1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
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学校・まなび
小学1年生 2016年8月29日の記事
●たった一人の子が転出するだけでも変化がある
夏休み明けに気をつけて欲しいのは子どもたちの友達関係です。
夏休みの間の体験や自然成長によって、一人一人の子どもがけっこう変化しています。
ですから、それによって友達関係が変わるということが実際にあるのです。
さらにもう一つ大きな要因として転入・転出があります。
この転入・転出に伴う友達関係の変化には、先生も親も気を配る必要があります。
例えば、あるクラスからAさんという一人の子が転出したとします。
すると、それだけでクラス全体の友達関係が影響を受けます。
それまでAさん、Bさん、Cさんがよく一緒に遊ぶ仲だったとしても、残されたBさんとCさんが今までのように一緒に遊ぶとは限りません。
AさんがBさんとCさんの接着剤のような働きをしていた場合、BさんとCさんは離れるかも知れません。
そして、BさんとCさんがそれぞれ別のグループに吸収されるかも知れません。 あるいは、Bさんは別のグループに吸収されてCさんだけ一人孤立し遊ぶ相手がいなくなるかも知れません。
また、Bさんが入ったことでそのグループからDさんがはみ出るかも知れません。
●転入生がいた場合、大きな変化が起こる
ここまで、転出生がいた場合を見てみましたが、転入生がいた場合も同じように友達関係の変化が起こります。
例えば、あるクラスにEさんという一人の子が転入してきたとします。
子どもたちは転入生が大好きですから、しばらくみんなにちやほやされ大切にされます。
そして、最初は転入生がどういう子かわかりませんので、とにかく席が近い子や家が近い子と仲良く遊ぶようになります。 また、積極的でお世話好きな子たちとも仲良くなります。
その後、しばらくすると転入生がどういう子かわかってきますし、転入生にもどの子がどういう子かわかってきます。 すると、やはりお互い馬が合う子とよく遊ぶようになります。
例えば、転入生のEさんが、Fさん、Gさん、Hさんたちのグループとよく遊ぶようになったとします。
でも、人数が増えたことでHさんだけちょっとはみ出るようになるかも知れません。 あるいは、Eさんに引かれてIさんも入ってくるかも知れません。
また、それによって、Iさんとあまり馬が合わないGさんがほかに移るかも知れません。
もちろん、1,2年生のような低学年では高学年ほどグループの枠が固定してはいません。また、クラスによってもかなり雰囲気は違います。
それでも、ちょっとしたグループはありますので、こういうことが起こり得るのです。
これらはほんの一例です。
たった一人の子が転出することで、あるいはたった一人の子が転入してくることで、子どもたちの関係には複雑な化学変化が起こり得るのです。
それがどのように変化するのかは誰にもわかりません。
つまり、予測不可能なものなのです。
遊び相手がいない子が出ることもありますし、場合によっては、それまではなかったいじめに類することが起こることもあり得ます。
●子どものサインを見抜こう
このようなわけで、友達関係の変化には先生も親も十分気を配る必要があります。
なお、転出・転入がない場合も、冒頭に書いたような理由で友達関係に変化が起こり得ます。
子どもが辛い状態にいる場合、何らかのサインが出ていることが考えられます。
例えば次のようなところに子どものサインが出ていることがありますので、気をつけていてください。
・何となくいつもの様子と違う
・元気がない。逆に、妙に明るい
・口数が減った。逆に、口数が増えた
・声や表情が暗い。ボウッとしている
・「いってきます」「ただいま」の声の調子がいつもと違う
・イライラしている。怒りっぽくなった
・物の扱いが乱暴になった
・体の不調を訴える。お腹が痛くなる
・友達や学校のことを話さなくなった
・遊ぶ友達が変わった
・遊びに出なくなった。友達が家に来なくなった
・朝起きるのが遅くなった
・登校を渋る。休みたがる
・朝の行動が遅くなった。登校が遅くなった
・家に帰ってくるのが早くなった
・持ち物や服が汚れている。壊れた
・物がなくなった
・文房具が減っている
・落書きされた
・金遣いが荒くなった。お金を欲しがる。家のお金やものがなくなる
・ケガをしてくる
あと、因みに高学年だと次のようなことも要注意です。
・修学旅行、キャンプ、社会見学、遠足、総合学習、部活、塾、スポ少の話題を避ける。休みたがる
・メールを非常に気にする
気になることがあったら、すぐ先生に相談するようにしてください。
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1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
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