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生活・しつけ
小学1年生 2013年8月19日の記事
親野智可等 連載コラム 「ママも小学2年生」 第10回
第10回 手軽にできて、しかも子どもを伸ばせる自由研究はこれだ
●市販のキットがオススメ
前回、私のイチオシの自由研究について書きました。
本当はぜひそちらをやってほしいのですが、今回は
「そうはいっても時間がない。もっと手軽にやりたい」
というときにできる自由研究を紹介します。
それは、市販のキットを使う方法です。
書店に行けば、実験、観察、工作などのキットがたくさん出ていますので、子どもが興味を持つものにチャレンジしてみましょう。
キットのいいところは、必要なものがそろっていて準備が簡単という点です。
つまり、すぐ取りかかれるのです。
それに、終了までにそれほど時間がかからないものばかりです。
しかも、今はいろいろな分野の多種多様なキットが出ていますので、子どもたちの知的好奇心を刺激する上でも効果的です。
●キットによる本物体験はあなどれない
キットに取り組んだことをきっかけに、その分野に興味を持つようになることもよくあります。
私もいくつかやったことがありますが、大人がやっても新鮮な発見があり、かなりいい勉強になります。
大人にも子どもにも言えることですが、理科的な内容は、教科書、参考書、図鑑などに書いてある説明を読んで、それでわかった気になっていることが多いのです。
でも、キットを使うと、実際に自分の身体を使って本物体験をしながら、五感のセンサーを働かせながら理解できるのです。
これによって、ただ読んだだけのときに比べて、より深く理解することができます。
●キットの実験のまとめ方
さて、キットを使って、実験、観察、工作などをしたら、それで終わりにしないで、何らかの形でまとめるといいですね。
キットの中には、まとめ方の用紙とマニュアルがついているものもあります。
ついていないときは、自分でノートや画用紙などにまとめていけばいいでしょう。
実験の場合は、だいたい次のようなことを書いていけば大丈夫です。
・実験のタイトル
・その実験をやろうと思ったきっかけ
・実験の目的
・実験のやり方
・自分の予想
・実験の結果
・わかったこと、感想、まとめ
●キットの工作のまとめ方
工作の場合は、特に画用紙にまとめるといいでしょう。
教室に展示してもらうとき、一緒に掲示してもらえれば、努力の跡が目に見えます。
制作途中の写真をたくさん撮っておいて、画用紙に順番に貼るようにしましょう。
そして、そこにコメントを付けていきます。
「○○を□□するのがたいへんだった」
「思ったよりうまくついてよかった」
などのコメントです。
完成した作品を持ってにっこり写っている写真もいいですね。
やっている最中に写真を撮っておいて、まとめのノートに貼るようにしましょう。
写真があるとまとめやすくなりますし、読む方にもよくわかります。
またこの場合、キットを完成させるだけでなく、何か一つオリジナルな工夫を付け加えるといいですね。
それによって手作り感が高まりますから。
キットになかったものをくっつけるとか、色を塗ってみるなどです。
●放任でなく、過不足のないサポートを
さて、最後に注意点です。
キットの場合、マニュアルをよく見てその通りにやれば一定の成果が上げられますが、そうはいっても子どものことですから、うまくマニュアルを読みこなせないことも多々あります。
いくらキットでも、子どもにすべて自分でやらせようとすると失敗する可能性が高まります。
また、安全に関する注意点を見落とすことも考えられます。
親の適切なサポートによって、安全に取り組めて、しかも「できた。やれた」と感じられるようにしてあげましょう。
そうすれば、成功体験の1つになって、自分に自信を持てるようになります。
もちろん、親がやり過ぎてもいけません。
それだと、子どもは「自分でやった」と感じることができませんので、満足もできません。
大切なのは過不足のないサポートです。
親子一緒に、1つの触れ合いのきっかけとして、楽しみながらやるようにしてください。
くれぐれも、こういったせっかくの機会を叱る材料にしないようにしてください。
そして、子どもが「やっぱりダメだ。オレってダメだ」と感じて、自信喪失のきっかけになってしまうことがないようにしてください。
親子で一緒に楽しく取り組む自由研究が、夏休みの楽しい思い出の一コマになるといいですね。
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