- トップページ >
- 学校・まなび >
- 家庭訪問、ママたちの素朴な疑問[5/29]
学校・まなび
小学1年生 2014年5月29日の記事
家庭訪問、ママたちの素朴な疑問[5/29]
〈家庭訪問Q&A〉元教師の現役ママが答えます!
小学校に入学して、初めての家庭訪問シーズン。お母さんたちにとっては学校や子どもに対しての情報も気になりますが、家の掃除、お茶菓子の用意などの雑多なことも気にかかります。
そこで、小学校教諭経験者で2児の母でもある先輩ママ・平田由里子さんに、学校の先生には聞きにくい家庭訪問の素朴な疑問についてお聞きしました。
<疑問1>
わざわざ「家」を訪問する目的とねらいは?
家庭を見ることで、わかることや参考になることはあるのでしょうか?
平田「家庭訪問の目的は、子どもの理解を深めるためです。
家庭訪問をすることで、家の雰囲気、家族の雰囲気や考え方など、子どもの環境、バックにあるものが見えてきます。学校を企業だとすると、家庭訪問は、顧客(家庭・子ども)のマーケティングリサーチ的な役割を果たしていると考えていいでしょう。
私自身も、家庭を知ることが子どもの理解を深めるために非常に役立ちました。また、保護者の方と個別にお話しすることで、家庭での教育方針、家庭で抱えている子育ての悩みなどを知ることができます。保護者が何を望んでいるか、子どもにどのように育ってほしいかなどを把握することも大切な家庭訪問の目的です。
今は家庭訪問をしない学校も増えてきているようです。
私が教師だったときにも、一度家庭訪問を廃止し、地域訪問にしたことがありましたが、
それによって、教師と保護者のつながりが家庭訪問をしたときよりも薄くなった気がしました。家庭と学校が同じ方向を向いて子育てをするためにも、家庭訪問はあった方がいいと思います」
<疑問2>
先生は「家庭」のどこをチェックする?
正直なところ、家の中がキレイな方が、親の印象はよくなるものですか?
平田「もちろん、家の中が整理整頓されている方が印象はよくなります。
家の状態は、心の状態にも反映されます。ゴミが散らかっている汚いところで生活していると、心もすさんでくるように思います。
ただし、ぱっと見て、こぎれいにしていたら問題はありません。
私が教師だったとき、家庭訪問では、できるだけ通された部屋以外は見ないようにしていました。
自分が親になって家庭訪問をされる側になった今も、それほど気合いを入れず、普段通りのちょっとプラスαぐらいの掃除で、こぎれいに見せるようにしています。
でも、ほとんどの先生は、部屋がきれいかどうかそれほど気にしていませんので、ご安心ください」
<疑問3>
お茶、お菓子は出さなくていいというけれど、本当?
実際に口をつけなくても、出したほうがいいかなと思うのですが、先生によっては、時間がないからお茶の支度をするくらいなら話をしたいという方もいるようです。
平田「私が教師だったとき、のどが渇いたときは、出されたお茶を飲みました。
でも基本的に先生は、お茶を出されても口をつけないことの方が多いかもしれません。全部飲んだり、食べたりしていると、トイレの心配もあるので……。
親になった今では、『先生だからお茶を出さなければならない』と考えるのではなく、『お客さんが来たときに、どうしているか?』と考えてお茶を用意しています。お茶菓子はなくてもOKです」
<疑問4>
こちらが聞きたいこと、どれだけ質問してもいいのでしょう?
学校での子どもの様子など、つい、いろいろ聞きたくなってしまうのですが、迷惑でしょうか?
平田「先生の立場から言うと、聞きたいこと、質問はどんどんしていただいた方がうれしいものです。家庭訪問は親と先生のコミュニケーションの場です。いろいろ聞いてください。
でも、時間には限りがあります。だいたい10分ぐらいが目安です。だから、聞きたいことをあらかじめ考えておいて、メモしておいたほうがいいでしょう。時間が長引くと、ほかの家庭にも迷惑をかけます。時間内ならば、どれだけ質問しても大丈夫です」
<疑問5>
子どもへのフォローなどは必要?
先生が帰った後に、何か子どもに言っておいたほうがいいことなどはありますか?
平田「最もおすすめのフォローは、先生から、子どものがんばっている様子などを聞いて感じたことを『○○は、学校で~をがんばっているんだね。先生にほめられてお母さんもうれしかったよ』と、Iメッセージ(『私』を主語にした表現)で伝えることです。
反対に、課題面については、『お母さんも応援しているからね』というメッセージを伝えるといいと思います。
せっかくの家庭訪問なのですから、子どものやる気がでるようなフォローができるといいですよね」
プロフィール
大学卒業後、東京都の公立小学校に7年間勤務。退職後、心理カウンセラーや社会教育主事などの免許を取得。中学生と小学生2人の子の母でもある。現在は「ママ先生」として、ブログなどを通して、子育て中のお母さんへのアドバイスなどを行なっている。