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学校・まなび
小学1年生 2015年11月13日の記事
知っていますか? 給食甲子園[11/13]
《栄養士さんからの給食室だより 第7回》 全国の自慢の郷土食献立を競う大会が開催!
こんにちは、学校給食の現役管理栄養士&経験者のグループ「おkayu」がつづるママノート版「給食室だより」です。今回は、毎年この時期に全国大会が開かれる「給食甲子園」を取り上げます。
●各地の郷土食献立を競う給食甲子園
「給食甲子園」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 全国の学校給食に携わる栄養教諭や学校栄養職員を対象にしたメニューコンクールのことをいいます。
テーマは毎年同じで「地場産物を活かしたわが校の自慢料理」です。全国各地の学校の給食スタッフが、地域でとれるさまざまな特産物を積極的に取り入れた献立を披露します。
学校給食は食文化や食の安心・安全を守り育てる食育の場であり、食の地域ブランドにも密接に関わっています。給食甲子園は、全国の学校給食で提供されている郷土料理を競うことで、食育を啓発することと地場産物の奨励、さらに、この活動による地域の活性化への貢献などを目的として行なわれています。
参加校は全国規模で考えると大規模とは言えないかもしれませんが、給食の現場では、このイベントを目標や励みにしている人も大勢います。給食甲子園がきっかけとなって、いろいろな献立アイディアも生まれているでしょうし、各地の学校給食や家庭でも活かせるアイディアもあるでしょう。
残念ながら一般の方たちが参加や観覧することはできませんが、こうしたイベントがあることをぜひ知っていただきたいと思い、ご紹介いたします。
●ふだんの現場のルール通りに行なわれる公開調理
ちょうど第10回目となる今年は12月5〜6日の2日間、東京都の女子栄養大学の駒込キャンパスで開催されます。
参加地域は、「北海道・東北」、「関東」、「甲信越・北陸」、「中部・近畿」、「中国・四国」、「九州・沖縄」の6ブロックで、その中から各2校、計12校(学校給食センターを含む)の代表校が参加して行なわれます。
例年7月1日から8月上旬までに参加校を募集し、毎年約2,200校もの応募があります。1次~4次予選までは書類審査が行なわれ、12校の代表校が選ばれます。
大会前日の12月5日は説明会やレセプションが行なわれ、最終選考に選ばれた12校の選手の決意表明などがあります。大会前ということで、皆さん緊張もあるようですが、参加した方々は、とても思い出に残る交流をしているようです。
そしていよいよ大会当日。審査員や報道陣が見つめる中、栄養教諭(学校栄養職員)と調理員の2名で1時間以内に応募した献立6食分を作ります。
調理中の審査でなんといっても学校給食ならではというのが、衛生管理なども審査対象となることでしょうか。1時間の調理作業を始める前に、まず手洗い検査を受けなければなりません。
また、「野菜を洗うのは3回」「水道の蛇口は手ではなくひじで操作する」など、調理の手順や作業もふだんの学校給食現場でのルールの遵守が求められます。ここも通常の料理コンクールとは違うところでしょう。
このように衛生的に作られた給食は、審査員(実行委員)が試食し、味の点でも合格点をもらったものが優勝となるのです。
●男性栄養職員の優勝で話題に
昨年度(平成26年度)の優勝者は、秋田県・藤里町学校給食センターの栄養教諭・津谷早苗さんと調理員・桂田尚子さんでした。
藤里町は、世界遺産の白神山地のふもとに広がる町。献立は「白神あきたこまちのみそつけたんぽ・牛乳・枝豆のかわりがんも・とんぶりあえ・白神舞茸のうどん汁・やまぶどうのゼリー」です。メニューを見ているだけでもおいしそうですね。
ちなみに一昨年、平成25年度の優勝者は、東京都文京区青柳小学校の学校栄養職員の松丸奨さんでした。給食甲子園の参加者は圧倒的に女性が多いのですが、最近は男性の職員の参加も見られるようになっています。
松丸さんは若い男性栄養士さんということもあり、優勝の際には各方面から注目を浴びました。そのため、昨年度は「松丸奨さんの連覇なるか?」と全国の給食関係者の話題となっていましたが、残念ながらこの年は準優勝に終わりました。
今年度も、決勝大会に駒を進めた12校が、12月6日の決戦の時を迎えようとしています。はたして優勝するのはどの学校でしょうか?
平成26年度優勝チームの献立
白神あきたこまちのみそつけたんぽ/牛乳・枝豆のかわりがんも/とんぶりあえ/白神舞茸のうどん汁/やまぶどうのゼリー」
「みそつけきりたんぽ」には秋田産あきたこまちを、みそだれのみそは藤里町産の大豆を使用。米のおいしさ、みそのコク、杉で焼きあげた香ばしさを楽しめる人気のメニューです。
「白神舞茸のうどん汁」に使用している舞茸は、肉厚で香り良く、うま味がたっぷりの藤里町の特産品。炊き込みごはんや煮物などにも使うことも。
「枝豆のかわりがんもどき」は北秋田市産の大豆を使った豆腐で作ったもの。県産の枝豆の風味とヤーコンを入れて、ふんわりとした豆腐の中に、シャキシャキ感を楽しめる一品。
給食甲子園の詳細や結果などについては、こちらをご覧ください。
次回は「リクエスト給食ベストテン」を取り上げます。
プロフィール
栄養教諭・給食の専門家がつくる同名の学校給食サイトを運営する3名のメンバー。全員が学校栄養職員として東京都の公立小・中学校に勤務した経験を持つ。給食作りについての情報や意見の交換、悩み相談やレシピ公開など、サイトの内容は多岐に渡り、学校給食関係者から高い支持を得ている。
「おkayu」