
和田秀樹(わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。教育評論家、精神科医。東京大学医学部卒。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。映画初監督作品『受験のシンデレラ』がモナコ国際映画祭最優秀作品賞受賞など、医療、教育、文化で幅広く活躍中。
※前回使用した先生のプロフィール写真を使用させていただきます。
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生活・しつけ
年長 2013年6月18日の記事
『幸せな女の子の育て方』(学研パブリッシング刊)の著者で、2人の女の子のお父さんでもある精神科医の和田秀樹先生に〈女の子の育て方〉のコツをうかがいました。
●早咲きだからこそ、より多くの成功体験や達成感を味わえる
よく「女の子は、男の子に比べて成長が早くてませている」と言われますが…。
和田 「たしかに、小学生くらいまでの男の子と女の子を比べると、総じて成長が早いのは女の子。いわゆる『早咲き』なんですね。
男の子より体の大きな女の子の割合も多く、体力面や運動面でも男の子を上まわる女の子はざらにいます。学習面やコミュニケーション能力、社会性の面でも、女の子のほうが理解力や適応力が高く、学校でリーダーシップを握る女の子も少なくありません。この傾向は小学校の間ずっと続きます。
この時期、女の子は男の子より成長が早い分、できることがどんどん増えていきます。そして、成功体験や達成感を味わう機会を通じて、『自分はできる』という自信をしっかりもつことができるのです。これは実は、人間の成長にとって、非常に重要なことなんです。
というのも、新しいことに意欲的にチャレンジし、自分を信じて困難なことも乗り越えようとする強さ、たくましさは、子ども時代に、『チャレンジしたらできた!』という経験を重ねるほど育つものからなのです。
反対に、この体験が乏しいと、成長してもなにごとにおいても消極的な人になりがちです。
成長ペースの早い女の子の子育ては、スタートダッシュがカギ。幼児期のうちから、どんどん能力を伸ばして自信をつけられるよう親がサポートしていくとよいでしょう」
● 女の子は興味の赴くまま、好きなことをさせていい
具体的には、どのようにサポートすればよいのでしょうか?
和田 「例えば、3、4歳くらいになると、女の子の多くは、家事やお化粧、口調など、なにかとお母さんの真似をしたり、何につけても『自分で!』とひとりでやろうとしたりしますよね。これは自発的に興味・関心をもつ意欲や自立心の高さの表れです。
女の子は非常に好奇心旺盛で、かつ背伸びしたがる傾向があるので、子どもの興味の赴くまま、本人がやりたいということをさせてあげるのがいいでしょう。
また、日常生活で、テレビのニュースを見ながら、お母さんが気になっていることを話題にして会話するだけでも、女の子の知的好奇心を満たせます。あるいは『お母さん、これはどうして?』と、子どもが聞いてきたことに対しても、ていねいに答えるようにしたり、わからないことは一緒に図書館に行って調べたり、新聞に関連する記事があることを教えたりというように、子どもの興味・関心の芽が伸びていくのを後押ししてあげてください」
●女の子には完璧を求めすぎる傾向が。まずはほめることを優先
女の子を育てるうえで、気をつけたほうがいいことはありますか?
和田 「お母さんは同性のわが子に対しては、どうしても評価のハードルが高くなるということですね。
これは『なにごともできて当たり前の自分=大人』を基準に子どもを見てしまうことや、女の子に対しては、心のどこかに『ほめすぎて天狗にしてはいけない』という独特の心理があるからではないでしょうか。
できることをほめる前に、できない部分を指摘する『減点評価』の傾向があるのも気になります。
子どもにしてみれば、せっかくがんばってよい点をとっても、『テストがよくても、そんなにお行儀が悪くちゃダメよ』などと怒られては、やる気も失せてしまいますよね。女の子のお母さんは意識して、子どもががんばったプロセスや成果に対しては、惜しみなくほめることを優先してください」
和田先生、ありがとうございました。
次回は勉強好きな女の子にするコツについてうかがいます。
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