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生活・しつけ
年長 2014年2月13日の記事
鼻水はすすらないで、上手にかもう
《子どもの中耳炎 2 》 中耳炎の予防のために、子どもに「鼻のかみ方」をマスターさせよう!
前回、中耳炎にならないためには「鼻水をためておかない」「鼻水が出たらかむ」というお話がありました。
ただ実際のところ、ママが子どもに鼻をかむようにいっても、なかなか実行できない子も少なくありません。
鼻をズルズルしながら、いつまでも遊んでいたりするものです。
「子どもに鼻をかませるにはどうすれば?」
「子どもがうまく鼻をかめないときは?」
そんなギモンを、小児科医・宮野孝一先生におうかがいしました。
●最近は、鼻がかめない子が増えている
「鼻をかむ」のは大人にとっては何でもないことですが、子どもはうまく鼻がかめなかったりして、鼻水が出ていてもすするだけで、そのままにしてしまう場合も多いようです。
宮野 「確かに、小さな子どもはそうですね。昔は鼻水を垂らした子どもも大勢いましたし、服の袖口で鼻水をふいて袖がテカテカという子もいたものです。
しかし、中耳炎の予防という意味では『鼻水をこまめにかむ』ことはとても重要です。
特にいつまでも鼻水をすすっているのが、いちばんよくありません。細菌を含む鼻水をズッと吸いこめば、細菌がいっそう奥に入ってしまうからです。
また近年、気になるのは、年長や小学生になっても自分で鼻がかめない子が増えていることです。
子どもの鼻水を吸引するためだけに、小児科や耳鼻科を受診する保護者もいます。
本来、年長や小学生であれば、能力的には十分鼻がかめる年齢です。
家庭でも子どもに『鼻のかみ方』を教えて、こまめに鼻をかむ習慣をつけてほしいと思います」
●面倒がる子には、「鼻をかむ理由」を教えても
子どもに鼻のかみ方を教えるのに、コツはありますか?
宮野 「上手に鼻をかむコツは、片方の鼻の穴を手で押さえ、もう片方の鼻の穴からフンと息を吐くことです。
口が開いていると口から息がもれることがあるので、口も閉じて片方の鼻の穴からフンとすると、うまくいきます。
鼻をかむときにあまり力を入れてしまうと、鼓膜を傷めることがあるので注意してください。
鼻水が多いときは、一度に出そうと力を入れすぎず、何回かに分けてかむようにすると安心です」
子どもが自分でかんでも鼻水が全て出切らないとき、あるいは、面倒がって鼻をかみたがらないときは、どうしたらいいでしょう?
宮野 「鼻水をすべて出せなくても、『鼻水はすすらずにかむ』という習慣がつけば、それでいいと思います。
鼻が詰まっていて鼻がかめないようなときは、出てきた鼻水をふき取るだけでもOKです。
一般に、鼻水以外に特別な症状がなければ『たかが鼻水』と思いがちです。
しかし、細菌を含む鼻水をためていて、細菌が耳に行けば中耳炎になりますし、喉のほうに落ちれば、気管支炎や肺炎を引き起こすこともあります。
面倒がってなかなか鼻をかみたがらない子には、『鼻水にはバイ菌がいっぱいで、いろいろな病気の元になる』と、鼻をかむ理由を伝えるようにするのも、習慣づけの動機になると思います」
家庭でも、子どもに鼻のかみ方や鼻をかむ理由を教えていくことが大事ですね。
次回は、中耳炎の治療法についてうかがいます。