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生活・しつけ
年長 2013年12月15日の記事
体の変化の背景に注意の『集注要求』がある
《親子整体のすすめ 2 》 体に現れる変化は、子どもが発するメッセージ。きちんと気にかけてあげましょう。
子どもの体を育てることをテーマに『子どものこころにふれる 整体的子育て』の著者山上亮さんにお話をうかがいます。
●子どもを見て、子どもの体にキチッと気をかけてあげましょう
体というものは、普段あまり意識をしたことがありませんでしたが、頭や心と同じく大切なものですよね?
山上 「現代では、なぜか価値を置かれていませんが、体の感覚や本能といったものは生物としてとても大切なことだと思います。
特に出産や子育ては、頭で考えてできるものではありません。
親が、子どもを見ていて『何となく変だな?』という感覚は、理屈では説明できなくても的を射ている場合が多いですし、そういった感覚は大事にしてほしいです。
例えば、病気やケガが子どもに起こります。
それは、体の変動でどうしようもないものでありますが、子どもが熱を出す、ケガをする、その背景に何かあるのかもしれないという感覚を持っておくと、子どもからのメッセージがずいぶんと受けとめられるはずです。
子どもは、大人が気をかけてあげないと生きていけません。
そして、親の気が欠けているときに注意を『集注』してもらいたい要求が起こり、熱を出したりケガをしたりする場合があります。
病気やケガだけでなくイタズラも、なぜそういうことが起こるのか、いつ起こるのか、その背景を考えてみる習慣を持っていると、子育て中はずいぶん役に立つと思います。
心と体は密接につながっています。
特に子どもはそこに境がなく、いっしょです。
子どもがうったえる不調は、仮病やわざとではありません。
本能的にどうしようもなく起こる体の変化を子どもからのメッセージとしてキチンと受けとめてあげましょう。
熱やケガに、キチンと『気をかけて』あげれば、また子どもの体は元気になります。
体に触れて、よくなでて、ハグしてあげて『集注』してあげることで、子どもは満たされて落ちつきますよ」
●病気を完全に治すコツは、看病の最後の仕上げにあります
「気をかけてあげる」ということ以外で、看病のコツがあれば教えてください。
山上 「『下手な看病は病気を育てる』という言葉があるくらい、ケガや病気の看病は大切です。
普段忙しくしているママがそばにいてくれて、優しくしてくれて…。
看病をしてもらうのは、子どもにとって気持ちがいいものです。
ですから、病気に未練を残す “未練症状” にならないためにも、看病は最後が大事です。
たとえば、風邪で熱を出した場合。
熱が下がると、平熱よりも少し低くなる時期があります。
熱が下がったからもう治ったと思いがちですが、実はこの時期は外からの影響を受けやすいので本当は安静にしてほしいのです。
そこで、熱が下がっても、もう少し子どもには外に出るのを我慢させます。
すると、体も完全に元気になって『外に行きたい』欲求が高まります。
こうなると、外に行きたい欲求が勝り、もう風邪には未練はありません。
こういう、『良い形で風邪を終わらせる』ことを意識して、子どもをうまく手放してあげてください。
これはふだんの『抱っこ』のときでも同じことが言えます。
『抱っこ』と言ってきたときにすばやく抱っこしてあげる。
そして『もういい』と言って降りようとしたときに、『もうちょっとだけ』と言ってしばらく抱っこし続けて降ろしたときには、未練も無くひとりで遊び始めます」
山上さん、ありがとうございます。
確かに、仕事で休めないと思っているときに子どもが熱を出すことってよくありますよね。そういうときは、親の気が欠けていることを無意識に子どもは分かっているのかもしれません。
しっかりと向き合って、子どもの体に「気をかけて」あげたいと思います。