」を考える機会ととらえてみてはいかがでしょうか。

 

 

早生まれが気になる方は、こちらの記事もご覧ください

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