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生活・しつけ
小学1年生 2013年7月7日の記事
★初めての通知表。これをどう活かしますか?
《夏休み前のアドバイス5 》夏休みは先生の代わりに、お母さんが子どもの教育のコーディネーターです。
夏休み前に入る最後の日、
子どもたちは通知表を持って帰ってきます。
1学期、うちの子が学校ではどうだったのか
その評価が書かれているわけです。
よいことばかり書いてあればいいけれど、
「がんばりましょう」もあるかもしれません。
通知表をどう捉えたらいいのか、
田中博史先生にお聞きしました。
田中 「通知表は
『1学期はこうでした、2学期もがんばってくださいね』
という意味でお渡ししています。
けれども、貰った方はその結果だけを見て
どうしても一喜一憂してしまいますね。
まだ1年生だったら、
勉強の評価はほとんどありません。
結果が“よい”“悪い”ということはまだないと思います。
実は、私の学校は、小学校3年生まで通知表がありません。
まだ低学年のうちは、AとかBとかCとか
言えないからです。
お母さんたちには、夏休みに入る前に
『ここが苦手なようです』というお話はしますが、
具体的に数字などで評価されていない分
ショックを受けずに受けとめてもらえます。
1年生のうちで大事なのは、
友だちとどうやって時間を過ごせたかです。
勉強はその次でよいと思います。
けれども、勉強の評価をどうしても
お母さんは気にしますよね。
もし、『本読みが苦手』という評価だった場合
子どもの思いと、通知表の評価が一致すれば、
『本読み』を家での課題として夏休みに挑戦すればよいでしょう。
運動会が1学期にあって、かけっこで悔しい思いをした。
子どもに『足が速くなりたい』という思いがあるのなら、
この夏休みは『かけっこ』を課題にして取り組んでもよい。
気を付けてほしいのは、
『苦手』が通知表から分かったからといって、
苦手なことばかりやらせることがあってはいけないということです。
苦手なことばかりやらされるのは
子どもにとっていちばん嫌なことです。
確かに夏休みは、1対1で子どもが苦手だと思うことに
取り組める時間です。
そのコーディネーターはお母さんです。
そこで、苦手なことに取り組む割合を考えるようにしましょう。
私は、得意なこと8割、苦手なこと2割でよいと思います。
得意なこと8割だと、勉強していくのが楽しくなります。
『できた』『できた』の連続です。
せめて、厳しく考えても得意6割、苦手4割くらいにしておきましょう。
『できた』『こんなに早く終わった』という感覚が
子どもたちは大好きなんです。
通知表は、子どもの心のモチベーションを考える
材料にしましょう。
もし、苦手なことをさせるときには、
3日坊主の最初の3日間は子どもに判断をゆだねて、
子どもが満足したあとで切り出します。
心の準備ができていないうちに、
苦手なものを出すと、重たくて動けません。
3日間、子どもの得意なことをさせた後で、
『お母さん、見直した。じゃあ、これとこれにも
挑戦してみない?』と切り出しましょう。
そして、夏休みが終わったときに、
お母さんが通知表を付けてあげてください。
『先生の評価はこうだったけど、お母さんの評価はこうだよ』
そういう励ましのために通知表を利用してもらえるといいですね」
夏休みが終わったら、お母さんの通知表をつけてみようと
そんな思いでいることができれば、
夏休み前にもらってくる通知表も怖くありませんね。
田中先生ありがとうございました。
書籍紹介
筑波大学附属小学校 田中先生の算数
絵解き文章題』 (学研教育出版)
田中 博史・監修
小学校低学年で学ぶ文章題を、絵でイメージ化して解く問題集。
四則演算の文章題を扱っているため、1年生から3年生まで使うことができます。
文章題の内容を絵でイメージ化することで、文章題の読み取りができ、解く力がつきます。
定価 : 1,029円(税込み)
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