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学校・まなび
2013年6月17日の記事
親野智可等 連載コラム「ママも小学2年生」6回
第6回 漢字の学習は大きな負担。漢字を好きにするには?
●子どもにとって漢字の学習は大きな負担
1年生で習う漢字は80字で、2年生はその倍の160字です。
3年生と4年生が200字で一番多く、その後少し減って5年生で185字、6年生で181字です。
また、学年が上がるに連れて、習う漢字の画数が増えたり読み方が複雑になったりもします。
これはよく考えてみれば大変なことです。
大人で毎年新しい漢字をこれだけ覚える人はまずいません。
私など、去年1年間で新しく書けるようになった漢字は……、1つもありません。
実は、子どもたちにとって漢字の学習はかなりの負担です。
親も先生も「漢字をちゃんと覚えなさい」と気軽に言いますが、そんなに簡単にはいかないのです。
●漢字について叱ると「漢字ってつまらない」と思い込む
親も先生も、書き取りノートの字が雑だからといって叱ります。
子どもたちが漢字を覚えないといって叱り、文章を書くとき習った漢字を使わないといって叱ります。
でも、こういったことはすべて逆効果です。
漢字について叱られることが多いと、子どもは「漢字ってつまらない」と思い込むようになります。
本当は叱られるのがイヤなのですが、漢字について叱られることで「漢字ってイヤ。苦手。嫌い」という思い込みができてしまうのです。
このような漢字に対する苦手意識ができてしまうと、ますます苦手になってしまいます。
この反対に、「漢字って楽しい。漢字が好き」と思えるようにしてあげることが何よりも大切なことです。
そう思えば、漢字に対して前向きに臨むようになり、漢字の力もつきます。
そのためには、漢字について叱ることをやめ、ほめることを増やすことが大切です。
●部分に注目すれば、ほめられる字が見つかる
ですから、子どもの書き取りノートを見たら、まずは取りあえずほめてください。
とてもほめられないという人もいるかも知れませんが、それは漠然と全体を見ているからほめられないのです。
ほめるコツは、部分に注目することです。
部分に注目すると、中には偶然上手に書けた字や、あるいは相対的によく書けている字が必ずいくつか見つかります。
そういう字をできるだけたくさん見つけ出し、花丸をつけてほめてあげましょう。
ひらがなで上手なのがあれば、それもほめてあげてください。
これを毎日続けていると、ノートの字はだんだんしっかりしてきます。
「しっかり書きなさい」などと言わなくても、そうなります。
どうしても直させたい字がある場合は、たくさんほめて花丸をつけてから、最後に「じゃあ、これとこれだけ直そう」と言えば、喜んで直してくれます。
(次回に続く)
次回は7/1(月)予定です。