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学校・まなび
小学1年生 2015年5月25日の記事
子どもの前で学校の先生への文句を言ってはダメ?[5/25]
《学校との付き合い方・前編》親が学校の先生への文句ばかり言っていると、子どもは大人に反発するようになってしまいます。
子どもが小学校生活に慣れてくると、担任の先生や学校の教育方針などに対して疑問を持つことがあるかもしれません。
改善して欲しいことがある場合、どのように担任の先生とコミュニケーションをとればいいのでしょうか。心理カウンセラーで3人の娘さんの母でもある山口淳子さんに、お話を伺いました。
●親が先生を敵対視すると、子どもは不信感を持つ
山口 「私は、小学校などで親御さん向けの講演するとき、よくお伝えしていることがあります。それは、『子どものためには、家庭と学校の協力体制がとても大切』だということです。
親御さんが学校や先生を敵対視してしまうと、この協力体制が崩れ、子どもに悪影響を及ぼしてしまうのです。
例えば、家庭で先生の文句や悪口をいつも言っていると、お子さんは親御さんと先生の間にはさまれ、心がグーッと萎縮(いしゅく)します。そんな環境で育って、子どもは人を信じられるようになるでしょうか。
やがて、親や学校に対して不信感を抱き、反発するようになってしまいかねません」
●子どもの言葉だけを信じ、先生の事情を聞かないと…
山口 「ある家庭では、お母さんが学校の批判ばかりしていて、お子さんがやがて不登校になってしまいました。そのお母さんは、『○○先生って、ひどいんだよ』などというお子さんの言葉をすべて信じ、いつも学校に文句を言っていました。
もちろん、子どもの言葉を信じるのは、とても大切です。しかし、学校側ときちんと話し合って事実を確認したところ、お子さんがウソをついている部分もあり、担任の先生は愛情を持って子どもに接してくれていたことがわかったのだそうです」
●子どもが辛い思いをしていないかを感じ取って
山口 「前述したケースのように、お子さんから学校であったことを聞いて、先生に不信感を持つことがあるかもしれません。そんなときは、感情的になって『悪い先生ね! お母さんがなぜそんなことを言ったのか聞いてあげる』などと急がないでください。
まずは、『そんなことがあったのね。お母さんが先生になぜそんなことを言ったのか、聞いてみる?』と、子どもに質問します。
『聞かなくていいよ』と子どもが言えば、『また何かあったら言ってね』と伝えます。“お母さんがあなたを守るよ”という姿勢でいれば、子どもは安心するのです。
『先生に聞いて欲しい』と子どもが言う、または、子どもから言われなくても何か辛い思いをしているようであれば、担任の先生に相談をしてください。
特に、子どもはいじめを受けていると、“親に迷惑をかけられない”と思い、ガマンして事実を隠すことがあります。親がそれを感じ取って、学校と協力して救ってあげなければなりません。
そのときに、他の母さんに意見を求めるのはなるべく避けてください。伝えるときの言葉のニュアンスによって誤解を招いてしまうこともあり、かえって状況が悪化し、子どもの立場を追いつめてしまう可能性もあります。
子どものためにも、冷静な状態でまずは学校と相談し、解決方法を考えていきましょう」
次回は、学校の先生に相談したいことがあるときの連絡の取り方、相談の仕方についてお伝えします。
プロフィール
心理カウンセラー。マナーコンサルタント。J’s Room代表。
恋愛・婚活・結婚・子育てなど、自らの体験をもとに心に沿ったカウンセリングを行う。元国際線CAの経験を活かし、企業のビジネスマナー講師、就活セミナー講師としても活躍中。
APECなど国際会議における海外要人の接遇を担当、各国大使館の仕事も多数こなす。
プライベートでは、高3、中2、中1の3人の娘の母でもある。
HP:『J’s Room』