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生活・しつけ
小学1年生 2014年2月6日の記事
子どもにケータイ・スマホを持たせる前に伝えること
小学生同士でケータイ・スマホのコミュニケーショントラブルも!? 相手を思いやる心を育むことが情報モラルの原点です。
こんにちは。『ママノート』編集部です。
皆さんは、お子さんにケータイ・スマホを持たせたいと思いますか?
「塾通いをするから、防犯のために持たせたい」
「子どもにねだられて、迷っている」
「LINEをしたがる」
「小学生なのだから、まだ必要ない」
いろいろな考え方があるのではないでしょうか。
内閣府の『平成24年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)』では、小学生の携帯電話の所有率は27.5%で、スマートフォンの所有率は全体の1割弱(7.6%)となっています。
持たせるか、持たせないかはそれぞれの家庭の判断によりますが、子どもが情報化社会で生きていくために、ケータイ・スマホとの上手なつき合い方を伝えていきたいですね。
一般社団法人 情報教育研究所 代表理事の永坂武城(ながさかたけき)さんは、小中高校の子どもたちと保護者や教員向けに、ケータイやスマホを持つ前と持った後の “情報モラル” の講演や授業を行っています。
永坂さんは「子どもたちに情報モラルを教える際には、知識だけではなく “基本の心” を育む必要がある」とおっしゃいます。
今回は、小学校低学年の子どもたち向けの授業で、どのようなことを伝えられているのかを教えていただきました。
●すぐ返事が来る “即レス” は当たり前ではない
永坂 「まずは、小学生の子ども間であったケータイのコミュニケーショントラブルの一例をご紹介します。
■Aさんが友だちのBさんにメールを送った。すぐに返信がなく、どうしてなのか不安を感じた。Aさんは『無視されている』、『嫌われている』と思い込み、翌朝からBさんを無視するにようになってしまった。
これは、『相手には相手の都合がある。だからすぐ返事が来るとは限らない』と考える力がなかったために起こるトラブルだと考えられます。また、このトラブルがきっかけになり、いじめに発展するケースもあります」
●情報モラルの土台は、相手を思いやる心
永坂 「小学校低学年の子どもたちには、『ともだちは、なにをしているのだろう?』というテーマの情報モラル授業を行っています。
まず、授業前に絵本『ともだち』(作・絵 谷川俊太郎)の読み聞かせをし、子どもたちが友だちのイメージを思い浮かべられるようにします。
そして授業では、子どもたちに『昨日の夜7時頃、何をしていましたか?』と質問します。
『晩ごはんを食べていた子?』、『習い事に行っていた子?』、『お風呂に入っていた子?』、『テレビを観ていた子?』…それぞれ自分に当てはまったときに立ってもらいます。
これは、 仲のいい友だちも家では自分と違うことをしていたと認識させるためです。
そして、『給食の時間は、みんな同じ時間に食べるのに、家ではごはんを食べる時間が違うんだね』と伝えます。
さらに、『明日の学校の準備のことで、友だちに電話をすることにしました。でも、電話したとき、友だちがお風呂に入っていたら電話に出られるかな? アニメを見ていて、もうちょっとで犯人がわかるシーンだったらどう思うかな?』と問いかけます。
このように、子ども自身が主人公になるストーリーで伝えていけば、そのときの状況や背景がイメージでき、『相手には相手の都合がある』ということが理解できるのです」
●親子間でケータイ・スマホの練習をしても
永坂 「今後、お子さんにケータイやスマホを持たせたいと考えているのであれば、お父さんやお母さんのケータイを使い、家族間で練習をしてみてはどうでしょうか。
メールでの文字会話は相手の表情が見えないため、文の表現によっては誤解を与えやすくなることもわかります。
また、お父さんにメールを送ると、場合によってはすぐ返事が来ず、『今は仕事中だから、すぐ返事できないのかな』と考える力もつきます。
そして、ケータイ・スマホの家庭ルールを決めるときは、子どもに押し付けるのではなく、親子でよく話し合いをし、納得した上で決めてください。
そして、日頃からケータイ・スマホのニュースや情報にアンテナを立て、関心を持ってくださいね」
永坂さん、ありがとうございました。
『家庭ルールの作り方』に、具体的な例が提案されています。ぜひチェックしてみてください!
http://www.jkk-org.or.jp/moral/rule/
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プロフィール
一般社団法人 情報教育研究所代表理事。
「絵本から伝える情報モラル」の授業を発案。文部科学省から情報モラル実践指導案として全国の小中高校へ紹介される。
情報化社会を生きる子どもたちへの情報モラルの啓発活動を積極的に行っている。
また、情報モラルの土台となる『心』を育むため、全国の小学校に絵本を寄付している。
文部科学省委嘱事業第1回 熊本ワークショップ講師
経済産業省主催 第4回 全国情報セキュリティ 啓発シンポジウム登壇
執筆:独立行政法人国民生活センター発行『国民生活』、大阪市教育委員会『親力アップサイト』他
監修:『気をつけよう!情報モラル』(汐文社)
『一般社団法人 情報教育研究所』
http://www.jkk-org.or.jp/