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生活・しつけ
年長 2013年12月18日の記事
「うちの子、不器用で…」と嘆く前に
学校や園で手先を使う活動は多いですよね。そのたびに心配事が増えるお母さんのために。
幼稚園で、教室の壁に貼られた子ども達の絵を見て、ついついわが子と他の子とを較べてしまい、小さくため息をついてしまうママの皆さん。
今回は佐藤正寿先生の体験からのアドバイスをいただきました。
佐藤 「『どうも自分は小さい頃から不器用で…』とおっしゃる読者の方は少なくないでしょう。
私自身もどちらかと言えば不器用な方でした。
手先を使うような活動があまり得意ではなく、絵を描くことや工作、家庭科の裁縫なども苦手です。
『うちの息子(娘)は手先を使うことが苦手』という場合、実はそれは『手先の技術』だけの問題ではありません。
その背後にあるものにしっかりと注目しましょう。
たとえば、絵を描くのをいやがっていたら、『苦手なのね』で終わらせず、『どうして苦手だと思うようになったのかしら』と考えてみましょう。
『そう言えば、私が “その絵、腕が体の横から出ているのはおかしいわよ” なんて言って、きちんとした形に描かせようとしたことがあったわ』など、何かしらの原因が出てくると思います。
鏡文字での左右の位置把握も同様です。
文字を直させることばかり躍起になっても、前提となる能力が身についていなければ、効果は薄いのです。
どんな活動にせよ、親の温かい励ましと様々な経験が、一番大切なことです。
できないことがあっても、『前より上手になっているね』の一言で子どもは励まされます。
『一緒にやってみようか』という声がけで、子どもの活動意欲が促進されるのは間違いありません。
はじめに書いたように、私自身、絵や裁縫は苦手ですが、小学校教師としては、それが逆によかったと思っています。
苦手だからこそ、教師として教えるために、必死になって教え方を学びました。
絵の指導法では実際に自分で描いて学びましたし、家庭科の研修会で男性教師は自分だけということもありました。
そのおかげで子どもたちに教えるあらゆる方法について、それなりの力がつきました。
そして何より、図工や家庭が苦手な子の気持ちがよくわかります。
描いている絵を隠してしまいたくなるような気持ち。
その子どもたちに『先生も苦手だったんだよ』と話すと安心してくれます。
自分自身に苦手意識があり、それを克服したことで、『不器用な点も努力をすれば何とかなる』と身をもって実感できました。それは子どもたちの場合も同様だと思うのです」
どんなことにも親の温かい励ましが大切なんですね。
佐藤先生、ありがとうございました。