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生活・しつけ
年長 2015年5月29日の記事
フードつきの服は危なくないの?[5/29]
《安全な通学服の選び方 その3》 ヒモもフードも危険性は同じ。通学着には避けて
前回までは、今年(2015年)12月から発効される子ども服のJIS規格(安全規準)の内容について日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会東日本支部「標準化を考える会」代表の田近秀子さんに詳しくうかがいました。
引き続き、今回はJIS規格(安全規準)以外に注意したい子ども服について取り上げます。
●JIS規格対象外でもフードの服は危険が高い
前回は、子ども服のJIS規格(安全規準)についてうかがいましたが、危険事例の報告が多かったフードについてはどうでしょう?
田近 「たしかに、今回定められたJIS規格の対象には入っていませんが、第1回目の事故事例でも多く紹介したように、引っかかって窒息や転倒しやすいという点では、フードつきの服も同じです。ですから少なくとも、学校や屋外で遊ぶときなどに着る服には、できるだけフードのない服を選んでほしいですね。
ただ、見た目のかわいさもあって、フードつきの服は人気があるだけでなく、フードのついていない服を探すのが大変だという声も多く聞かれます。たしかに雪の多い地域などでは、雪が横なぐりに降るような時に、外に出る時は必要だという声もあります。ただ、フードを使う必要のない場合や地域であれば、できるだけスナップボタン留めなど、フードが取り外しできるデザインを選んで、ふだんは取り外して着用するとよいのではないかと思います」
●それぞれがチェックする目を持って通学着を選ぼう
そのほかに通学用の子ども服を選ぶとき、注意したほうがよいという点はありますか?
田近 「今回、JIS規格が適用されるのは、首や股下、背中部分等のヒモについてですが、よくチェックしてみると、それ以外にもヒモがついている服が多く見られます。
JIS規格を守っているものを選ぶのはもちろんですが、それ以外で危ないと感じたり不要なヒモや飾りなどがあるものは抜いたり、取り去るようにするといいと思います。
そのほかにも以下のような服は、通学着や外遊び着には避けたほうがいいと思います。
・サイズがあっていない服(体の自由がききにくい、裾を踏んで転倒しやすい)。
・ 大きい袖口ポケットやフリルなどがついたデザインや編み目の粗い素材(引っ掛けやすい)
・ ボタン、スパンコール、ストーンなどの飾り(転んだときなど、肌に触れるとけがのもとになりやすい)。
大きなポケットや留め具など(引っ掛けやすい)。
小学生とはいえ、まだまだ子どもはどんな動きをするか分かりませんから、規格を守って作られた服を着せていても100%と安全だとは言い切れません。また、子ども服も本当にたくさんのデザインのものが出回っており、1つの規準で安全性を判断することは不可能です。まずはJIS規格をきっかけとして、保護者の皆さん一人ひとりが意識して安全な子ども服を選ぶ目をもつことが大切だと思います」
これからは、シンプルでも可愛い服、かっこいい通学着を探すようにしたいですね。
田近さん、ありがとうございました。
プロフィール
日 本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)東日本支部の研究会として2008年に設立。日常生活を安全・安心・便利にしている「規 格」について、その目的や意義を理解し、標準化について研究・啓発・提言を行なう主旨で発足した。今回の子ども服JIS規格も提案から策定まで深く関わっ ている。