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生活・しつけ
小学1年生 2015年5月25日の記事
★親野智可等の「今日から叱らないママ」第6回 [5/25]
新聞を玄関ポストからリビングに運ぶには?
●マイペースでぼうっとしている子(第5回からの続きです)
お父さんは、なっちゃんにもう一つのお手伝いをやらせていました。それは、学校から帰ってきたら、新聞の夕刊を玄関ポストからリビングにもってくるという仕事です。
ところが、なっちゃんはこれも忘れがちで、お父さんに叱られるのです。
実は、なっちゃんは、マイペースで何事もてきぱきできないことが多いそうです。
お母さんが言うには、勉強はまあまあ普通だそうですが、夢見がちというかぼうっとしていることが多いとのことです。
なっちゃんの妹は何でもてきぱきできるしっかり者なので、よけいに目立つそうです。
お父さんは、そんななっちゃんをなんとか今のうちに矯正しようという考えのようで、日々叱り続けているのです。
●カード式で見える化
お母さんはこの新聞取りについてもいい方法はないかと考えました。それで、私の本を読んでいてカード式という方法を見つけ応用することにしました。
まず、お母さんは、なっちゃんが次の4つことをしている姿を写真に撮りました。
・うがいをしているところ
・手洗いをしているところ
・新聞をポストから出すところ
・ランドセルの中身を大きな箱に出しているところ
そして、4つの写真を葉書サイズにプリントアウトして、玄関の壁に貼りました。そして、「帰ってきたらこの4つを順番でやるんだよ。やったら写真を裏返すんだよ」と伝えました。
写真の裏にはお母さんのキャラクターが描かれていて、その吹き出しにはそれぞれ次のようなメッセージが書かれています。
「うがいができたね。これでカゼを引かないよ」
「手洗いすると気持ちがいいね」
「いつも新聞を運んでくれてありがとう」
「ランドセルの中身が出ていると宿題も始めやすいね」
●やることの「見える化・視覚化」は効果がある
この工夫の結果、なっちゃんは4つとも忘れずにできるようになったそうです。このカード式のいいところは、やることが「見える化・視覚化」されて明確になることです。
なっちゃんのように、何度同じことを言われてもできない子はけっこういますが、やることを見える化して明確にしてあげるだけで、やれるようになるケースはけっこうよくあることなのです。
ということで、このお母さんのように、合理的な工夫で解決するという姿勢を大切にして欲しいと思います。
もちろん、すぐにうまくいくとは限りません。
そういうときは、別の手を考えてみてください。
●わが子からノーを突きつけられてから気づく人が多い
ところで、このお父さんは、お母さんが子育てについて話したり頼んだりしても耳を貸してくれないそうです。
子育ての本やちょっとしたネットの文章を読ませようと思っても読まないそうです。子育て講演に行こうと誘っても拒否するそうです。
ただひたすら自分の考えのみに凝り固まって、叱り続けているのです。お母さんがなっちゃんの味方になって、助けてくれるのがせめてもの救いです。
お父さんも自分の勘違いに早く気づいてくれるといいのですが。気づいたときは既に遅かったという人がたくさんいます。
わが子から完全にノーを突きつけられ、それでようやく気づく人が多いです。