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生活・しつけ
年長 2013年4月1日の記事
年長児に身につけさせたい“人とかかわる力”
《就学前に身につけたいこと3》友達や先生、見知らぬ大人にも心を開いてかかわれる力を養いましょう。
前回は、年長のこの時期に、“自己肯定感” を身につけましょうというお話を千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生にうかがいました。
続いて、年長児期に身につけたい力として、横山先生は “人とかかわる力” を挙げられています。そのことについてお聞きしていきます。
●心を開いて、周りの人とかかわる力が大切
年長児でいう “人とかかわる力” とは具体的にはどのようなものになりますか?
横山 「『人っていいものだ』、『温かい心を持っているものだ』と人を素朴に信じられるかどうかは、その子のそれまでの経験によります。
まだよく知らない人に対しても『きっとお母さんみたいな優しい人だ』、『○○ちゃんみたいに、仲よくなれる人だ』と、心を開いてかかわっていける力を幼児期に身につけることは、その後の人生において大切なことです。
例えば、何か困ったことがあったとき、近くにいる大人に言えたり、泣いて知らせることができたり、人に頼って助けてもらうことができるかどうかが、生きる力につながります。
園やこれから入学する小学校の先生だけではなく、見知らぬ大人に対して、それができるかは、人を素朴に信じられるかどうかによります。
『いじわるをする人かも』、『こわい人かも』と疑ってかかると、人とはかかわれなくなってしまうからです。
最近、悲しい事件も多く、警戒しなければならない場面ももちろんあります。それでも、幼児期は、心を開いて人と接することができる土台を築きたいものです」
●親はやるべきことは…
子どもに、人とかかわる力を身につけさせるには、親はどんなことをしたらいいでしょうか?
横山 「例えば、『きちんとあいさつしなさい』と教えて、あいさつができたとしても、ただ言うだけでは意味がありません。
目を合わせて、心の通い合いを感じることが大切です。『おはようございます』のあいさつには、『今日も元気で会えてよかったね』という意味が込められています。
相手の表情からも思いは伝わってくるでしょう。そんな思いであいさつを交わすと、気持ちがいいよね、と話してあげましょう。
金子みすゞの『こだまでしょうか』という詩にもありますが、こちらが好意を持って接すれば、相手も好意を返してくれるものです。
反対に『キライ』と思っていると、相手も『キライ』です。
自分の心が相手に伝わるということも、年長児であれば理解ができますので、何かの折に話してあげてください」
●引っ込み思案の子には、親の後押しが大切
うちの子は、引っ込み思案で…という場合は、どうしたらいいでしょうか?
横山 「人見知りをする・しないは、環境と生まれ持っての性質と両方が関係します。
『うちの子は、引っ込み思案だから』と何もしなければ、そのまま人とかかわるのが苦手なままです。
ですから、引っ込み思案な子ほど、人とかかわれるように、お父さん・お母さんは励まし、できたときにはほめて自信をもたせてあげてください。
園で、友達に会ったときに、『おはよう、って言ってみようか』公園で遊んでいる子に、『入れて、って言ってみようか』と、無理なく背中を押してあげましょう」
●トラブル(ケンカ)が人とかかわる力を育てる
年中~年長児になると、ケンカも増えてくるかと思います。友達とケンカをしてきたとき、親は子どもにどのように接したらよいでしょうか?
横山 「多くの親御さんは、園などのお友達とのトラブルは、ないほうがいいと思っているようです。
けれども、子どもはケンカから学ぶことがたくさんあります。
園から、あるいはお子さんからケンカの報告を受けたら、『ケンカしちゃだめでしょ!』と叱らないで、『ケンカできてよかったじゃない!』と受けとめ、まずは、じっくり話を聞いてあげてください。
『ケンカしてどんな気持ちだった?』
『○○くんは、どんな思いだったのかな?』
『どうすれば、よかったんだと思う?』
お子さんに聞いて、話をさせることで、子ども自身が気づき、多くのことをケンカから学びます。
お父さん・お母さんには、ケンカを恐れずに前向きに受けとめてほしいと思います」
横山先生、ありがとうございました。
次は、小学校で勉強をする際にも関係してくる「年長児に身につけたい “意欲的に学ぶ力” 」について横山先生にお聞きします。
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