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学校・まなび
小学1年生 2014年9月8日の記事
「速く走れる靴」って本当に効果があるの?[9/8]
〈運動会、かけっこが速くなるには? 1〉 速く走れる機能よりもサイズやフィット感が大切です
秋の運動会シーズン。かけっこが苦手な子は少しでも速く走れるようになりたいもの。今や小学生の定番「速く走れる靴」を使ったほうがいいの? 靴以外で速く走れるようになるコツは? など、かけっこに関する疑問や走り方などについて、子どもの運動教室「スポーツひろば」の西薗一也さんにうかがいました。
●子どもが「これなら走れる」と思っていれば、結果が出ることも
最近は、かけっこ用の速く走れる靴が人気のようで、すでに多くの子が持っているようです。やはり履いているのといないのでは、走りやすさなどに違いはあるのでしょうか?
西薗 「いわゆる速く走れる靴と言われているものには、いくつか種類がありますが、大きな特徴のひとつが左回りのコーナーが回りやすい構造で、スピードが落ちないというものです。でも低学年のリレーは50メートルの直線コースがほとんどなので、そういった靴の特徴は活かしにくいと思います。
またそのほかに、地面を足で捉える力を高めるという機能もあります。親指を中心とした足指で地面をしっかり捉えることで、蹴り出す力が強くなり、よりスピードが出やすくなるというわけです。でも普段あまり運動しない子は、足を蹴り出す力や足指の力が弱いので、靴の機能だけでどれだけ速く走れるようになるかは、ちょっと疑問なところもあります。
ただ、速く走れるかどうかはメンタル面の影響がとても大きいので、子ども自身が『これを履いていれば、自分でも速く走れる』と思っていれば、よい走りができるということはあると思います」
一種のおまじないみたいなものですね。
●靴を選ぶときは、縦や横のサイズをきちんとチェック!
西薗 「速く走る機能というよりも、サイズがぴったり合って、はき心地のよい靴であれば、通常のスポーツシューズであっても十分走りやすいと思います。
かけっこ用に限りませんが、子どもの靴を買うときは、すぐに成長してしまうからと大きめサイズを買うことが多いのではないでしょうか。足に合わない靴を履いていたら、どんなに性能のよい靴であっても、速く走ることはできません。必ずサイズが合っているものを選ぶことが大切です。
選び方のポイントは、縦の長さだけでなく横幅や厚みもチェックすること。大人が指で押さえて足に合っているか確認します。また、甲の部分が合わないと足の動きが制限されたり、逆に足が靴の中で泳いでしまったりして、うまく走れません。
日本人はどちらかというと、横幅が広めで甲も高めの子が多いので、国内メーカーのほうが合いやすいようです。反対に、甲が薄くて足幅が狭い子は海外メーカーにするなど、その子に合ったタイプを選ぶと、なおいいでしょう。
さらに耐久性などを重視するなら、長年、走りを研究してきたスポーツメーカーのものを選ぶことをおすすめします。
とはいえ、走るのが苦手な子でも、体の使い方など、ほんのちょっとコツを覚えるだけでもぐんとタイムを縮めることができるんです。そのほうが靴に頼るよりもずっと効果的なのではないかなと思います」
そうなんですか? 家族でも教えられる方法があれば、ぜひ教えてください。
それでは次回、速く走れるコツを西薗さんにうかがいます。
プロフィール
スポーツひろば運営責任者。
日本体育大学で学校体育を中心に、さまざまなスポーツの指導法・レクリェーション・スポーツ理論などを学ぶ。
現在は、東京・世田谷区に運動教室「スポーツひろば」を開設。
幼児から小学生を対象にした体育の個別指導や発達障害児のための運動指導などを行なっている。
スポーツひろば 千歳烏山運動教室 HP http://www.sports-hiroba.com/